ときめいて子育てを

 

 
                                   
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 6月27日(火)曇りのち晴れ
 班会議から帰って、午後、園庭で土方仕事をしていると、日差しが照りつけてきた。汗だけでなく、軽いめまいがする。このごろちょっとからだを動かすと、これだからイヤになる。
 木陰の平均台に座って一息入れていると、らいおん組のあやみちゃんが来て、「これ食べられるよ。食べてみる?」と、クローバーのような三つ葉を差し出した。「なんで三つ葉が食べられるの?」と葉っぱをつまみながら言うと、そばにいた同じらいおん組のはるかちゃんが「ごっくんしちゃダメだよ。噛んだら、ぺっだよ」と教えてくれた。

 もらった葉っぱを噛んでみると、かすかに酸っぱかった。「あ、酸っぱい」「おいしいでしょ」とあやみちゃん。きりん組のゆいちゃん、まおちゃんも「噛むだけだよ。食べちゃダメ」と真剣な顔で言う。
 「この葉っぱ、どこにあるの?」「いくらだってあるよ」
 みんな走ってオレンジの部屋の前で「ほら」と指さすのを見れば、クローバーではなかった。深野園長が通りかかって、「それってカタバミじゃないの。え? 食べられるの?」噛んでみて、「あ、酸っぱい」という。野の花の蜜を吸ったりしているから、誰からか食べられる情報が広がったのだろう。自然と遊ぶのも危険と紙一重だ。
 夕方、園庭のビワを幾枝か伐って、Babyへ持っていった。最初にりんご組(2歳児)の部屋へ行く。夕方のおやつの時間で、もう手を洗ってテーブルについている子もいたが、外あそびが面白くて庭から戻らない子もいた。「ほら、おじさんがおいしそうなビワを持ってきてくれたよ」。ビワなんて知らないだろうが、見た目で興味を感じたのか、みんな急いで戻ってきた。食べようとしない子が二人、後の子は上手に皮をむいて、ポタポタ果汁をたらしながら食べた。お店で売っている上等なビワの大味と違って、実は小さくても味が濃くて最高においしいのだ。
 1歳児はもっと喜んだ。最初は皮を剥いてもらったが、お代わりをした2個目は皮ごとかぶりついた子もいる。りんごやみかんのような給食のデザートを食べない子も、なぜか喜んで二つも食べた。
 今年は大豊作で、そのではもう2回も給食のおまけに出して、700個は収穫したのに、まだ1回分は樹上に残っている。野鳥が多いときは10羽も飛んできて実をつついている。


 6月25日(日)曇り
 9時に理事12名がそのに集まって、募集のチラシ配布をしてくれた。8万枚のチラシはみずほ台駅から新河岸駅までの地域に、業者に依頼してポスティングするのだが、人口密度の低い地域は業者が配布してくれない。止むを得ず事務所の職員や理事の手で配布をする。
 12名が地域を分担して、地図を片手に、戸別に届ける。配っていると、「うちの子の時代は抽選で、入れてもらえなかった」と今でも残念そうな年老いた女性もいたという。みんな足を棒に、午前中には配り終わって帰ってきた。

 運転手の山中さんが軽トラックを借りに来た。今日午後、ふじみ野小学校で開かれる埼玉合研の実行委員会にイスや机を運ぶのだという。
 予想外に参加理事が多かったので、ボクは行かずにすんだ。代わりにプールに洗剤をつけてゴシゴシ洗った。青いタイルの立ち上がり部分と、4面のタイル絵のうち今日はカエルのところを洗った。目地がカビと泥で真っ黒なので、薬品をつけ、ゴシゴシやっていると、汗が吹き上げてくる。
 先日ザリガニの絵を洗ったので、残るのはカメの絵とカッパの絵の2面だ。最後はプールに水を張って、薬品を洗い流した。お父さんのチラシ配布を手伝いに来た子どもたちが、モップを持って水遊びになった、暑い日はやはり水がいい。

 午後6時、Babyでそのの石原先生と二人で、埼玉合研実行委員長の浅井春夫さん(立教大学教授)に会った。ふじみ野小学校での実行委員会の帰りに時間をとっていただいたもので、「認定こども園」についての情勢を詳しく聞き、そのの努力すべき方向についても助言を頂いた。名刺代わりにボクのきりえ画集「君たちの日時計」を差し上げると、とても喜んで下さった。


 6月22日(木)曇り
 班会議が毎日のように続いている。地域ごとのお母さんの集まりなので、異年齢の子どもの家庭での様子、園での様子を情報交換するのは楽しい。ときには上の子の学校のこと、ゲームや携帯の悩みに話題が及ぶこともある。

