漢
用語:原子力潜水艦 ハン(漢)級
排水量 :4500トン(潜水時)
(*1) 3〜5番艦は全長を8m延長、SSM発射塔を装備(?)。
全長 :100m
全幅 :11m
喫水 :8.5m
機関 :原子力ターボエレクトリック推進(1基1軸、15,000hp)
原子炉 :加圧水型
最大速度 :25kt
最大安全深度:不明(一説では300m)
乗員数 :75名
兵装 :533mm魚雷発射管 6基
C-801SSM発射塔x6‾8(3‾5番艦のみ)
搭載ソナー :DUUX-5 パッシブ(LF)
ハーキュリーズ パッシブ/アクティブ(MF)
搭載レーダー:不明(恐らく航海/水上索敵)
同型艦数 :5(*1)
さて無謀にも1968年、ハン級1番艦は建造が開始された。船体自体は1970年に進水したが、後がいけなかった。恐らく1972年には艦は完成していたと思われるが、公試に入ったのは1974年、就役したのは多分1977年という有り様となった。2番艦は1978年に進水、実戦配備は1980年というスローモーぶりであった。以降の艦は4年周期くらいで就役している。
中国の技術力の低さはこのクラスでも見事に立証されている。このクラスは世界でも他にはフランスのリュビ級しかない原子力ターボエレクトリック推進艦だが、これは中国では潜水艦の艦内に収まるような小型大出力の蒸気タービンが作れなかったためであろうといわれている。しかも静粛性が上がるはずのターボエレクトリック推進でありながら、本級の騒音発生度はソビエトのノベンバー級と大差無く、容易に探知されうる目標となってしまっている。また本級の機関はきわめて信頼性が低く、1/2番艦は1980年代後半に機関部のオーバーホールのため長期第一線を離れ、3〜5番艦も稼働率は極めて低い状態である。
次いで兵装関係でもホーミング魚雷の欠如(潜水艦対潜水艦の作者によれば、1980年代においても蒸気推進式の直進型魚雷のみを中国潜水艦は装備していたそうである。実際1980年代末期まで中国が対潜用のホーミング魚雷を装備していたかどうかについては否定的な情報しかないのが現状である。なお、1991年になって漸く自国製の対潜用ホーミング魚雷が兵器見本市に発表された)、有効なソナーの欠如(現在はフランス製のまあ人並のソナーが搭載されているが、就役時はロメオ/フォックストロットと同じフェニクス/ハーキュレスソナーしか装備していなかった と考えられている)、また3番艦以降に搭載したSSMは水上発射しか出来ない等々、兵器としての有効性を問われるような欠陥を内包していた。
本級の存在意義は基本的には「原子力潜水艦を保有している」と周辺諸国に威張れることである。現在の状態では有効な兵器システムとはとても言えない。将来中国の原子力潜水艦が発達した際、本級がそれの踏石となるであろう、という事がこの級の実際的な存在意義かも知れない。