ダニー・エルフマン サントラ紹介

◆◆◆「ダニー・エルフマン」関連作品のサウンドトラック1◆◆◆  


 FORBIDDEN ZONE」/「フォービデン・ゾーン」 (サントラ盤) VSD-5268
「SELECTED FROM THE ORIGINAL SOUNDTRACK」 音楽 ダニー・エルフマン (80年)    

「フォービデン・ゾーン」は、奇抜な設定やシュールな作風が過剰に評価され上陸時からカルト・ムービーとして紹介されました。リチャード・エルフマンが撮り上げたこの作品の音楽を担当したのは実弟のダニー・エルフマンであり、音質は”オインゴ・ボインゴ”等のバンド・サウンドの延長線上にあります。アバンギャルドなイントロに続いて流れるギター・ポップな表題曲や、圧倒的な人気を集める「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」に通じるミュージカル仕立ての音楽コンセプト等々、デビュー盤から既に大躍進の原石となるキラめきを備える貴重な一枚と言えます。


 ミュージック・フォー・ア・ダーケンド・シアター2」 (ベスト盤) MCAビクターMVCM−648〜9
       MUSIC FOR A DARKENED THEATER FVOL.2 音楽 ダニー・エルフマン (96年)

 米TVシリーズ「アメージング・ストーリー」で、エルフマンは「いたずらドック」と「パパはミイラ」の劇伴をスティーブ・バーテクと共に担当しました。このCDには、2つのエピソードの楽曲の一部が19/20/21トラックに収められています。両作品は「ピーウィーの大冒険」と「ビートルジュース」の中間に位置する時期に手掛けた作品であり、曲想やテクニック的にも初期エルフマンらしい躍動感あふれるスコアが収められています。CDの収録キャパの都合上わずか3トラックしか聴けないのは非常に残念ですが、両作品のサントラ単体リリースは恐らく望めないのでコレで我慢でしょうか。


MIDNIGHT RUN」/「ミッドナイト・ラン」 25P2-2313
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 (サントラ盤) 音楽 ダニー・エルフマン (88年)

 これまでマーティン・ブレスト監督の音楽はトーマス・ニューマンでしたが、今作ではエルフマンを起用する事で軽快なロード・ムービーを目指します。ロック主体の劇伴と言ってもビート主導によるお手軽なモノではなく、リズム・&ブルースやフォークにカントリーなど本人のバックボーンにも通じるサウンドを巧みに消化しています。この時期のエルフマンはオーケストラを編成した作曲スタイルへの過渡期に当たりますが、本人のキャリアを充分に生かした起用は大正解と言えます。劇中のキャラ名義によるエンディングでは、本人のノリノリなボーカルも楽しめます。


 「TALES FROM THE CRYPT」/「テイルズ・フロム・ザ・クリプト」 (スコア盤) 9 24462-2
「ORIGINAL MUSIC FROM TALES FROM THE CRYPT」音楽ダニー・エルフマン他(89年〜92) 

 「テイルズ・フロム・ザ・クリプト」は米で、テレフュチャーとして公開されたオムニバス・ドラマ。ホラーやファンタジー等で異彩を放つ豪華スタッフ&キャストが魅力のシリーズで、そのメイン・テーマをエルフマンが手掛けています。チェンバロや合唱を絡めたコード・ワークなどエルフマンらしいアレンジのテーマでサントラは幕を開け、ジェームズ・ホーナやライ・クーダ等々人気コンポーザーが担当した個々のエピソードにおける劇伴の一部がそれぞれ収録されています。エルフマンはテーマ音楽のみですが、専属のオーケストレーターであるスティーブ・バーテクが作曲で参加し、その劇伴も収録されています。


 DICK TRACY」/「ディック・トレイシー」 (スコア盤) WPCP-3699
          「DICK TRACY ORIGINAL SCORE 」 音楽 ダニー・エルフマン 
(90年)

