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もうこんな立派なトノサマばったが出たのか、と驚く大きさだった。虫より花の好きなももちゃんは、先生に捕ってもらったのか、でも少し怖かったかもしれない。ボクは「♪キチキチキチ…」とカマキリの歌を口ずさみながら、ひよこ組に戻った。
給食の準備が終わって、先生がいくら声をかけても動かずに、はるかちゃんはボクを待っていた。はるかちゃんは手を洗って、席に着き、みんなと一緒にもりもりと食べている。しばらく見ていて、今度はそうっと事務所へ戻った。
そのBabyにも、はるかちゃんがいる。6月生まれの0歳児だ。4月の新学期から人見知りでボクの顔を見れば泣くので、近づけなかった。ようやくこの頃、自分で歩いてきて、「抱っこ」というように手を出す。絵本が大好きで、「あ、あ…」と棚の上の絵本を指差して、とってくれと顔を見る。「いないいないばあ」などを取って渡そうとすると、好きな本でなければ首を振る。一番好きな本は小型の「おかあさんだ」と分かった。
いろんな動物の赤ちゃんが「えーん、えーん」と泣いていて、お母さんが来るとにっこりする。その場面の繰り返しだ。「読んで」というように、はるかちゃんは向かい合って絵本を広げる。ひざの上に抱っこして絵本を開く。「えーんえーん…あっ、おかあさんだァ」というたびに、はるかちゃんは「キャッ、キャッ」と声を出す。他にも好きな本があるようだが、2冊目になると、飽きてか自分でページをめくってしまう。
Babyの二階の壁にボクの切り絵が飾ってああった。長くなったので、ある日撤去した。はるかちゃんが真っ白な壁を指差して「あ、ない」と言ったそうだ。あったものがなくなったことに気づいただけかもしれないが、それを担任の先生に聞いて、ボクは鼻の下を長くしたのだった。
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