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12日間に延べ434通の手紙をもらった。返事は一人一日一通ということで、325通書いた。書く前に判読に苦しむものもあり、字を覚え始めの子ども宛だから、一字一字止める、はねる、払うも意識して書くと、コンをつめてやっても1時間に8通から10通というところか。結構寝不足になって、それは辛いが、子どもたちの手紙はいろいろ発見があり、面白い。楽しんで手紙ごっこをやっている。
たとえば、こうすけ君の手紙は毎回「のとおじさんへ こうすけ」だけだ。いろいろ問いかけて答えを引き出そうとするが、一日5通もくれても、みんな本文が書かれていない。そのうち、お母さんが「自分の名前が書けるようになって、嬉しくて嬉しくて、毎日名前だけ書いている」と話されているのを人づてに聞いた。そうか、それなら名前だけでいい、と思った。
手紙ごっこは文字を教える活動ではない。「その」は小学校ではないのだ。文字や文と感動的に出会ってほしいと願っての取組みなである。こうすけ君が名前の文字を覚えた、その喜びを手紙にして人に伝えたい…と思ってくれたのなら、それで充分だ。コマ勝負でこうすけ君に会った。「こうすけくん、苗字も一緒に書いてよ」と誘ってみたが、「オレ、書き方知らないもん」とあっけらかんとしていた。
ところが2、3日してもらった手紙は「のとさんへ 〇〇こうすけ」と苗字が書かれているではないか。しかも、その後、「のとさんへ でんしやでこうすけといつしよにしんかんせんのりにいこ 〇〇こうすけ」としっかり文章になっている手紙が来た。後で担任に聞くと、「おじさんに手紙を書きたいことがあるから字を教えて」と言ってきたので、教えたということだった。「自分で手紙を書きたいと言ってきたの?」と、ボクは喜んだ。
ベビーのいちご組(0歳児)から一緒だったらいおん組のかい君の手紙には涙が出た。「いちごくみからみまもってくれてありがとう。そのからわかれるのはさみしいがこんど〇〇もいくからね。 かいより」。〇〇君というのは弟で、いまベビーのみかん組(1歳児)にいる。やがてそのにくる日もあるだろう。
今年の子の手紙は質問ばかり多くて、卒園や入学への思い、情感のこもった手紙は少ない。でも、少しずつ別れに触れた手紙も出始めた。一緒に悲しむのでなく、入学へのお祝いと激励を書くようにしようと心に決めている。
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