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老成都
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[其三十八]
天回鎮
成都北郊、新都県と境を接する辺りに、天回鎮はあります。北側の陝西省から成都に入る際、蜀への入口になる所です。鉄道や高速道路も通過する場所ですが、他省から来る場合、特種な事情が無い限りこんな手前で止まる人はあまりいないかも知れません。
私が偶の週末、日帰りで九眼橋から自転車で北郊に向った際、時間的に折り返し地点となったのもこの辺りでした。
1991年10月 天回鎮の街道沿いの様子
史書によると、漢時代の碑文には楊家嶺と岳家覇と呼ばれていたそうですが、唐代に起きた安史の乱がこの地名を変えてしまいました。時の玄宗皇帝が長安から難を逃れ、成都に向う途中、乱が終息した事を聞き引き返したのがこの街です。爾来、天回鎮(皇帝が引き返した街)と呼ばれる様になったとの事です。
1991年10月 天回鎮の古い商店
近代で表舞台に登場したのは、李劼人の書いた小説「死水微瀾」に、清末の姿として映し出されています。私も小説では読んでいませんが、テレビドラマで何度か見た事があります。実際の撮影もこの街の一角がロケに使われたそうです。
街の印象とは別に、地元の名物料理の蒸牛肉が記憶に残っています。萎びた街道の一郭の小料理屋で、白酒片手に食べたこの味は今でも思い出します。つい先日、某有名な四川料理屋で頼みましたが、似て否なるもの。見かけは相応でしたが、期待が大きすぎた部分もありますが、箸が進みませんでした。
1991年10月 隣街、新都・宝光寺の門前
現在、街もきっと既に大きく変わった事でしょう。今後成都には何度か行く機会はあると思いますが、この街に足を運ぶ事はもう無いんだと思います。自身も存在位置が大きく変わってしまったので、折り返し地点とはならなくなってしまいました。今では、思い出の彼方にある街の一つです。
1987年3月 新都・桂湖公園内で見かけた大工さん
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