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●第1章/マーケティングの定義 ●第2章/商いの基本 ●第3章/インターネットの現状 ●第4章/サイバーマーケティング成功5つの法則 ●第5章/《第一法則》 目的と手段とを取り違えるな ●第6章/《第二法則》 経営戦略に 合致していないのなら参入すべからず ●第7章/《第三法則》 メディア特性を読み誤るな●第8章/《第四法則》 「ちりも積もれば山となる」と心得よ |
| ●第6章/《第二法則》 経営戦略に 合致していないのなら参入すべからず |
オンラインショッピング成功の《第二法則》、それは「経営戦略に合致していないのなら参入すべからず」です。インターネットを使わないとビジネスチャンスを逃すぞといわれ、皆がドッと走り始めていますけれども、その動きと経営戦略とが合致しているのなら、何ら問題はないのですが、合致していなければ不幸な結果が待ち受けているのです。繰り返しますが、インターネットはあくまで道具です。言い換えると、何らかの目的を達成するための手段なのです。決して目的ではありませんし、そうなってしまってはまずいのです。 最近の「インターネットバブル」とでも言った方が良いような状況を見ると、根本の根本は何なのですか、という問いかけをしたくなります。商いの基本は変ることがありません。そして今も存在しています。がしかし、それを忘れてしまっているのではないかと思えるのです。つまり、常に競争上の優位をつくっておくことが、マーケティングの要諦なのに、それを怠っているのではないか、と言うことなのですね。顧客の動向、競合相手の動き、流通業者の動向、行政の施策や社会一般の流れなどを随時的確に把握し、分析しておき、その上で、オンラインショッピングを使わなければならない必然性が見出せないのなら、参入してはならないのです。にもかかわらず何か悪い病にでも取り付かれたように、地に足のつかない話をしていることに、私は凄く不安な思いをしていますし、これじゃ失敗するのも無理ないなと思ってしまうのです。 オンラインショッピングはダイレクトマーケティング(直接流通)のひとつの形態です。したがってオンラインショッピングを始めると言うことは、もうひとつの流通形態である間接流通による事業者との競争を考えずにはいられません。ところが、実際にはこのような競争関係を考えてはいないのですね。後程、紹介しますけれども、間接流通と直接流通の間では、ちょっと条件が変ることでどちらが有利になるか、劇的に変ってしまうのです。このビジネスをオンラインショッピングでやって競争優位に立てるか否か、その見極めを付けもしないで参入して成功するも何もあったものではありません。 オンラインショッピングは、直接流通のひとつの形態であると言いました。と言うことは、直接流通特有の強みを活かせないのなら、どんなに世間が沸き返っていようとも手を出してはならないのです。と言うのは、直接流通は参入障壁が低いように見えるけれども、実はその後に控えている成長障壁が恐ろしく高いのです。確かに参入するのはたやすいのです。適当な商品を持っていれば、誰でも参入できます。しかし、ビジネスとして成り立たせるためには大きな壁が待ち受けているのです。たとえば、大量の受注データを処理し、商品を間違いなくかつできる限り短期間で届けなければなりません。特殊な商品を除けば、遅くても2週間以内に届かないと顧客から苦情が出るようになります。さらには代金回収をして貸し倒れが出ないように注意しなければなりません。つまり、品揃えと物流そして債権管理が成長できるか否かの鍵となるのです。これらは商いの基本的な要件でしょう。けれども、インターネットブームに乗って参入した多くの人々は、このようなことに気がつかずに開業したのではないでしょうか。だとしたら、それは博打と少しも変わらない。失敗して当然なのです。 ![]() 流通チャネルとしてオンラインショッピングを選択するということは、買手数を絞ることでコストリーダーシップを獲得する戦略を選んだことにほかなりません。したがって、それが達成されないならば、オンラインショッピングをチャネルとして選択するのは誤りなのです。 「買手数を絞ったら企業存続に必要な売り上げが確保できない」と言われるかもしれないですね。がしかし、それはオンラインショッピングをチャネルとして選んだ以上、競争優位を獲得するためにはぜひとも取らねばならない戦略なのです。なぜならば、買手の数が増えてくればそれは間接流通の事業者にとってもおいしいマーケットなので、当然彼らも参入を計画します。したがって、競争それも価格競争が激しくなることが予想されます。価格の競争が最も消費者にわかりやすいものだし、間接流通事業者にとってノウハウの蓄積された部面だからです。自分の土俵で相撲を取るのは、勝ち残る経営のいろはですから、当然そうしてくるでしょう。と言うわけで、上のグラフから明らかなように、Ueに近いところで戦うのはオンラインショッピングにとって得策ではありません。 とは言え、企業が存続しなくては戦略も何もあったものではない。買手数を絞りながら、かつ企業を存続させるにはどうしたら良いのでしょうか。答はいくつかあります。(注1)
ところで、ここまで買手数を絞り込むことで競争優位を獲得するという前提で話を進めてきましたが、実はもうひとつオンラインショッピングが有効な局面があるのです。それは顧客の密度が低く、間接流通よりもコスト優位に立てる場合です。顧客の絶対数では企業を存続させるのに十分だが、顧客の密度が低くて店舗を出しても採算に乗らない領域が存在します。そこをがっちり固めるのです。 この背景には、企業との関わり方を自由に選べる顧客の出現という市場環境の変化があります。この点を見落していると「新しいビジネスモデル」は見えてきません。企業の中に目を向けているだけでは駄目なのです。けれども多くの企業が、より正確に言えば急激な右肩上がりの経済成長時代の成功体験を後生大事に抱え込んでいる経営幹部たちが、この新しい時代の到来に気がついていないのです。個々の顧客と直接リレーションを取ることが重要になるなどとは、夢にも思っていないのです。けれども、企業との関わり方を自由に選べる顧客は間違いなく増殖しています。そしてそれを察知して高い収益を上げている企業もあるのです。 いつまでも消費者ニーズなどという幻を追いかけていてはだめなのです。「消費者」などという実態のない存在を前提とした、最大公約数に頼ったマーケティングをしていたのでは、現在どれほど大きな企業であってもその存続は大変危ぶまれます。実態のある存在、すなわち<個客>との関係のなかにこそ企業存続の鍵が隠されているのであり、オンラインショッピングを成功させることは、その第一歩なのです。(注2)(平 誠) 【脚注】
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