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る。漢方の薬になるのだそうな。小遣い稼ぎにゴンベイを捕るのだが、アメンボはいくらでもいるけれど、ゴンベイはそうはいない。子どものことだから、そのうち飽きて何匹か捕ったゴンベイは可哀想に日干しになってしまう。ゼニになるところまでやれるのはガキ大将の指揮があるときだけだった。でも、そうやって稼いだ小銭はどうしたのだろう。なぜか記憶がまったくない。
雨の日は本堂をL型にかこむ回廊で遊ばせてもらった。子どもたちは学齢が同じになるように二組に分かれ、味噌っかすも仲間にいれて、互いに回廊の両端に陣取った。やるのは「ひと隠し」である。まず一組が仲間の何人かを選び、そこにうずくまらせて、みんなの上着や胴丸(ちゃんちゃんこ)をかぶせて、誰が隠れているか分からなくする。残りの人間は欄干をまたぎ、飛び降りて縁の下に隠れる。
「もうええぞぅ」と怒鳴って、別の組を呼ぶ。人を隠しているとき決して覗かないこと、着物に手を触れないで隠れている者を当てること、それが厳しいルールだった。当てる方は、ボロをまとったかたまりの形だけでなく、縁の下で静かにはしていられない連中の小声や息遣いに神経を張り詰め、消去法で縁の下にいない者が隠れていると推量する。当たるときも当たらないときもあるが、答えを聞けば歓声をあげて交代し、げームが続く。
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