ティム・バートン/Tim Burton 


 1958年8月25日〜/アメリカ/監督(演出家)

 B級映画に対する過剰な偏愛振りを抱えながらも、アニメーター出身らしい画面を構築する技術がバートン作品の最大の魅力だと思います。「シザーハンズ」や「ナイトメア〜」等はセンチメンタルなニュアンスが強い分、幅広い層から支持を集め、特に後者は公開から13年を経た現在でも根強いを誇ります。
 マイノリティーな登場人物を常に物語の中心に置いていましたが、「エドウッド」あたりから作風が大きく変わり、作品がヒットしても「猿の惑星」など”空っぽ”な大作映画を躊躇なく手掛ける姿勢に、溜息を隠さない熱狂的なファンも少なくありません。(泣)


 1982年 『ヴィンセント』  脚本・監督・製作/ティム・バートン  音楽/ケン・ヒルトン

 1982年 『フランケン・ウィニー』  原案・監督/ティム・バートン  音楽/マイケル・コンヴァティーノ+デヴィッド・ニューマン

 1985年 『TVヒッチコック劇場』 「」  監督/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 1985年 『ピーウィーの大冒険   監督/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 1988年 『ビートルジュース   監督/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 .1989年 『バットマン』  監督/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 1990年 『シザーハンズ  原案・監督・製作/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 1992年 『バットマン・リターンズ  監督・製作/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 1993年 『ナイト・メア・ビフォア・クリスマス  原案・製作・キャラ・デザイン/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 1994年 『エド・ウッド』  監督・製作/ティム・バートン  音楽/ハワード・ショア

 1995年 『バットマン・フォーエバー  製作/ティム・バートン  音楽/エリオット・ゴールデンサル

 1996年 『ジャイアント・ピーチ  製作/ティム・バートン  音楽/ランディー・ニューマン

 1997年 『マーズ・アタック   脚本・監督・製作/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 1999年 『スリ-ピー・ホロウ』  監督/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 2001年 『猿の惑星』  監督/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン

 2003年 『ビッグ・フィッシュ』  監督/ティム・バートン  音楽/ダニー・エルフマン


◆◆◆ティム・バートン」作品の”サウンドトラック”紹介◆◆◆ 



「PEE WEE'S BIG ADVENTURE:BACK TO SCHOOL」/「ピーウィーの大冒険:バック・トゥ・スクール」
  ORIGINAL SOUNDTRACK CPC−5018 (サントラ盤) 音楽 ダニー・エルフマン (86年)

 ”ピーウィー・ハーマン”を演じるポール・ルーベンスとティム・バートンの熱烈なラブコールによって、エキセントリックなバンド「オインゴ・ボインゴ」の中心人物である”ダニー・エルフマン”は、本作の劇伴に大抜擢されます。映画音楽に並々ならぬ関心を寄せるエルフマンは、手探り状態で試行錯誤を繰り返しバンドマンらしからぬオーソドックスな作風でスコアを完成させます。このサントラには原点とも呼べる、ハーマン等へのオマージュがたっぷりと刻まれており、ファンとしての興味は尽きません。
 
※カップリングの「バック・トゥ・スクール」は、バートン作品ではありません。 


「BEETLEJUICE」/「ビートルジュース」 GEFFEN 9 24202−2
 ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK (サントラ盤)  音楽 ダニー・エルフマン (88年)

 ハイテンションなマーチ『メイン・タイトル』からエンド・クレジットへの挿入歌『ジャンプ・イン・ライン』まで映画を満喫するための超強力アイテムが、このサントラ盤「ビートルジュース」。もちろん作品の非・公認テーマソング『DAY−O』(バナナボート)もハリー・ベラフォンテが歌うオリジナル・バージョンで収録してます。ホラー風味のコメディーで、ちょっぴりハート・ウォーミング。オマケに”ミュージカル”の要素もドッキングと、この冗談みたいなトッピングは、バートン監督とエルフマンならではの偉業であり、非常に濃い味付けです。(笑)エルフマンのトレード・マークとも言える作風が顕著な『メイン・タイトル』は必聴!


