以下の文は、雑誌「TITLE」(2005年2月号/文藝春秋社刊)に掲載された私の原稿です。
大阪舞洲のゴミ焼却場とスラッジセンターに関する内容です。
高安正樹/有限会社スペースキッズ
|
Hundertwasser in Osaka 過去から来た未来建築 フンデルトヴァッサーのデザインによる2つの工場 大阪の埋め立ての島に、
雨の日を愛した画家、フンデルトヴァッサーがデザインした2つの工場を訪れた日、大阪の街は朝から冷たい雨に降りこめられていた。車窓を伝う水滴が、いく筋もの流れになって、湾岸一帯は濃い霧につつまれていた。 ■創造する者のみが生きている。創造しないのは死ぬことだ。 フンデルトヴァッサーのデザインによる工場を訪れた日、私たちは偶然にも、朝と夕、一日に2度も同じ運転手さんのタクシーに乗ることになった。実はこの運転手さんがフンデルトヴァッサーの大ファンで、車中、あれこれと説明をしてくれた。車内にはフンデルトヴァッサーの描いた舞洲工場のスケッチ画のコピーまであり、その余白には、たくさんのラクダが描かれていた。ボールペンで描かれたラクダの意味を運転手さんに問うと「私にはこの建物がアラブの宮殿に見えます。だからね、ちょっといたずらして、砂漠のラクダを描き加えました」とのことだった。 |
![]() ![]() ![]() ![]() |
| 以下の文は、 「通販生活」2005年春号誌上の記事 「公共事業クイズ」(page200 掲載文)についての、私の反論です。 (その通販生活誌の記事の主旨は、 ”大阪市舞洲工場建設は税金の無駄使い”というものですが、 他誌の記事なので文面までの紹介はいたしません) |
|
通販カタログ誌である「通販生活」の連載記事、「公共事業クイズ」は、ユニークな内容で、私もこれまでは楽しみに読んできました。 同誌に掲載されたこの「公共事業クイズ」の編集意図は、”税金でムダな公共事業をしている事例を訪ね、そのアホらしさを広く知らしめるもの”だと、私は理解します。そして、これまでの記事は、その意図が十分に反映された、読み応えのあるものでした。 通販生活の記事を読むと、どうやら主旨は、「ゴミ処理場にみえない奇抜な外観デザインが、よろしくない」ということのようです。 - 私は「通販生活」の以上2点の指摘は、まったくお粗末だと思います- 以下、その趣旨を記します。 「ドイツ平和村」や「チェルノブイリ原発事故」などを長期で取り上げるなど、私はこれまでの「通販生活」誌は、<人間の自由を奪う暴力>に常に批判的な視点をもつ数少ないメディアだと思っていました。しかし、今回の「公共事業クイズ@」の記事は、単なる「見た目」のインパクトだけを狙った浅薄な記事にしか読めませんでした。 第二の反論です。 現在、ヒートアイランド、地球温暖化の影響もあり、多くの建築(物)で、屋上緑化や雨水利用、太陽光発電などが取り入れられていますが、こうした発想を建築に結びつけた先駆者が、フンデルトヴァッサーなのです。その生き方は、以前、テレビの特別番組でも報道されました。 最後に、当の「通販生活」誌で、公共事業として舞洲工場が法外な税金を浪費しているかどうかの肝心な検証が、まったくなされていません。私自身が以前に大阪市に取材したところでは、そのような事実は見られませんでした。また、建築デザイン費としてフンデルトヴァッサーに支払われた支出も、けっして法外なものではないと認識しています。 私は大阪市のスポークスマンではありません。フンデルトヴァッサーの思想に以前より深く共感する一個人です。そして、私以外の同じ人間のためにも、この文をまとめた次第です。 |
下写真は、フンデルトヴァッサーデザインの、現存する建築物。
自然環境と共存する彼の建築物は他にも多くあります。

ブラウザの戻るボタンでお戻りください