ときめいて子育てを

 

 
                                   
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 12月28日(木)晴れ
 昨日から陽気が緩んで、歳末とは思えない暖かさだ。昨日は雨が上がって快晴だったが風が強く、オレンジの子どもたちは園庭で凧をもって走り回っていた。事務所の前で、たんぽぽ組のももこちゃんが、「おじさん、ホラ、たこ」と見せてくれたのはビニールの買い物袋の取っ手のところにビニール紐をつけた簡単なものだ。「誰に作ってもらったの?」
 「くらた」と、ももこちゃんは上機嫌。その傍らですみれ組のわかなちゃんは、「これあんまりあがらないよ」と文句を言っている。

 「凧をもって走ればあがるんじゃないの」「だって、横ばっかりで、空の上のほうにはあがらないよ」
 二人はひよこ組出身の仲よしだが、4月生まれのわかなちゃんと3月生まれのももこちゃんではまだ厳しさがはっきり違う年齢なのを感じた。
 さて、きょうで仕事はお終い。そのも大掃除で、事務所のメンバーは溝の泥をとったり、ごみの処分に精出していたが、ボクは男手のないBabyに行った。
 Babyの子育て支援センターは、屋上の立ち上がり部分のコンクリート打設が終わり、年内上棟の目標を達した。工事現場の足場を上り、屋上から旧園舎の屋上に出て、寺田主任や南園長と屋上大看板の掃除をした。一階玄関脇の水栓からホースを釣り上げて水をかけながら洗った。4年分のほこりを落としてきれいになった。気持ちいい。
 Babyはきょうまで保育だ。協力保育で弁当持参なので、お母さんたちも大変だったろう。とくに離乳食の子の弁当は難しい。2回食なので、目先を変えて二つ作る。「夕べから気になってよく眠れなかったわよ」と、のぞみ君のお母さんがぼやいていたそうだが、本人はとってもよく食べていた。「のんちゃん、おいしい?」と聞くと、誕生日を迎えたばかりののぞみ君は、首をタテに大きく振って「ウン」というように、気持ちを表した。遊んでいるときも反応がよく、さえぎる物があると自分から「ばあ」と、「いないいないばあ」をしたりと、賢そうな子だ。
 だいき君も上機嫌で、ボクを嫌がらなかったので、お弁当を食べさせるのを手伝った。この子は病気で入院し、点滴などを受けたストレスで、人見知りが激しくなり、しばらく近寄れなかったが、このごろずいぶん落ち着いてきた。小松菜かな(?)小さく刻んで煮びたしにしたのや、さといも、ニンジンなどの煮物には高野豆腐も入っていた。ちょっと味見をさせてもらうと、薄味ながら程よくだしが利いて、おいしい。「だいちゃんのママ、料理上手だね」などとおしゃべりしながら食べさせた。小さな口をよく開けて、よく食べた。食べているうちに、早く終わった子や1回食の大きい赤ちゃんが先生と遊んでいる物音や声が気になって、反り返って見ている。0歳児のいちご組では一番小さい3月生まれのだいき君だが、遊ぶ仲間に入りたい気持ちが育ってきていると見えた。保育園の子はやはり幸せだ。

 30日は乗馬の乗り納め。最後のカドーリール発表会に出場して、今年が終わる。一年間、ありがとうございました。来春もよろしくお願いします。どうぞおそろいでいい年をお迎え下さい。


 12月21日(木)晴れ
 昨日の餅つきは手伝いのお父さん・お母さんが大勢だったので、楽をさせてもらった。理事さんたちは慣れたもので、火燃しが上手だからすべてうまく運び、搗きあがった餅は最高においしかった。
 今朝、年少組の子に「お餅おいしかったよ」「ありがとう」と礼を言われて、いい気分だった。