 班会議の合間に、「認定こども園」の問題で県庁に赴いたり、「そのBaby」の子育て支援センターの問題で市や県と話し合ったりで、このところ忙しかった。子どもたちとふれあう時間が少なく、日誌も書けなかった。
 きょう班会議から帰ると、きりん組のかずや君が「おばけが来ないことになったんだ」と言う。なんで?と思わず大きい声で聞くと、「だって深野が飛んできたもん」…これじゃ意味不明だ。よく聞くと、深野園長が届いた忍者の手紙を持って、慌てて飛んできた。その手紙には、年長組の合宿に来るはずだったおばけを、忍法で閉じ込めてしまったらしい。忍者の言うとおり修行すれば、大丈夫だという。
 「だって、忍者が来て、手裏剣をパッパッと投げたら怖いじゃないか」とボクが言うと、かずや君は「なんかやさしい忍者らしいよ」と澄ましている。
 居合わせたくま組のみきちゃんに「忍者のほうが怖いよね?」と言ってみたが、「おばけが来ないほうがいい」という。みづきちゃんも「おばけが来なくてよかった」と喜んでいた。
 安心して合宿を楽しんだほうがいいか。忍者さまさまである。


 6月12日(月)曇り
 明日から2日間保育参観なので、子どもたちが帰った後、先生たちは忙しく大掃除をしていた。知友の市会議員が所要で訪ねて来られたので応接しているとき、この方が環境問題で活躍されていることを思い出して、新河岸川の土手の植生の変化について尋ねた。このところ改修された土手の草が生い茂り、イネ科の雑草の花粉で子どもたちが目や鼻をやられ、散歩を自粛していることを伝えた。こんなことはかつてなかった。改修前は春は菜の花のようなカラシナが咲き乱れ、夏は一面シロツメグサが咲いたものだ。

 改修直後には新しい土と一緒に持ち込まれた貧弱なスギナがひょろひょろと生えているだけだったのに、今年の草丈は凄い。小さな子は埋もれてしまうくらいだ。園長は新河岸川治水事務所に早期の草刈を依頼した。…といったことを伝えた。
 すると、その市議は、「あれはアメリカのムギ科の牧草で、新河岸川治水事務所が土手を保全するためにタネを吹きつけたものです」と意外なことを教えてくれた。「アメリカと違って湿度も高いのでグンと背丈も伸びるのです」。
 花粉症について言えば、「いま”麦秋”で被害甚大だが、まもなく終わる。そして、草は枯れる。しかし、タネはたっぷり落ちたので、来年の春はまた凄い勢いで生い茂るでしょう」。
 なんと言うことだ。土手の改修にあたってコンクリートで固めないで”土の土手”を残してくれたのは嬉しいが、外来種の雑草を輸入して在来の植生を駆逐するのでは、”自然破壊”そのものではないか。
 その市議も新河岸川治水事務所に抗議してくれたようだが、植生の変化は生態系全体の破壊に繋がるという問題意識はないのだろうか。
 子どものそのの周辺も開発が進み、新河岸川の土手が自然環境の最後の砦になりつつあるのに、子どもたちの未来のためにも、県当局の猛省を促したい。


 6月5日(月)曇り
 サワガニを持って登園した子が幾人もいた。昨日お父さんと遊ぼう企画の大高取山ハイキングの獲物だ。このハイキングはお父さんが子どもの面倒をみて、子どもの今を知り、父と子の結びつきを強めようという趣旨のものだから、原則お母さんは遠慮していただく。
 子どもはお父さんの言いなりにはならない。そこで苛立って、子どもを怒鳴りながら歩く人もいる。…のが普通だったが、今年は怒鳴る人を見かけなかったと、参加した人から聞いた。
 子どものペースに合わせて、みんな穏やかな笑顔で歩いていたそうな。素晴らしい。

 ひよこ組のゆうた君に、「お父さんに抱っこって言ったかい?」と聞いてみたが、本人は怪訝な表情をして「歩いたよ」と言う。力のある子ではあるが全部歩けたかどうか、今度卒園生のお父さんに会ったら聞いてみようと思う。概して子どもは強く、お父さんはバテた人が多かったらしい。

 野いちごも旬だったようだが、サワガニ捕りにもほとんどのお父さんが沢に入ったらしい。今年は結構大きいのもいたが、何せ500人を超す大舞台だから、みんなで石をどけながら小さなのも捕ったらしく、根絶やしにならなかったか心配だ。

 写真の真ん中は、「おとしぶみ」という名の珍しい昆虫の卵らしい。葉っぱの揺籃のなかに卵が入っているという。
 下の写真は「モリアオガエル」の卵だそうな。
 いずれも理事の長谷川さんが撮影された。実物は屋良先生が預かったらしい。本人には聞いていないが、卵を孵せるか、孵したあと育てられるか、インターネットで調べれば方法は分かるかもしれないが、どうするつもりなのだろう。

 それにしてもお父さんたちの参加と、それを勧めて実現させたお母さんたちの力はアッパレじゃないの?


