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◆旅の仲間 The Fellowship of the Ring◆

●第一楽章 Movement One
「預言」 The Prophecy
「ホビット庄の社会秩序」 Concerning Hobbits
「過去の影」 The Shadow of the Past
「マッシュルームへの近道」 A Short Cut To Mushrooms
「古森」 The Old Forest
「闇夜の短剣」 A Knife in the Dark
●第二楽章 Movement Two
「数々の出会い」 Many Meetings
「指輪は南へ」 The Ring Goes South
「暗闇の旅」 A Journey in the Dark
「カザド=ドゥムの橋」 The Bridge of Khazad-dum
「ロスロリアン」 Lothlorien
「ガンダルフへの哀悼」 Gandalf's Lament
「ロリアンへの別れ」 ※Farewell to
Lorien
「大河」 The
Great River
「一行の離散」 The Breaking of the Fellowship
◆二つの塔 The Two Towers◆

●第三楽章 Movement Three
「石の基盤」 Foundations of Stone
「スメアゴルならし」 The Taming of Smeagol
「ローハンの騎士たち」 The Riders of Rohan
「黒門不通」 The Black Gate is Closed
「夕星姫」 Evenstar
「白の乗り手」 The White Rider
「木の鬚」 Treebeard
「禁断の池」 The Forbidden Pool
●第四楽章 Movement Four
「角笛城」 The Hornburg
「進めエオルの家の子ら」 Forth Eorlingas
「アイゼンガルドへの道」 Isengard Unleashed
「ゴラムの歌」 Gollum's Song
「二つの塔〜限定盤」