 話は変わるが、Babyに子ウサギが仲間入りした。まだ赤ちゃんなので夜気はかわいそうと玄関ホールの中で飼われている。ボクの作ったピンクのウサギ小屋を子どもたちが毎日のぞきこんでいる。
 南園長がウサギの抱き方を教えた。まだ怖くて触れない子もいるが、1歳児のさこちゃんは上手に抱くことが出来た。2歳児だとかなりの子がやさしく抱ける。
 きょう、サティへ行ったら玩具売り場にどこかのメーカーの広告板があって、「動物のぬいぐるみは生き物への優しい心を育てます」といった意味が書かれていた。ぬいぐるみもいいけれど、やっぱり本物だぜ、と思いながら通り過ぎた。
 そので購入した缶ゴマをもってBabyの2歳児(りんご組)に行く。さっそくかこちゃんは慣れた手つきで紐を巻き、自分で廻した。みくちゃんは紐を巻いてあげて、手をとって一緒に投げると、廻った。「すごいねえ」と先生が歓声を上げる。みくちゃんはとってもいい顔で微笑んだ。巻いてあげ、自分で投げても2回廻った。

 さきほちゃんも巻いてもらって1回は廻った。廻っても廻らなくても、紐を自分で巻こうとしたり、巻いてもらって自分で廻そうとするだけでも素晴らしい。
 巻くのも廻すのも微妙な手加減なのだ。手加減をしなければ成功しない活動は、子どもたちの大脳を刺激し、前頭葉の発達を促している。


 12月19日(火)晴れ
 先週土曜日に年長組の人形劇で表現活動の保育参観が終わり、そのは片時の静穏を迎えた。子どもたちはコマに熱中している。
 朝、職員室の脇で年中組の子どもたちが缶ゴマで遊んでいた。廻せない子、紐さえ巻けない子も、缶ゴマを手に楽しそうにしている。”できないこと”が恥ではないのが「その」のいいところだ。誰だって初めはできないし、誰だっていつかはできるようになる。
 園長が年長組の子のために、ベイゴマの台にシートをつけていた。ボクもポケットからベイゴマを出す。今年下ろした新しい紐は固くて巻きにくい。
 「ちょっと、危ないよ。どいて、どいて」
 園長と一年ぶりのベイゴマ勝負になった。「ちっちのちぃっ!」。なぜか二度続けてボクが勝った。周りは「エンチョウ、がんばれ! エンチョウ、がんばれ!」とすごい声援だ。「ノウト、がんばれ!」と言ってくれたのは年長組のまさき君一人だ。先日ベイゴマを戦った戦友のよしみだろう。
 声援のせいではなくて、次からは園長の連続勝ちになった。「2対3」「2対5」と子どもたちは正確に数えてくれる。弾き飛ばされることも度々になり、2対10となったところで降りた。

 今日は地域開放事業「うさぎの広場」三回目だ。

 10時を過ぎると続々地域の親子連れが集まってきた。「やきいも大会」で多少人数が増えることは覚悟していたが、おとな62人、子ども65人が集まった。
 落ち葉がよく燃え、アルミホイルに包んだ細身のサツマイモは約30分で焼きあがった。少し焦げ目ができて、最高の味にできてよかった。落ち葉焚きでのやきいもは見たことがないと、休暇をとって一緒に来たお父さんがいた。食べるものがあると言うのはいい。親子ともども初体験を喜んでくれた。

 午後Babyに行く。りんご組のかこちゃんに缶ゴマを貸してやると、上手に紐を巻く。投げたが、最初は力が足りなくて廻らなかった。「もうちょっとだね」と言うと、自尊心の高いかこちゃんは「見ないで!」と厳しい。「誰も見ないで!」。先生たちも見たくて仕様がないけれど、「見ないよ」「見てない」と顔をそむけていた。そのうち見事に廻した。「ヤッタァ」みんなで拍手した。
 Babyを卒業して3歳児から今4歳児になった姉のかなちゃんのに教えてもらったのだろう。それにしても2歳児でコマを廻せるのは珍しい。
 あやかちゃんや、みくちゃんも缶ゴマをやりたがったが、かこちゃんがどうしても貸してくれない。「おじさんが明日、あやかのも、みくのも、しゅんしゅんのも持ってきてあげる」と約束した。
 夕方、そのに戻って、売っている缶ゴマを色とりどりに6個買った。もちろんポケットマネーだよ。