 「ディック・トレイシー」はマドンナ単独による”サントラ”を含め”挿入歌集”に”スコア盤”と都合3枚の関連アルバムがリリースされています。本CDに納められたエルフマンによるオリジナル・スコアは、高らかに鳴り響く金管群や畳みかけるような弦楽器など、ファンにはお馴染みのアレンジが踏襲されており、期待は裏切られません。中盤にはビッグ・バンド風のスコアも登場しますが、全体に漂うオールド・ファッション風なトーンと上手く調和し、ケレンな風味に優雅さが加わる事で、より洗練された印象を醸しています。


NIGHT BREED」/「ミディアン〜死霊の住む街〜」(サントラ盤) MCAD-8037
「NIGHT BREED ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」音楽ダニー・エルフマン (90年)

 「ナイト・ブリード」は、クライヴ・バーカーの持つ独自の世界観の再現を図るべく、彼の小説のファンでもあるエルフマンの過剰な意気込みがプラスに作用した凄まじい内容となりました。エスニック・パーカッションなどの打楽器を軸にしたリズム・トラックに、全編でほぼ鳴り止まぬコーラス(合唱)を従えた楽想は、「バットマン」のソレを彷彿させますが、完成度としては此方の方が圧倒的であり、作品の知名度の低さが惜しまれます。ラストに収録されたボーカル曲『スキン』は、”オインゴ・ボインゴ”の6枚目のアルバムに収録されたモノの別バージョンで、バンドのファンにもこのサントラはお奨めです。


DARKMAN」/「ダークマン」 (サントラ盤) MCAD-10094
「DARKMAN ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 音楽 ダニー・エルフマン (90年)

 復讐譚という作品の傾向から「バットマン」と被る要素の多い「ダークマン」ですが、カリスマ性を宿した前者とはキャラクターの趣が明らかに異なり、エルフマンはその辺の事情を充分に把握し作曲を試みます。ヒーローとしての華やかさに欠ける主人公の心情を雄弁に語る楽想は、活劇の爽快感は極力おさえ、ゆったりとしたテンポは全編に渡って重々しいハーモニーを奏でています。「バットマン」に引き続き”シャリー・ウォーカー”がコンダクターを務めたことから独自のムードを上手く引き出し、快調な”エルフマン節”を楽しめます。


PURE LUCK」/「ピュア・ラック」(スコア盤) VSD-5330
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 音楽 ダニー・エルフマン/ジョナサン・シェファー(91年)

 「ピュア・ラック」はテーマ曲のみの参加ですが、冒頭に収録された『メイン・テーマ』は、実に”らしい”楽曲と言えます。基本的にサックスがメロディーを奏で、2拍目と4拍目にスネア・ドラムが鳴るロック風アレンジですが、小編成のストリングスやアクセントとしてテインパニーの投入など「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の楽想を臭わせる味付けも同時に楽しめます。本編の劇伴は”ジョナサン・シェファー”が担当し、テーマ曲のバリエーションを展開しますが、シェファー自身の作家性が犠牲になっている事は否めません。 


ARTICLE 99」/「ドク・ソルジャー〜白い戦場 」 VSD-5352
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 (スコア盤) 音楽 ダニー・エルフマン (92年) 

 「ドク・ソルジャー〜白い戦場」は、未公開の作品ながら典型的なエルフマン・サウンドが楽しめる痛快なサントラです。序盤はピアノのフレーズを中心にスコアを組み立てていますが、3曲目の「MAYDAY」辺りから「バットマン」などでお馴染みのアクション系スコアにスイッチします。以降は感傷的なサウンドと軍隊をモチーフとしたパワフルなオーケストラが交互に登場し作品の世界観をしっかり支えています。エルフマンをサポートするスティーブ・バーテクと指揮を務めるシャーリー・ウォーカーによって完成されたスタイルは独自の”ノリ”と”切れ味”で強烈な印象を残しましたが、コレ以後登場していません。


SOMMERSBY」/「ジャック・サマースビー」 (スコア盤) WMC5-618
   「MUSIC FROM THE ORIGINAL SOUNDTRACK」 音楽 ダニー・エルフマン (93年)