 6月2日(金)晴れ
 朝、給食室の前で、子どもたちがソラマメの皮むきを手伝っていた。
 ソラマメの旬は短い。ソラマメを口にする機会は少ないのだろう、ソラマメが苦手な子どもは以外に多い。皮むきを手伝えば、食欲も進むというものだ。

 そのスナップを撮って、今日も班会議に出かけた。少し早く会場に着いたが、お母さんたちはもうそろっていた。入園・進級後の家庭での様子を聞かせてもらい、園での近況を報告する。どの子も集団の場で成長の可能性を秘めている。それを認識してもらえれば嬉しい。 班会議から帰って、ひよこ組の昼寝の手伝いに入った。いつもは大物を何人か寝かせつけるのだが、今日は最初のゆうき君がなかなか眠らない。そのうちこっちがうとうとしてしまった。まどろんで、ハッと気づくと、先生がゆうき君を抱いて子守唄を歌っていた。役に立たなくてゴメンネ。

 午後、ぞう組のもとき君が2階から「のとォ!」と大声で怒鳴った。用があったのは隣にいるあやかちゃん、「ねえ、おじさん。咲いてるよ。第2号だよ」とやはり大声で呼んでいる。 2階へ登る階段脇の泰山木の花が一輪咲いていた。
 実は、5月29日、別の泰山木に今年初めての花が咲いて切花にした。その辺に居合わせた子どもたちに芳香をかがせ、「今年の第一号だよ」と言ったので、そのときあやかちゃんたちがいたのだろう。
 田植えが終わり、泰山木が咲くと、ああ夏だ、と思う。

 その泰山木に、最近名も知らぬ小鳥がよくとまっている。くちばしに何匹もの毛虫を上手にくわえている。たびたび姿を見かけるので、この木にそんなに虫がいるのかな?と不思議に思っていた。
 すると突然、人の目を掠めるようにして、その小鳥が天井の穴に入ったのだ。穴の下に近づくと、天井裏から

小鳥の鳴き声が聞こえてきた。こんなところに住んでいるのか? それにしても穴は誰が開けたの?
「みんな知っていた?」と、子どもたちに聞くと、ぞう組のまさや君が「二階にも小鳥の穴があるよ」と言って案内してくれた。屋根へ抜けるはしごのついた竪穴の上の方、横壁に穴が開けられていて、そこにも鳥が住んでいるらしく、下に鳥の糞や、運ぶ途中で落としたらしい昆虫の死骸が落ちていた。


 6月1日(木)晴れ
 暑い日がつづいた。新河岸川の土手の草むらが茂り、イネ科の雑草の花粉で鼻や目をやられる子どもがいて、散歩を手控えている。雨上がりの日は自然に園庭で泥あそびが始まる。雨がなければ水をホースで撒いて泥んこにする。年中組の子どもたちが泥の水たまりで泳ぐようにして遊んでいたが、リズムのピアノ曲がスピーカーから流れてきて、泥の運動場で滑りながらリズム運動を楽しんでいた。

 今日から班会議が始まった。第一日目の班は11名中10名が出席、小人数の班なので10時から12時までの予定を30分延長して、ゆっくり話し合った。

 午後は別の班の集まりに深野園長が出かけていった。班会議では、入園・進級後の家庭での様子を聞き、園での友だちとのかかわりや遊びの様子を伝える。よく知っている進級児でも、進級して先生が代わり、活動も変わって、目覚しく変化する子もいる。今の様子をつかんでいかなければ、お母さんに納得の行く話しはできない。
 一応、もう一度子どもの近況を観察して準備する。年に一回これをやることで、ボクは改めて子どもたちの実態を把握することができる。班会議がなければ、名前くらいしか知らないで終わってしまうかも知れない。26班の班会議を一通り終えるのは苦労だが、これをやることで「その」と親たちの結びつきは、他園にはない質を維持できるのだと思う。


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