 12月14日(木)曇りのち小雨
 年少組の劇ごっこ、年中組の買い物ごっこが終わって、「その」は年長組の人形劇準備一色になった。連日ホールの舞台で稽古がつづいている。小さい組が入れ替わり見物に来る。結構うるさくて、小声のセリフはかき消されてしまう。
 一幕終わったとき、年少組の男の子が(薄暗くて誰だか確かめられなかったが)、「おじさん、これ何で作ったの?」と舞台を指差した。いつもリズム活動をするときにはなかった舞台だ。「大きな木と黒いカーテンで作るんだよ。みんなも大きい組になって人形劇をやるときは作ってあげるからね」「うん。分かった」
 セリフのよく聞こえない劇は、小さい組にとってあまり面白くないかもしれない。それで騒いで、余計聞こえなくする。それでも舞台で演じ、終わって一人ひとり自己紹介をする大きい組は憧れの的である。大きい組になったら、運動会のリレーも、ソーラン節も、そして人形劇もできる!
 ボクはその自己紹介の様子を、卒園アルバムのためにスナップ写真に撮る。舞台の真正面で劇を鑑賞する。終わると、担任に促されて、小さい組の先生やボクは感想を聞かれる。「上手だったよ。面白かったよ」とベタ褒めだ。ホントに毎日上手になっていく。声もだんだん大きくなっていく。

 ふざけんぼうの子がいる。陽気な性格のせいではなくて、話の内容がよく分かっていないのか、みんなで一つの劇を演じるという意識が持ちきれないせいかも知れない。そんな子がふざけると、初めの頃は一緒になって横道にそれてしまう子がいた。
 それが今日当たりは、周りの子は誰もふざけに乗らず、自分たちのペースで劇を進め

ていた。ふざけている子をとがめるでもなく、かといって巻き込まれもしない。劇の成功にまともに向かい合っている。成功させようと、みんなが真剣になっているのだ。たとえセリフを忘れても、思い出すまで間があいても、子どもたちの真摯な気配が伝わってきて、ボクは目頭が熱くなる。


 12月7日(木)晴れ
 今日は文庫委員会の定例会の日で、朝の保育室で文庫委員のお母さんががいっせいに読み聞かせをしてくれた。子どもをおんぶしたお母さんが二人いた。どのクラスも集中して聞いている。
 読み聞かせが終わった後、新規購入の絵本にブッカーを貼る作業をするというので、貼る要領を教えてあげた。初めての人も結構器用に覚えて、きれいにカバーが出来ていく。
 文庫ができて40年。絵本は入れ替わり、人も入れ替わりながら、その文庫は豊かに経験を積み重ねていく。素晴らしいお母さんパワーだ。

 年中組で保育参観を前に、お店屋さんごっこをやっていた。ばった組とちょうちょう組が店を開き、とんぼ組とみつばち組がお客になっている。
 4歳児の表現活動として定着した活動だが、子どもたちがお店屋さんのイメージを共有するのは難しくなっているかもしれない。「いらっしゃい、いらっしゃい」と呼び声のにぎやかな対面販売の店はほとんどなくなった。お母さんの買い物についていっても、並んでいる商品をかごに入れ、レジで勘定を済ませれば終わりだ。ひと言も口を利かなくても買い物はできる。子どもたちが選ぶ店は、ケーキ屋さんなどに限られがちである。去年のお店屋さんごっこでは、エステ、パーマ屋、お風呂屋などが目立った。

 写真はばった組の店、ゆうせい君が手にしているのは金ぴかのマイクで、歌って踊っている。聞かなかったが、もしかしてカラオケ屋さんだろうか。
 ちょうちょう組では、かなめ君が先生と一緒に床屋さんをやっていた。「お願いします」としゃがむと、髪の毛をいじる。ボクには見えないが、髪が変な形になったらしい。キャッキャッと喜んだ。夕方、遅バスを待つ時間に会ったので、「さっきは床やさんをしてくれてありがとう」と声をかけると、かなめ君は破顔一笑、「またやってあげる」と言った。
 紙粘土で作った商品が大事にロッカーの上に並んでいる。さて、どんなお店屋さんになるのか楽しみだ。