 ゆったりとしたテンポで構成された『メイン・タイトル』を筆頭に、コレまでの表情豊かで賑やかなエルフマンからは想像もできないほど穏やかな趣向のサントラ。弦楽器がリードするサウンドながら作品の性格上いつもの忙しさが無く、何処か物足りない感じは否めません。中盤あたりからバンジョーをフィーチャーしたフォーク・ダンス調の楽曲が登場するのですが、やはりリズミカルな楽曲の爽快感ばかりが吐出しているような気もします。このサントラからシャーリー・ウォーカーがタクトを振らなくなり、バーテク以外にもオーケストレイターを加えるなど意図的に新しいスタイルを打ち出しました。


ARMY OF DARKNESS」/「キャプテンスーパー・マーケット」 (サントラ盤) SLCS-7199
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」音楽ジョセフ・ロドゥカ#13ダニー・エルフマン(93年)

 「死霊のはらわた」シリーズの音楽はジョセフ・ロドゥカが全て担当しており、作品のスケール・アップに伴いそのサウンドも革新的に向上しています。ライミ監督と意気投合し「ダークマン」のオリジナル・スコアを手掛けたエルフマンは、#13『マーチ・オブ・ザ・デス』を1曲のみ提供していますが、ロドゥカのスコアはそれに臆することなく一時期テレビのバラエティー番組の常連だった#1『プロローグ』を筆頭に、ダイナミックでいながら非常に簡潔なハーモニーを奏でています。中世のファンタジーにシフトした本編をリズミカルに捉えたユニークな劇伴は、エルフマンのテイストとは異なる味わいがあります。


DOLORES CLAIBORNE」/「黙秘」 (スコア盤) VSD-5602
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 音楽 ダニー・エルフマン (94年)

 「黙秘」はキャシー・ベイツを念頭にスティーブン・キングが書き上げたサスペンスで、シリアスな本編と符合するエルフマンのスコアは、メイン・タイトルから悲しみを宿したような沈痛な響きで作品の質を雄弁に語っています。弦楽器を中心に配置したオーケストラから溢れるサウンドに従来のような粗っぽさはなく、終盤からお馴染みの和声によるコーラスが絡めますが、どの楽曲も”しっとり”とした落ち着きを放ちます。躍動感やケレンなアレンジがエルフマンの持ち味でしたが、過去のスタイルを払拭しスキル・アップを実感させるサントラです。


「BLACK BEAUTY」/「ブラック・ビューティ〜黒馬物語〜」 (スコア盤) 9 24568−2
「THE MOTION PICTURE ORIGINAL SOUNDTRACK」 音楽 ダニー・エルフマン (94年)

 「シザーハンズ」や「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の脚本を担当したキャロライン・トンプソンの初監督作品は児童文学のリメイク。音楽は兼ねてより親交のあったエルフマンが、久々に甘美なスコアを手掛けています。『メインタイトル』をライト・モチーフとしたオーソドックスなアレンジながら、弦楽器等を中心に奏でる”憂い”と”癒し”を秘めた旋律はとても印象的。小編成のオーケストラながら心地良い響きを終始楽しめます。同サントラは既に廃盤ですが、「グッド・ウィル・ハンティング」の海賊盤にはそのスコアがフル・サイズで収録されています。


SHRUNKEN HEADS」/「シュランケン・ヘッズ」 (スコア盤) 3130
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」音楽 ダニー・エルフマン/リチャード・バンド(94年)

 「フォービデン・ゾーン」から14年振りとなるエルフマン兄弟の新作は、”フルムーン”からリリースされたB級ホラー。バートン監督と共に出世してしまった弟は、残念ながらメイン・タイトルだけの参加となり劇中のスコアは”リチャード・バンド”が手掛けてます。バンドのスコアですが、本作ではエリック・サティの楽曲を取り入れるなど、相変わらず節操のないパッチ・ワークを展開します。エルフマンによるメイン・タイトルは「ミュージック・フォーア・ダーケンド・シアターVOL2」に収録されたバージョンと同一で、エンド・タイトルの組曲の一部も、ほぼ同じアレンジです。