「BATMAN」/「バットマン」 22P2−3073 
 ORIGINAL MOTION PICTURE SCORE (スコア盤) 音楽 ダニー・エルフマン (89年)

 70年代にテレビ映画として高い人気を誇った「バットマン」はコミカルなアクションドラマとして大衆の支持を集めましたが、バートン版「バットマン」は先任の財産には極力触れずに、新しいイメージを打ち出しました。(ダーク・ナイトシリーズのイメージ)バートン監督の演出プランを充分に反映させたエルフマンのスコアは、メイン・タイトルを筆頭にフル・オーケストラを駆使して前作「ビートルジュース」から数段スケール・アップ。その闇よりも暗くそして重いサウンドは圧巻で、合唱を配した『ディセント・イントゥ・ミステリー』や内省的な旋律が冴える小品『ジョーカーズ・ポエム』など、痺れるような格好良さです。


「PRINCE:BATMAN」/「プリンス:バットマン」 WPCRー359 
 MOTION PICTURE SOUNDTRACK (サントラ盤)  音楽 プリンス (89年) 

 当初ワーナーでは、プリンス単独による本サントラのみのリリースを計画していました。収録された楽曲は、派手なプロモが話題となった『バット・ダンス』をクライマックスに、ファンキーかつポップな全10曲が準備され、バットマン・ファンを公言するプリンスのサービス精神が行き届いた内容と成っています。ところが、本編を観た映画ファンが望んだのは、エルフマンによるオリジナル・スコアのリリースであり、この件を発端としてスコア盤の別売という概念をメーカーに献上しました。セールス的には悪くなかったモノの、ファンに恵まれなかった不遇のサントラと言えます。


PRINCE:BATMAN」/「プリンス:バットマン」 33PZ−2870 
 MOTION PICTURE SOUNDTRACK (サントラ/限定盤)  音楽 プリンス (89年) 

缶ケース(外観)

盤面(蝙蝠プリント)

丸形ライナー

バットダンス(シングル)

缶ケース(外観)

盤面(蝙蝠プリント)

丸形ライナー(写真見開き)

「バットダンス」シングル

 ワーナーからリリースされた「バットマン」のサントラは”プリンス”が手掛けたオリジナルバージョンの他に、バブル時代の象徴のような缶ケースにCDを収納した本限定盤が登場しました。写真で紹介しているモノはソレ等の日本語盤で、丸形ライナーには渋谷陽一氏のプリンス解説の他に各楽曲の日本語訳も記載した別紙も付属します。写真右は別売の『バットダンス』のリミックスを収録したシングルですが、『バットダンス』を構築する前の素材的なテイクが3点収められており、プリンス・ファンなら彼の緻密な仕事振りに感嘆とするかと思われます。映画ファンの評価が芳しくない本作ですが、プリンスらしからぬサービス精神で本編に歩み寄ったため”洋楽ファン”の反応も冷たく、聞き手に恵まれなかった”殿下”悔恨のアルバムでしょう。


「EDWARD SCISSORHANS」/「シザーハンズ」 MVCM−19317 
 ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK (サントラ盤) 音楽 ダニー・エルフマン (90年)

 キッチュでゴシックというバートンの美意識とエルフマンによる楽想の相性は抜群で、「シザーハンズ」は、両者の代表作と呼ぶに相応しい内容です。ソレまでのイケイケな活劇路線から趣を変えワルツを奏でる優雅で美しい調べは、「一筋の悲しみを込めて作曲した」と語るエルフマン会心のサウンドです。サントラには、監督お気に入りの”トム・ジョーンズ”が歌う力強いラブ・バラード『ウィズ・ジーズ・ハンズ』もフォローされた充実の内容。
 ※オリジナル音源の国内盤も一定のサイクルで再販しており、輸入盤よりリーズナブルな価格です。


「BATMAN RETURNS」/「バットマン・リターンズ」 WEA 9 26972−2
 ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK (サントラ盤) 音楽 ダニー・エルフマン (92年) 

