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7月3日
(月曜日)
朝から業者が門扉の工事に来るが、柱を建てるために地面をドリルで掘っていて、地下を走っている電線の束を傷つけてくれて、全館電気がアウト。隣家から電気を借りて仕事を始める。電気の復旧作業が始まったのが14時30分。しだいに曇ってきて、雷鳴が轟き、小雨がポツポツ。15時30分、電線を繋ぎ終え、柱にセメントを流し込みおえたその瞬間、目の前の電柱だか送電線だかに落雷。停電。そして豪雨で作業は中断。ちゃんと電気が通ったのは午後4時。門扉の付け替え作業は明日まで延びた。疲れた。『輪廻』明野照葉(文藝春秋 00.06.30)読了。今年の松本清張賞受賞作。現代に蘇る「累」。地味な作品だが、けっこう怖い。結局、『泉鏡花3』第2章−3は途中まで。

    【執事日記】 しかし電気がないと何もできないですな。部屋は暗いし、お湯も出ない。パソコンも使えなければ、そのパソコン経由で電話線をつないでいるので電話もできない。業者のミスはともかく、不便なものです。

7月4日
(火曜日)
業者が来るといけないので午前10時に起床。わたしにしては快挙である。だが思えばコンクリートを乾燥させる時間がいるので、来るのは午後からだろうと思い直して仕事を始める。門扉の取り付けにきたのは正午過ぎ。夕方、すごい雷雨だった。ドラマ〈花村大介〉第1回。〈踊る大捜査線〉の出演者が3人。最近、小説を読んでいると、主人公の顔がユースケサンタマリアになっていることが多い。『葬列』小川勝己(角川書店 00.05.10)読了。横溝正史賞受賞作。読みはじめたら仕事を放り出してでも読んでしまいたくなる小説というのがある。後半になると、わたしは、ひとつのことを祈りながら読んでいる。後味だけは悪くしないでくれ、と。後味で作品の評価は180度変わる。この作品の場合、終盤手前で、そりゃねえだろう、と思ったりもしたが、主人公のひとり渚に救われた。『泉鏡花3』第2章−3まで。

    【執事日記】 昨日、目の前に落ちた雷といい、今日の雷雨といい、凄かったですな。さすがの館主も、雷雨の前にエアコンを入れましたな。雷雨からはあとは涼しかったので、すぐに切ったようですがね。

7月5日
(水曜日)
知人のライター名取二三江さんが贈ってくださった『シェフ 長尾和子』(理論社 00.06)を読了。日本初の女性シェフにインタビューして、彼女の生涯を「ですます調」で綴った作品。難しい字にはルビも振っているので小学校高学年から読める。こういう仕事は難しいと思う。インタビューの聞き手がどこまで感情移入するか。本書は感情を押し殺し、あくまでも長尾和子というシェフの五感を大切にしている。高橋克彦さんが贈ってくださった『完四郎広目手控 天狗殺し』(集英社 00.06.30)読了。シリーズ第2弾。今回は、江戸から東海道経由で京都、京都、京都から中山道経由で江戸、という構成。旅先で出会う怪異な事件に香冶完四郎と仮名垣魯文コンビ、そしてゲストの坂本龍馬が立ち向かう。京都に蘭学修行に行く娘を送りがてらというあたりは、水戸黄門を思い出して微笑ましい。『泉鏡花3』第2章−4の途中まで。

    【執事日記】 長尾和子という人なら、いつかテレビで観た記憶がございます。小柄な人じゃなかったですかな。あの方のお店は二宮にあるのでございますか。館主、こんど、いっしょにどうですか。ねえ。

7月6日
(木曜日)
『平安妖異伝』平岩弓枝(新潮社 00.06.30)読了。若き日の藤原道長と少年楽師秦真比呂。15歳の秦真比呂が美しい。ドラマ〈合い言葉は勇気〉が始まる。脚本三谷幸喜。出演は役所広司、鈴木京香、香取慎吾。鈴木京香のドラマは久しぶり。『泉鏡花3』第2章−4まで。第2章脱稿。メール送稿。

    【執事日記】 よかったですなあ、3カ月間のお楽しみができて。そういえば本上まなみが出ている〈アナザヘヴンeclipse〉がレンタルビデオ屋に並んでいましたぞ。借りてこなくてもよろしいんですかな。あ、いまは、そんなゆとりはないんでしたな。こりゃ失敬。

7月7日
(金曜日)
イラストレーター&エッセイストの河原淳さんが、『公評』7月号掲載「河原淳のつれづれ雑俳日記7」のコピーを送ってくださる。4月14日の項目で『満洲探偵 大連の柩』にお褒めのお言葉。多謝。『損料屋喜八郎始末控え』山本一力(文藝春秋 00.06.10)読了。札差に一泡吹かせようなんて意気な試み。『泉鏡花3』第3章−1まで。台風3号がやってくる。

    【執事日記】 今日、『サライ』の増刊号でパソコン特集をやっているのを立ち読みしましたが、さすが熟年向け。じつにわかりやすく書かれておりました。水上勉さまとサトウサンペイさまのパソコンを前にしての対談なんて、オツな企画でございますね。

7月8日
(土曜日)
台風は上陸しないまま房総沖を北上。昼頃に起きたら台風一過でした。『プレジデント』7月31日号が送られてくる。わたしが寄せた「リーダーの決断/榎本武揚と五稜郭の戦い」が載っています。10日(月曜日)発売です。ちなみに今号の特集は「男40代『勝ち組』の研究」。40代サラリーマンなら身につまされるかな。『陰の刺客』伴野朗(祥伝社 00.06.10)読了。大塩平八郎の乱に参加したあと日本を脱出したという花房一之進に林則徐を守らせる刺客に起用。こういう小説は大好き。『黒い春』山田宗樹(角川書店 00.03.10)読了。新種の真菌によるパニック小説なのだが、その発生源が1400年前の遣隋使の時代までさかのぼる。人間ドラマとしても、なかなか。『泉鏡花3』第3章−2まで。

    【執事日記】 とうとう夕方や夜中はエアコンのお世話になりはじめたようですね。ま、身体壊さなきゃ、それでいいんでございますが。

7月9日
(日曜日)
高橋克彦ファンクラブ会長の阿部さんから夏のツアー参加確認の電話をいただく。うわっ、返事をするの忘れてました。すみません。今年は行けそうにありませんっ。もう始めていなきゃいけない仕事がまだでして……。『週刊小説』の上半期ミステリーベスト10のアンケート用の原稿をまとめる。書棚に残しておきたい、記憶にとどめておきたいものを並べていたら歴史関連ばかりになってしまった。メール送稿。『犬たちの伝説』内田康夫・早坂真紀編(光文社文庫 98.03.20)読了。犬の親バカエッセイを読むわたしも犬の親バカ。『泉鏡花3』第3章−3まで。

    【執事日記】 夜中に、ときどきウインブルドンテニスを観戦しておったのですが、男子決勝は雨でなかなか始まりませんな。テレビの前でウズウズしております。

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