ときめいて子育てを

 

 
                                   
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 10月27日(月)晴れのち雨
 このところ忙しすぎて、保育日誌をサボってしまった。…と言いたいが、忙しいのはいつもと同じ。
 日本きりえ展に出品するつもりの大きめの作品2点が終わって、ほっとした時に、ホームセンターで昔風の紙ひもを見つけた。ビニールひもにっ取って代わられてもう手に入らないと思っていたが、包装紙には「梱包用・手芸用」とある。
 文庫の棚の上に飾られてというか、おき捨てられている帆船メイフラワーは1977年、30年も前に作ったものだ。その後、紙ひもというものがなくなってしまっていたのだ。

 ホームセンターで見つけたときは感動した。早速買い求めて、手始めにクラシックカー(ロールスロイス1912)を作った。紙ひもを切り、裂き、貼り合わせて、作る。紙ひもと木工用ボンド以外は何も使わない。それでも転がせばタイヤは回って、クルマは走る。
 久しぶりなので、ちょっと夢中になった。あと1台だけと思って、いまエスエルに挑戦している。出来上がったら写真だけは公開しよう。(この紙ひも工作は、1977年発行の「子供の科学」別冊の作り方を見てのものだが、ボクなりの工夫はしている。)

 さて、その間に年中組の遠足、文庫の講演会、うさぎの広場、一日入園、200人委員会と日誌に書くべきことはたくさんあったが、そののHPの更新で精いっぱいだった。明日はひよこ組の遠足に同行する。また子どもの様子を伝える日誌に力を入れたいとは思っている。


 10月19日(日)晴れ
 きのうは子どものそのBabyのバザーだった。去年は雨が降る中でやって大変だったので、雨の場合は順延すると決めていたが、今年は暑いくらいに晴れ上がった。やっぱりお天気はいい。
 朝からお父さんたちが設営に頑張ってくれる。保護者会の実行委員を中心に、しっかり準備してくれていて、あわただしさの中にも活気があった。
 お客さんが開店と同時にどっと来てくれた。園児30数人の小さな保育園だから、品物集めが大変だったが、近所の商店や子育て支援センターに来ている近隣のお母さんたちがずいぶん拠出してくれて、まずまずの品物が並んだ。模擬店はやきそばは定番だが、炊き込みご飯にトン汁、みだらしだんごなど、Babyの工夫になる食べ物も人気だった。
 こま回しや簡単な工作の体験コーナーも楽しそうだった。園庭では大正琴、のこぎりヴァイオリンの演奏など多彩なイベントもあって、温かい雰囲気に包まれたバザーだった。

 2時半に閉会、ボクはお礼のあいさつを放送すると、後片付けは手伝わないで、そのに直行した。そのの方は11月9日に開催する大バザールの第1回実行委員会を開いていた。
 模擬店や13の地域班ごとのバザー店に分かれて話し合いが行われていた。3時半を過ぎて全体会、班毎の報告を聞いた。
 簡潔に報告する班長さん達から自信のようなものを感じた。そののバイタリティの中に父母は生きていると思った。
 バザールはそのの経営を守るための大事な行事だ。目標の収益はどうしてもあげたい。そのの保育を守るためには経営を守らなければならない。しかし、そのの保育は日常市民の目には見えていない。バザールは市民の目の前でそのの元気な姿を公開するまたとない機会でもある。バザールの取り組みが明日につながっていくだろう。実行委員会に参加して、ボクはまた元気をもらった。


 10月7日(火)曇り
 運動会が終わって2日経つ。年のせいか、今になって疲れがどっと出る。ばった組のかこちゃんが、「おじいさん、おじいさん」とからかう。幼い子の目にも疑うべくもなく年寄りに見えるというのは、当然だが悲しい。
 さりながら運動会は楽しかった。子どもたちはよくやった。ソーラン節は年々上手になるようだ、と誰かが言った。それはそのの伝統、ひとつの文化になりつつあるように見える。
 練習のとき、ひよこ組に「元気に体操」を教えようとしても、みんな突っ立って何もしないのに、年長組がソーラン節の稽古を始めると、からだをモゾモゾ動かして、踊ろうとするのだ。年少組もソーラン節を見るのは大好きだ。
 小さい組の時から憧れてきたから、いま出番を迎えて力を出すのだろう。
 両腕を胸の前で組む。船の形ができる。その船は大波に激しく揺れる。そのとき漁師の足はどうなっているか。そうだ、甲板をしっかりと踏みしめて立つ…園長の解説を聞いて踊り始めた。
 板っこ一枚下は地獄ということは知らないだろう。嵐の海も見たことはあるまい。けれども子どもたちは真剣に想像力を働かせ、その子なりの知識を動員して、ニシン漁の意味を考える。想像し、考えながら踊る。それが「その」の保育だ。

 年中組は運動会前に歴史民俗資料館で「糸車」を見せてもらった。一人ひとり回させてもらった。その上で、回る糸車をイメージしながら、リズム糸車を踊った。手をつないだ輪を切らさずに踊りきって、歓声をあげる。イメージ能力と思考力は、人間しか持てない能力なのだ。


 10月3日(金)晴れ
 運動会当日は雨の心配はなさそうで、準備に熱が入る。競技を終えた子が座って待つ平均台を塗り替えた。この頃は水性のペンキで、素敵な色に調合されたのが売られていて、仕事は楽だ。青っぽいのは「ラベンダー色」、黄色いのは「サンシャイン色」と銘打たれている。

 晴れて3日目、乾いてきたグランドだが、ぬかるみを歩いた跡がでこぼこのところがある。そこを平らに削っていると、「おじさん、なにしてるの?」と子どもが寄ってくる。
 「運動会で転ぶと痛いからね。転ばないようにまっすぐにしているんだよ」