 自らの呪われし運命を綴った『怪人ペンギン誕生』から、前作のテーマを絡めた『巣窟』まで緊張感みなぎる組曲でサントラは幕を開けます。主要人物の殆どがトラウマを抱えたフリークスであり、ソレを受け止めるエルフマンのスコアは、第一作を凌ぐほど憂鬱で重厚。弦楽器の不協和音等を用いた劇伴設計を組立ながらも、その力強いスコアからは余裕と風格さえ感じられます。気になる点として、この作品からコンダクターが変わったことが微妙に影響したのか、音響的な印象が異なる様にも感じられます。ラストで流れる『フェイス・トゥー・フェイス』もサントラのラストに収録。  


THE NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS」/「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」 PCCD 0014 
ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK (サントラ盤) 音楽 ダニー・エルフマン (93年)
 

 「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」はバートンが11年越しに実現させた夢の結実ですが、その完成に並々ならぬ尽力を注いだ一人が盟友エルフマンです。この作品は人形アニメですが、ミュージカル形式が採用されており、音楽も過度の労力を必要とする作業と成りました。エルフマンは全曲の作詞・作曲に加え、吹き替えや主役のボーカル・パートまで担当する活躍振りにも関わらず、その頑張りがセリック監督との軋轢を生み、バートンとの決別という皮肉な結末を迎えることに成ります。事情はさておき、このサントラは本編の魅力を余すことなく伝えています。


「ED・WOOD」/「エド・ウッド」 HR-62002-2 
 ORIGINAL SOUNDTRACK (サントラ盤)  音楽 ハワード・ショア (94年)   

 古典的なモンスター映画に対するオマージュを思わせる導入部。そして、実に味わい深い『メイン・タイトル』と退廃的なサスペンスでその名を馳せる「ハワード・ショア」がバートン作品に初登板。パーカションを絡ませた劇伴では「エド・ウッド」のポジティブな部分を描きベラ・ルゴシの関わるシリアスな展開には十八番のストリングスを奏で、メリハリの効いたサウンドを披露しています。エルフマンの輪郭がハッキリしたサウンド・アプローチとは趣が異なり、編曲や編成など音色そのモノがしなやかに感じられ、個人的には好印象。新しい顔合わせも決して悪くないと感じました。


 「BATMAN FOREVER」/「バットマン・フォーエバー」 (スコア盤) ATLANTIC 82776−2
ORIGINAL MOTION PICTURE SCORE ALBUM 音楽 エリオット・ゴールデンサル(95年)

 新しい『メイン・タイトル』はエルフマンによる旧テーマの翳りを含みながらも、実に勇壮な響きを奏でます。シリーズ三作目で音楽を担当したエリオット・ゴールデンサルは、そのセンスの良い音楽性で新作に挑みます。劇判全般に自信のキャリアを踏襲した前衛的な響きも見えますが、テーマ・アレンジを執拗に取り入れる事で聴き易い楽曲を形成しています。ツーフェイスとリドラー。二人の怪人の暴走に振り回され気味の本編を踏んだためか音楽も躁の印象が強く、鬱が魅力のバートン版とはまるで異なる感触です。  


「BATMAN FOREVER」/「バットマン・フォーエバー」 (サントラ盤) AMCY−852
 ORIGINAL MUSIC FROM MOTION PICTURE 音楽 
U2/シール/マッシヴ・アタックetc (95年) 

 U2やシール、マッシヴ・アタック等々、ビッグネーム(全てがそうでもない)が混在する怒濤のサントラが登場。ロックにソウル、ヒップホップ等々各アーティストのジャンルも多種多様で、音楽的な充実度とは対称的に「バットマン」との関連性を見いだすことが、ほぼ不可能な内容です。(タイトルではメソッド・マンの手掛けたヒップ・ホップ『ザ・リドラー』程度しか見あたりません。)以前、プリンスが手掛けたサントラが本編で3曲程度しか使われていないと、物議を醸しましたが本作とサントラの関連性はそれ以上に稀薄で、ライナーの方も殆ど映画のスタッフやキャストのフォローしかありません。