 きのうのことだが、Babyで作っていたウサギ小屋が完成した。土・日の連休と、その後手をかけて、見るからに立派に出来上がった。ウサギの赤ちゃんが来るのは来週月曜日、とりあえず玄関ホールに置いた。いたずらな先生が多摩動物園で買ってきたウサギのぬいぐるみを入れた。「本物じゃないって誰が一番先に気づくかなあ」
 昼寝から覚めた2歳児のかいと君が見つけて、「ウサギが来たぞ!」と叫んだ。寝ぼけ眼の子どもたちがワッと出てきた。「ウサギだ、ウサギだ」。
 そのうち「動かないねえ」という子がいる。「お昼寝してるんじゃないの?」とボク。そのうち、みくちゃんが先生に小声で「もしかしてお人形さん?」とつぶやいた。「みくちゃんだ、一番は」と先生たち。
 「抱っこしたい」と、かこちゃんが言った。出してあげると、そうっと胸に抱いた。「ぼくも」としゅんすけ君。4月生まれで元気いっぱいのしゅんちゃんだが、ウサギを受け取る両手は優しく下から支えた。いつものように鷲づかみにする子はいなかった。
 ザリガニやカブトムシ、金魚は飼ったが、ぬくもりのある動物を飼うのは初めてだ。きっとこの子たちに新しい局面が開かれるだろうと楽しみである。


 12月1日(金)晴れ
 あっけなく師走を迎えた。今年はBabyの子育て支援センターの建設に着手できたし、「その」の経営問題についても一歩前進できた。まあよかったとしよう。
 年長の人形劇のとりくみを覗いてみた。ぞう組はセリフ作りをしていた。最初の神社の場面、ごーっと風が吹いて「こっちゃ来て遊べ」と声が聞こえたとき、「みんなならなんて言う?」と、山下先生は絵本にはないセリフを子どもたちから引き出そうとする。セリフ作りを通じて絵本の場面について共通認識を持たせようとしているのだろう。
 しかし、こんな大事な話し合いをしている間も、友だちとふざけているヤツもいるし、集中しきれない子もいる。それを暖かく抱え込んで、子どものペースで劇作りを進めるというのは、なかなか忍耐のいる仕事だ。
 らいおん組にいくと、「ももたろうは一杯食べると一杯だけ、二杯食べると二杯だけ大きくなる」という場面で、おばあさんはなんと言ってご飯を差し出すか、そのセリフ作りをしていた。それから、大きな桃と鬼が島へ渡る舟という大道具作りに進んだ。
 このクラスでもやっぱり自由なクラスの雰囲気の中で劇作りという高度に組織的な活動を指導する難しさを感じた。それにしても先生というのは忍耐強くなければ勤まらない仕事ではある。
 きりん組はかちかち山のおじいさんの家を作るところだった。わらぶき屋根の木の家を作るために、わらの代わりの枯れ草や小枝をいっぱい拾ってきた。ヒイラギの葉を採ってきた男の子たちは、それを愛用のマイコマにつけようとしていた。「ようちゃん、それは後にしてよ」と先生。「りんたろう君は何してんの?」
 それでも、みんなだんだんその気になって、ベニヤ板にボンドをベタベタ塗って、枯れ枝をくっつけている。それがそのうち家の形になっていくのだろう。

 話し変わって園庭でのこと、みつばち組のあいちゃん

がありふれた小枝を手に遊んでいた。それが面白そうに見えたのか、まいかちゃんが小枝をひったくろうとした。同じクラスのよしみもあるのだろう。でも、あいちゃんは「ダメーッ」と叫び、まいかちゃんは無言で手に力を入れたとき、枯れた小枝は真っ二つに割れ、それぞれの手に半分ずつ残った。あいちゃんはそれを見て、わあっと泣き出し、まいかちゃんは旗色悪しと見てか、逃げて行ってしまった。
 くやしいあいちゃんは手元に残った小枝を、力の限り遠くまで投げた。
 しばらくして、きりん組のゆうへい君が、「おじさん、さっきの女の子はどこへ行った?」と聞く。見れば手に拾ってきた小枝を何本か持っていた。
 「あいちゃんに上げようと思ったの?」「うん。泣いてたから」「ゆうへい君、やさしいんだね」

 それからまた、しばらくして、あいちゃんに会うと、どこで拾ったものか、太い木の枝を持っていた。そばにいた友だちが、「これならまいかちゃんだって折れないよ。ねえ?」と言っていた。

 夕方、薄暗くなりかけたころ、オレンジ(延長保育)の子どもたちが、落ち葉をウサギの滑り台に山積みにして、友だちと横一線に落ち葉の山に滑り降りる面白い遊びをしていた。落ち葉が飛び散ると、倉田先生がかき集め、子どもたちはまた滑り降りる。…迎えに来たお母さんが「楽しそうな遊びだねえ」と、お母さんの笑顔も楽しそうだった。


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