TO DIE FOR」/「誘う女」 (サントラ盤) VSD-5646
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 音楽 ダニー・エルフマン (95年)  

 「シザーハンズ」のアレンジを踏襲したアプローチを彷彿させるテーマ・タイトルは、途中一転してディストーションを効かせたエレキ・ギターの咆哮にかき消される意外な展開をみせます。これは本編の演出と連動した試みですが、この作品を象徴するユニークな手法と言えます。テーマ・タイトル以外でもエフェクト処理を施したエレキ・サウンドは、エルフマン自身の演奏で収録されました。本サントラには、本編と関わる他のミュージシャンの歌曲を7トラックほど収録していますが、劇中で流れたスコアの大半は収録され、サントラとしては悪くない内容と言えます。


「DEAD PRESIDENTS」/「ダーク・ストリート〜仮面の下の憎しみ」 (サントラ盤) D104310
「MUSIC FROM THE MOTION PICTURE」  音楽 ジェームズ・ブラウン他 (95年)

 「デッド・プレジデント」のサントラは、アイザック・ヘイズや、あのジェームズ・ブラウンなど70年代を中心にしたブラック・テイスト溢れるロック・アルバムです。ソウル・フルなボーカルとクールかつファンキーなサウンドの数々はアルバムのエグゼクティブ・プロデューサーも兼任するヒューイ監督兄弟のチョイスで、確信犯的なセンスが光ります。このサントラのラストにはエルフマンによる同テーマが、「ダーケンド・シアターVol.2」収録のバージョンより約20秒長いタイプを納めています。サントラの第2集も同一のコンセプトですが、エルフマンのオリジナル・スコアは未収録です。

 「ダーケンド・シアターVol.2」には、「デッド・プレジデント」のオリジナル・スコアがディスク2に5トラックで約15分ほど収録されています。同CDの本人による解説を読むと「パーカッションや打楽器等をベースにサンプリングしたサウンドをオーケストラとミックスし奇妙なサウンドを目指したが、えらく骨の折れる作業でその過程は好きになれなかった」とミックスに至るプロセスに対する率直なコメントを寄せています。両サントラに収録されている『オリジナル・テーマ』を聴くと確かにソレは加工された”音”であり、そのアヴァンギャルドなスタイルはコレまで手掛けたどのスコアとも異なる音像が提示されています。


EXTREME MEASURES」/「ボディー・バンク」 SLCS-7321
「ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK」 (スコア盤) 音楽 ダニー・エルフマン (96年)

 「ボディー・バンク」の劇伴はピアノを基本に構成されていますが、諸事情もあり「ミッション・インポッシブル」を踏襲したようなスタイルが実践されています。細かいリズムで重ねた複雑なハーモニーをストリングスや金管楽器で持ち上げる痛快なアレンジや、エレキ・ベースをスコアにミックスする手法など新たなエルフマン・テイストがサントラの要所に登場します。この作品ではバーテクがピンでオーケストレイションを担当しており、ソレが微妙に影響しているためか、以前のような躍動感あれるサウンドが復活しているようにも感じられます。


THE FRIGHTNERS/「さまよう魂たち」 (サントラ盤) MCAD-8037
「MUSIC FROM THE MOTION PICTURE THE FRIGHTENERS」 音楽 ダニー・エルフマン (96年)

 TVシリーズだった「ハリウッド・ナイトメア」の一編が劇場版へと拡張し、同テーマを手掛けた経緯のあるエルフマンが本編の劇判を手掛けます。ジャクソン監督のアクの強い演出に対しエルフマンはメロディーを極力排除した劇伴を組み立てながらも、実に”らしい”楽曲を聴かせています。木管やストリングスで奏でるハーモニーに、時折覗くチェンバロの意味深な音色も上手く作用し、得意のコーラス・ワークを絡めることで自身の刻印をキッチリ画面に残します。”ブルー・オイスター・カルト”がカバーした”ザ・マント・バーズ”の『死神なんか怖くない』がラストに収録され、映画同様のエピローグもフォローされます。


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