「JAMES AND THE GIANT PEACH」/「ジャイアント・ピーチ」 PCCD−00230
 ORIGINAL SOUNDTRACK  (サントラ盤) 音楽 ランディー・ニューマン
 (96年)

 ロアルド・ダール原作の児童文学『おばけ桃の冒険』は、バートンをして「一番撮りたかった物語」と公言するほどの名著。今作ではイニシアチブがディズニーに有るためか、バートン・テイストは以外と稀薄で、音楽も同プロダクションで息の掛かったランディー・ニューマンが担当。極めて健康的なスコアを提示し、作品を感動的に盛り立てます。シンガーソング・ライターとしてのキャリアを持つニューマンは自身もボーカルを担当し渋い歌声を披露。サントラには悲観的な要素など微塵にもなく、まさに正統ディズニーメイドな出来栄えです。


「MARS ATTACKS!」/「マーズ・アタック」 (サントラ盤) AMCY−2137 
MUSIC FROM THE MOTION PICTURE SOUNDTRACK 音楽 ダニー・エルフマン (96年)

 50年代のSFムービーを彷彿されるテイストは、ビジュアルだけに止まらず劇伴でも徹底したコダわりを追求し、テルミンやアナログ・シンセで得られるエフェクティブな効果をシンフォニーに挿入します。エルフマンの抑揚の効いたマーチや、楽曲によってはオインゴ・ボインゴ時代を回帰させるアプローチと、両者の凍結解除が嬉しいサウンドが堂々復活を果たします。ファンにはお馴染みとなったバートン推奨のトム・ジョーンズの『よくあることさ』が漸くサントラにも収録され、本国の興業上の失敗が無ければ記念碑的な作品に成ったと思われます。


「SLEEPY HOLLOW」/「スリーピー・ホロウ」 AVCW−13009 
MUSIC FROM THE MOTION PICTURE (サントラ盤) 音楽 ダニー・エルフマン (99年)

 バートンとエルフマンにとってクラシカルなB級映画の再構築ほど相応しい仕事はなく「スリーピー・ホロウ」は両者にとって格好のモチベーションとなりました。エルフマンは『メイン・タイトル』で聞かせたフレーズをモチーフとした劇判を展開しますが”首無し騎士”を巡り、様々な表情のスコアを用意します。ゴシック・ホラーというニュアンスを重視したコーラス・パートの登場は、贅沢なフル・オーケストラを交えることで、禍々しくも怪しい雰囲気を放ちます。コンダクターにアラン・ウィルソンを招いたことも作品に大きく貢献しているようです。


PLANET OF THE APES」/「猿の惑星」 SRCS−2491 
ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK (サントラ盤) 音楽 ダニー・エルフマン (01年) 

 エルフマンの手掛けた「猿の惑星」のスコアは、オリジナル同様に打楽器を中心に組み立てていますが、シンセサイザー等のプログラム・サウンドを併用しているのが大きな特徴で、よりタイトでパワフルなサウンドを追求しているようです。プログラミング関係にマーク・マンがクレジットされており、現在のシンフォニーを素材と捉えデジタルな処理を施すスタイルが、最近のエルフマンのお好みの様です。サントラ全般の印象は音楽としての完成度は高いのですが、以前のような独創的なハーモニーやキャッチーなフレーズは影を潜めています。


BIG FISH」/「ビッグ・フィッシュ」 SICP−532 
MUSIC FROM THE MOTION PICTURE (サントラ盤) 音楽 ダニー・エルフマン (03年) 

 「猿の惑星」の喧噪が嘘のように海外では高評価を獲得していますが、サントラを聴くだけでもその勢いは充分に伝わります。エルフマンはアコースティック楽器の艶めかしい音色を重視した”甘美”でありながら”逞しい”スコアを書き上げています。劇中に関連した挿入歌では、バートンらしいオールディーズ嗜好が並びますが、本作に感銘を受けたという”パール・ジャム”の参加なども案外侮れません。(権利関係にうるさい”プレスリー”の収録など、サントラ的には大健闘?日本盤はライナーも充実していて、買い得感あり)


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