 小さい組の子にそんな風に説明していると、年長きりん組のたけひろ君が来て同じ質問をするので、同じように答えると、「そうか。平らにしているんだね」と言った。
 平らという表現は難しいかもしれない。コマを回すとき”水平”に投げる、とか、物を置くときは“平ら”なところを選べ、とか、言っても子どもに通じないことが多い。「地面をまっすぐにしている」というのも意味は伝わるかどうか。…たけひろ君に「平らにしているんだね」と言われて、そういう表現力、形状についての認識力に、ボクはちょっと感動した。


 10月2日(木)晴れ
 きょう子どものその第43回運動会の総練習をした。本当は昨日の予定だったが、雨つづきでグランドの状況が悪く延期した。「待てば海路の日和」の好天だ。
 はん登棒だの跳び箱だの機材の出し入れが職員だけでやるのは大変だったが、全体としてうまく競技・演技ができた。商品作りの手伝いに来ていた年長組のお母さんが、ソーラン節を見て涙ぐんでいた。リレーの迫力も練習とは言え感動させられる。おかげでボクも機材の出し入れや子どもの面倒に忙殺されて、練習風景の写真は一枚もない。

 きのうは予定していた総練習ができなかったので、気にしていた「なつめ」の実を収穫した。赤い実を見て、年少の子が、「あ、トマトだ」と言う。ミニトマトと間違えたようだ。
 年長組の子は「なつめでしょ?」と聞く。よくわかるなあ。「だって、木の名札にナツメって書いてあったもの」。
 そうか。プラスチックの名札を書いて、何本かの木にぶら下げておいたのだが、見てくれていたのが嬉しい。
 今年のナツメは実が大きく甘い。実をもいでいるところへ何人も来て、ちょうだい、洗って食べな、と次々上げていると、わかなちゃんが「これってオレンジのおやつにでるの?」と言う。砂

場のブドウを、オレンジの子にあげたことがあるからだろう。「オレンジのおやつじゃなくて、給食のときみんなにあげるよ。リンゴみたいに煮て食べるんだ」。
 今日夕方、給食室で煮てくれた。明日給食のとき、全クラスに配る予定だ。ナツメは本来北の国のものだから、この辺では皮が固くてあまり美味しいとは言えない。でも、完全無農薬だし、庭先に実ったものを食べるというのもいいものだと思う。


 10月1日(水)雨のち曇り
 きのう朝、職員室の脇で運動会の入場門に飾る動物の絵を描いていると、ちょうちょう組のみきひろ君が「一生って、生まれてから死ぬまでだよね?」という。「そうだよ」。…これは前日の復習だった。みきひろ君ととんぼ組のはなちゃんが昆虫図鑑を見ていた。「おじさん、誕生ってなあに?」とみきひろ君が聞いた。そばからはなちゃんが「生まれることだよ」という。ボクは昆虫の幼虫と卵が描かれたページを見て、「虫だったら卵を割って幼虫になったときが誕生だよ」。
 すると、みきひろ君が「一生ってなあに?」と重ねて訊く。これにははなちゃんも答えなかった。文を読めたけれど、意味が分からなかったのだ

ろう。穏やかな性格のみきひろ君だが、着実に成長しているのを感じた。
 ペンキを塗りながら、事務所前の水道で筆を洗っていると、「おじさんのおしり、ぶっちゃおうか?」と、とんぼ組のあやかちゃんの声がした。お尻を突き出すようにして筆を洗っているボクを、次々たたいていく。振り返って、あやかちゃん、さきほちゃんたちを「こらあっ」と追いかける。とんぼ組まで追いかけて、二人のお尻をぶち返すと、事情も知らずにとんぼ組の男の子たちがキックにパンチ、猛攻撃をしかけてきた。「いててて…」と逃げ出した。とんぼ組から20歩くらい離れたとき、追いかけてきたのだろう、ボクのお尻を軽たたいて逃げ去る子がいる。見ると、とうま君だった。この子も穏やかな性格で、ひよこ組のときからいつもにこにこしているが、ボクに向かってくるなんてことはなかった。とんぼ組から笑顔を見せているとうま君に、ボクは追いかけるポーズをとった。本当に追いかけたら怖がるかもしれないと思って、ポーズだけにした。みんなの中で自信を持ってきたらしいとうま君に感動した。

 午後、園長がグランドの水たまりの水とりをしていた。翌日は運動会の総練習を予定しているので、雨つづきにはほとほと困っていた。ボクはペンキの乾くのを待つ間、園長がきれいにした窪みに土を入れることにした。丸山運転手と二人で土山を崩して土を運んでいると、年長組の子どもたちが泥遊びの感覚で土を手で持って運んでくれた。
 「どうせ手伝うんならバケツを持ってきて」。
 ぞう組の子が手伝っていると、らいおん組の子も加わった。こっちは夢中で仕事をしているので、帽子の色でぞう組だな、らいおんも来たか、と思っていた。
 バケツを持ってくる子に土を放り入れると、友だちと協力したり、一人で頑張って運んでくれていた。戻ってきて、ぞう組のこうだい君は「お代わり、大盛り!」「はいよ。お代わりもいいけれど、よくかんで食べてよね」「ハイハイ」。
 ひかるちゃんは「そのくらいでいい」と、バケツの半分くらいで声をかける。一人で運びたくて、適量を求める。友だちと燃えて手伝いグループに入っているが、マイペースをしっかり守っている。わかなちゃんは「大盛一丁!」と叫んで、重すぎるバケツを二人で運んでいた。
 内山先生が「えらいねえ。よくお手伝いしたねえ。でも帰りの支度だよ」と言うまで、みんなよく手伝ってくれた。運動会に主体的に参加する気持ちがかれらを支えているように見えた。


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