ディープ・サウンドトラック

◆◆◆ハワード・ショアに関連したレアなサウンドトラックを紹介◆◆◆  

SCANNERS」「スキャナーズ」 
  SCANNERS (海賊盤) 音楽 ハワード・ショア (81年)  

 クローネンバーグ作品におけるショアの音楽は非常に恐いのが特徴で、両者の初期作品はソレが顕著です。この「スキャナーズ」は弦楽器と金管楽器で編成した短いフレーズをモチーフに、アナログ・シンセサイザーのフィルター・ワークを駆使した効果音的な音響処理をサウンドの要とします。ショアは、次作の「ビデオドローム」でもこの方法論を踏襲しますが、その試みは実験レベルで感心できません。本CDは「スキャナーズ」に関する全ての音源を収録したモノらしいのですが、適当なジャケを筆頭にSNの悪い音質やトラック間の音量の未調整など典型的な海賊盤と呼べる代物です。


「THE FLY 1&2」/「ザ・フライ 1&2」 VOLCANO CPC8−5021 (サントラ盤)
「THE FLY ORIGINAL SOUNDTRACK」 音楽 ハワード・ショア/クリストファー・ヤング(86年/88年)

 本サントラは、既に廃盤の「ザ・フライ」とその続編をカップリングした”お買い得盤”ですが、容量の関係でオミットされた楽曲が何点か存在します。前者のオリジナル盤からは『Seth and the fly』/『Burndlefly』/『The stairs』の3点が削除されていますが、どのスコアもショアらしいアレンジが施されファンなら聴いておきたい曲ばかりです。その他にオリジナル盤との差違として、各スコアの収録時間に若干の誤差がありますが、これはトラックダウンの際に発生した無録音時間を記憶した物理的なの不具合のようで、再生時間及び音源は同一と思われます。


BIG」/「ビッグ」 VCL1102 1015
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 (サントラ盤) 音楽 ハワード・ショア (88年)

 コメディという枠にありながら、センチメンタルなムードが漂う「ビッグ」のオリジナル音源がVARESEより、限定3000枚でリリース。全体的に薄いオケで構成されていますが、各楽曲には明瞭なメロディが用意され、ショアにしては”サッパリ”とした味付けが終始堪能できます。”ゾルダ・マシーン”関連で、俯き気味な作風も登場しますが全体のムードを損なうことはありません。本サントラにはショアのオリジナル・スコア以外にも『ムーンライト・セレナーデ』など本編のサウンドトラックも余すことなく収録しており、サントラとしては申し分のない内容です。

「CRASH」/「クラッシュ」 MILAN 74321−40198-2 (サントラ盤)
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK CRASH」 音楽 ハワード・ショア (96年)

 このサントラは「クラッシュ」の欧州盤で音源としての誤差は無いのですが、オリジナル盤とは装丁等が異なるので紹介しておきます。1.ジャケットの写真が違いますが、これは盤面に採用されたモノと同一の様です。2.ジャケット背表紙中央の写真が欧州盤ではキャサリンに変更され、ライナー内の印字もフランス語表記へと差し替えられます。(ジャケットがオリジナルの三つ折りから二つ折りへと縮小されますが、欧州盤はライナー側もカラー写真を採用)3.盤面印刷が一色刷(セピア調の一色)で、オリジナル・ディスクの様なタイトルのみが赤いという印刷は省略されています。


 「SEVEN」/「セブン」 CONCORDE-9911
    「THE SCORE 」 (海賊盤) 音楽 ハワード・ショア
 (96年)

 正規盤のサントラではオリジナル・スコアの一部しか収録されませんでしたが、この海賊盤はトラック数25で、トータル・タイム61分17秒と本編のオリジナル・スコアを余すことなく収録しています。頭から尻尾まで鬱蒼とした楽曲のみで構成されたスコアは圧倒的な緊張感だけが支配し、聴く毎に体力を奪っていくような虚脱感が恐ろしいショア入魂のサントラです。通常のオーケストラ編成に加えエフェクト処理のみでコラージュした楽曲など、自信が好むアンビエント的なアプローチも実践されています。
 ※音質は非常にクリアーで、音圧のブレなども特に感じられないし、ジャケは印刷みたいです。 

RANSOM」「身代金」 
           リジェクト・スコア (海賊盤) 音楽 ハワード・ショア (96年)             

 ロン・ハワード監督がリジェクトしたハワード・ショアによるオリジナル・スコアを収録したのが、この海賊盤CD。オーケストラ主体のサウンドは重厚な弦楽器と金管楽器に支えられ、ねっとりとした闇を含んだ相変わらずの趣。音楽の嗜好こそ違いますが、同じアクション主導のスコアでもジェームズ・ホーナーの明るくライトな作風の方がより洗練された印象が残るのが非常にシャクです。本編で不採用になったスコアで海賊盤という性格上オススメしかねるのですが、ショアはショアらしい仕事を完璧にしているので、その向きのファンの期待は先ず裏切らない充実の内容だと言えるでしょう。 


THE CELL」「ザ・セル」 
             THE CELL (海賊盤) 音楽 ハワード・ショア (00年)             

 異常者の精神世界を体感するというのが本作のメイン・プロットであり、ターセム監督の摩訶不思議なビジュアルと対峙するショアの劇判にも特異な傾向が現れます。基本的な主題はオーケストラで構成されていますが、躍動的な太鼓のリズムや各スコアを縦横無尽に横切るバグパイプなど確信的な混沌を積み上げているのが特徴と言えます。この海賊盤は通常盤からオミットされた地味な楽曲の回収が無事に図られ、ショアが意図した全容を把握するには格好のテキストと成りますが、DVDをマスターだと推測すればその”特別編”より高価な出費に憤りは否めません。(通常版でもミュージック・トラックあり)


「THE LORD OF THE RINGS」/「ロード・オブ・ザ・リング」 REPRISE/9-48238-2
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 (サントラ盤) 音楽 ハワード・ショア (01年)

 本サントラはショアによるオリジナル・スコアを納めた通常盤と比較すると装丁のみが異なる限定仕様で”輸入盤”のみのリリース。フル・オーケストラ編成に加え声楽を大胆にフィーチャーした贅沢かつ豪快なサウンドは、ライト・モチーフもほどほどに”特異”なコード進行で奏でられるショア渾身の劇判です。サントラには”エンヤ”による素晴らしいボーカル・トラックが2曲収録されていますが、ソコを割り引いてもスコアの輝きが褪せることはありません。まだ第一部なので音楽的にも全体像は見えていませんが、快調な滑り出しと言えるでしょう。


「THE LORD OF THE RINGS THE TWO TOWERS」/「ロード・オブ・ザ・リング二つの塔」48408−2
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 (サントラ盤) 音楽 ハワード・ショア 
(02年)

 第一部では、表情豊かなスコアを並べたショアですが、第二部「二つの塔」では、本来の持ち味である重い作風をより拡大し、力強い劇判で攻め立てます。序盤の鬱蒼としたハーモニーから、畳みかける重厚なコーラス隊を交えたオーケストラは、前作以上に暗澹たる闇が拡がります。時折のぞく各キャラクターのモチーフも隠し味として効果を発揮し、楽曲のアレンジや構成にも独自の冴えを見せてくれます。本リミテッド・エディションには、DVDの特別バージョンのために追加されたオリジナル・スコアが、ボーナス・トラックとしてフォローされ、通常盤との差別化がようやく図られました。


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