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水晶
 

水晶結晶とその性質

1.水晶

水晶は、珪素と酸素分子で構成される三方晶系の単結晶で、透明で自然に産する極めて安定な物性を持っています。 右に示すように結晶の成長軸(光軸)をZ軸としてこれと垂直で稜線を結ぶ軸をX軸(電気軸)、これと直交する軸をY軸(機械軸)として表現されています。
人工水晶
注)この人工水晶は上方向が+X軸となっています。

2.圧電気性質

1880年フランスのキューリー兄弟は、水晶板に機械的圧力を加えると電気偏極が発生することを発見しました。 X軸に垂直に切られたものに大きく現れます。これが「圧電現象」です。また、逆に水晶面に電荷を加えると水晶片が変形することも分かりました。これが「逆圧電現象」です。
圧電気原理図
圧電気原理図

3.周波数制御・選択用デバイスに利用される理由

水晶片を正確に「寸法決め」したものは、固有の機械振動をもっており、これと同じ周期の交番電荷を加えてやれば水晶の圧電気性質により、 この機械共振周波数を電気信号として大きく取り出すことができるのです。 この信号を与えたり、大きく取り出すものが発振回路で信号の安定性を制御するのが水晶片と言っても良いでしょう。
水晶の機械共振が尖鋭(Q値が大きい)である上、他の素材に比して周囲環境条件による周波数安定度も室温付近に零温度係数持ち、極めて安定であることから、 周波数制御や周波数選択用の素子として使用されるようになったのです。

4.光学的性質

光学的性質には下記の主な3点に大きな特長を持っています。
  • 広帯域波長特性
  • 安定な複屈折性
  • 安定な旋光性
があって素材としては安定で優れた特性を持っているので、波長板、分光、分岐の安定な一部品として光アイソレータ、光ピックアップ、光学計測器等に使用されています。 また、ビデオカメラ、デシタルカメラ携帯電話のカメラ等の光フィルタには高画質を得る必需品として大量に利用されるようになりました。

5.人工水晶

古くは天然水晶から選んで水晶片を切り出していたのですが、欠陥が多くて量産できないことから人工育成の研究が進められ、高圧・高温の環境で水晶屑とアルカリ溶液を下部に、 上部に水晶の種子を吊したオートクレーブ内で育成する方式(水熱合成法)が開発がされました。日本では1959年に東洋通信機(株)が新技術事業団の支援を得て工業化に初めて成功しています。
以来、量産できる均質な材料として幾多の改善がなされて現在では水晶振動子の生産は、全て人工水晶から造られています。形状としては、 製造するのに好都合なZ板を種子として育成した「Z板」及びY方向に長い棒状の種子で育成した「Y棒」の2種類が圧倒的です。第1項にその写真を記載しましたので参考として下さい。