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老成都
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[其ニ十九]
風火墻
自転車で成都の古い路地を走っていた時、時々、一見趣のある古めかしく立派な大門を見かける事があまりました。その多くは解放前の貴族やお金持ちと思しきお屋敷跡と見受けましたが、歴史や伝統のある学校の大門にも立派な物が幾つか有りました。
2000年1月 窄巷街で見かけた古い住居の大門
それらの家は長屋の様になっており、内部は奥深しく中まで入り込んでいて、中がどうなっているのか全く分かりません。日本の古い宿場町や門前町でも、昔街道に面した間数で税の額が決まっていたそうなので、どこの家も奥深い間取りになっています。成都にある古い住居もこれと非常に良く似ており、奥深いのが特徴です。だから表からはその実態が良く分かりませんが、概してその門構えでその家の分限を現していたと言えるでしょう。
1991年11月 成都近郊、黄龍で見かけた風火墻
一つ特徴的なのが、軒の両側に風火墻が有り、隣り近所で火事が起こった際、その延焼を防ぐ働きがあります。しかし、時代と共に本来の役割から、その風火墻の高さそのものが、その家の地位や財力のレベルを現していたと言われています。
1991年12月 文廟前街にある石室中学の大門
歴史ある学校の中で、特にその門構えが立派なのが、石室中学です。この大門は文化財にも指定されています。ここは「文翁石室」と呼ばれる中国でも最も古い時期から存在していた公立学校だそうで、西漢(前漢)景帝の末に、蜀郡太守の文翁により造られ、幾度かの焼失と再建を経て、民国に石室中学となり今日に至っているそうです。今では、成都の重点中学にも指定された進学校です。
1989年10月 国慶節の飾り付けがされた四川大学の大門
因みに私のいた四川大学の大門は、近代的(?)な造りになっており、学校名の題字は故ケ小平によるものです。かつての正門の姿は、自伝小説「ワイルドスワン」の主人公が、門前で記念撮影をしているので、その中で垣間見る事が出来ます。しかし、今では隣りの科学技術大学との合併により、より見栄えのする科大の正門が川大の正門にとって変わってしまいました。
1991年11月 かつての科学技術大学の大門正面にある学樓
大門は言わばその住居の面貌です。成都の街もこの大門の内側に入り込んでみれば、更なる奥深い面白さがあると思います。
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