※ボーナストラックに「ロリアンへの別れ」を収録。音源はSEE版の追加トラックより
◆王の帰還 The Return of the King◆

●第五楽章 Movement Five
「望みと思い」 Hope and Memory
「白の木」 The White Tree
「ゴンドールの執政」 The Steward of Gondor
「キリス・ウンゴル」 Cirith Ungol
「アンドゥリル」 Anduril
●第六楽章 Movement Six
「全ての終わり」 The End of All Things
「王の帰還」 The Return of the King
「灰色港」 The Grey Havens
「イントゥ・ザ・ウエスト」 Into the West
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2004年12月12日(曇り/雨)
●その1「再び、東京国際フォーラムへ‥」
小雨の有楽町を歩くと、その会場は見えた。8月の最終公演以来の来場となるが、場内は相変わらずの熱気だ。半券を離して階段を上るとグッズ売り場が見える。先回はパンフレット完売という悲劇に見舞われたが、今回の平積み量は半端ではない。気が利いていると言うよりは、商魂逞しいのだろう。入手したパンフレットを抱えて場内の座席配置図を参照。指定席の場所を確認して再び歩く。
予定していた二階席に腰を降ろすと、眼下にステージが見えた。何人かではあるが、楽団員らしい人影が自主的なリハーサルというか練習をしている。二階席を選んだのは、気になる音が何の楽器で奏でたモノなのか興味を覚えたからだ。先回の1階席からの視聴では、分からない音が以外とある。
聞き覚えのある金管の旋律に耳を澄ましていると妙な違和感を感じた。
…音が外れているんじゃないのか?
一瞬過ぎった不安に対し右側に座る方達からも「…おい、おい、頼むよ」と落胆混じりのツッこみが届く。
…今回の上演は大丈夫なのか?着席早々複雑な心境に襲われる。
●その2「珍妙な味付け!?」
開演を告げる場内アナウンスと共に”ロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団”の一団がステージに姿を見せた。後方に設置された雛壇には、コーラス関係の一団が整列を始めている。ロシアの方々と日本人ではコスチュームが異なるようだ。
暫くして、場内の歓声が一際大きくなるとショアが颯爽と現れた。…セヴンで気が滅入るほど憂鬱なスコアを堂々と書き上げた、あのショアが眼前に(遙か前方だが)立っている。思ったより小柄だが写真とは異なり眼鏡は掛けていない。
…本人なんだろうか?再び一抹の不安が脳裏を掠めたが、最初の曲が始まるとその不安は消し飛んだ。
『今回はショアの珍妙な指揮を楽しみましょう(笑)』内のサイトの掲示板に寄せられた書き込みの意図をこの時、ようやく理解した。指揮棒を持たないショアの指揮は、確かにエネルギッシュで個性的だ。私は演奏を愉しむ以上にステージの動きに注目していた。
第一楽章は「予言」「ホビット庄の社会秩序」「過去の影」「闇夜の短剣」とサントラに収録された楽曲に加えて、「マッシュルームへの近道」「古き森」などサントラに未収録のスコアも混合してアレンジされている。
感覚的なモノかも知れないが、今回の上演は先回の8月公演より音が艶めかしいような気がする。東京国際フォーラムはホール特有の残響音が深くてコンサートなのにライブ感を味わうことが出来ない不自由な環境だ。小さなステージのPAなら多少の事は分かるが、このような巨大な施設で、どのようなマジックを試みたのか。ショアの参加に加えて、この音響なら今回の上京は充分に得るモノがあるように思える。
●その3「怠け者?は、誰だ!」
用意した携帯型の双眼鏡でステージを眺めて気が付いたことが二つある。一つは、ショアの超ポジティブなアクションを楽員は余り見ていない気がした事だ。大半の人は演奏に集中する事と楽譜をめくることで忙しく、アクシデントでも無い限り特別な指示が下らないと確信しているのだろうか?確かにオーケストラの演奏は上演までのリハーサルが全てであり、私の知る限り、リハの段階で各パートへの指示は下っている筈である。当日の指揮は交通整理の手旗信号のようなモノなので、200人を越える楽員全ての動きを瞬時に修正する事など物理的に不可能だろうと思われる。(出来る方もいるかもしれませんが)
ショアの動きと楽団の様子を交互に見ていると、もうひとつ気になる事が出現した。ステージには左右の後方に打楽器のブースがあるのだが、楽曲と連動し忙しく活躍している右側の奏者とは異なり、左後方の人物は微動だにしない。両手を前方で交差させ眠たげに頭をたれているようにさえ見える。彼は打楽器ブースの責任者(例えば主任)で、分担パートが縮小されているのだろうか?それとも、演奏能力に問題があり参加する機会が極端に少ないのか。ショアの動き以上に彼の動向に目が釘付けとなる。
●その4「あの音は何だ!」
その瞬間が訪れた。8月の公演でも気になっていたのは、「旅の仲間」のサントラに収録された7曲目(闇夜の短剣)の1分38秒あたりから聞こえてくる金属的な音の響きだ。本編の劇伴であるサントラは録音物であるから、当然何らかの加工が施されていても不思議ではないし、ショアも作品によってはオーケストラで録音した音を大幅に改竄することもある。しかし、今作は贅沢なオーケストラ編成が売りであり、上演でどう再現するのか興味があった。シンセやサンプラーを用いれば、この種の効果音は簡単に作れるし、その気になれば当日の演奏持にリアルタイムで音を流すこともPA的には造作も無い。
しかし、その音は私の予測とは異なり、以外にもピアノの低音部と打楽器類がユニゾンする事で、あの効果を生み出していたようだ。更に興味を引いたのは、ピアノの後方にある”アップライト・ピアノ”とおぼしき装置の存在で、この楽器も例のパートは、同じタイミングでユニゾンしていた。(実際にどんな音がするのか、まったくの謎)
適度な興奮と好奇心から前半の二つの楽章の観賞は充分すぎるほど楽しめた。もちろん、あの打楽器奏者の存在も引き続き注目すべき要素ではあるが(笑)
●その5「圧倒的なボリューム!」
15分の休憩を挟んで第二部が開演すると、ショアと並んで先回の上演とは異なるソリストが出現した。…とにかく大きな方であり、その存在はパンフレットのスチルでも首から下が封印されていただけに大きな衝撃だ。声量を維持するためには、一般的な価値観など意味をなさないのだろうけど、結果的にショアと並ぶ事で、その違いが大きく浮き彫りとなってしまう。
第二部に移ると、例の打楽器奏者はティンパニーの前から姿を消し隣のマリンバの前にいる。マリンバも打楽器なので本来は、そちらが専門なのだろうか?彼が比較的まじめ(←偏見です)に演奏に参加すると、ステージを着目する要素が一つ減ったことがチョッと寂しい。
「ポスト」あたりのアルバムまでの”ビョーク”が好きだったので、彼女の歌声と被る『ゴラムの歌』には個人的な思い入れがある。当然吹き替え?には過剰な期待を寄せてしまうが、今回のケイティ・ヌーナンも堂々とした歌いっぷりで聴衆を魅了した様に思えた。演目は「二つの塔」から、「王の帰還」へ写り、『イントゥ・ザ・ウエスト』でグランド・フィナーレを迎える。
●その6「終演、そして…」
ショアが深々とお辞儀をすると宴は呆気なく閉幕となった。勿論カーテンコールで度々、ショアは観衆の前に立つサービスを怠らなかったし、少年合唱団による花束贈呈などのイベントも演出されて先回以上に感動的なフィナーレを体験出来たと思う。
思えば2001年のサントラリリースから「指輪物語」を追い掛けて、三部作の上映を見届け、遂に悲願のコンサートを体感する事まで出来た。(正確にはSEEバージョンのDVDリリースと、発売記念上映という指輪にまつわるイベントは、まだ残されている)
サントラを聞き返す度に、それに付随した数々の素晴らしい出来事も思い出すでしょう。
「ショア、本当に素敵な音楽をありがとう」
(…でも”クローネンバーグ”の憂鬱な音楽の方が大好きです)
おしまい
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