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老成都
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[其十]
望江路
成都で私の一番馴染み深い道が望江路です。住んでいた四川大学の留学生宿舎の直ぐ前を通り、成都市内を流れる府河の辺でもありました。そしてこの袋小路の先に望江樓公園がありました。朝起きる際は、この近くにある九眼橋のバスターミナルから発車する長距離バスのクラクションが目覚まし替りになり、起きていたのを良く覚えています。
1991年3月 取り壊し工事の始まったばかりの九眼橋
成都で暮らしていた際、夕暮れ時や、日々の生活の中で寂しくなったり、物思いにふける時はいつも府河の辺にあるこの道を散歩するのが好きでした。そこには、川の緩やかな流れと、人々の飾り気のない暮らしが垣間見え、とても落ち着いた気分になる事が出来ました。
1991年9月 望江路の府河のほとり
その当時は、ここが変わる事はないだろうと勝手に思い込んでいましたが、久しぶりに訪れてみると、道並はすっかり変わっていました。以前は車がすれ違うのもやっとの道幅で、望江樓公園で行き止まりでしたから、ここまで来る車はほとんど有りませんでしたが、今では市内を取り巻く環状線のニ環路迄のバイパスとして、片側ニ車線(計四車線)の自動車専用道になっていました。これだけの道幅を作るのに、当然の如く川沿いに有った並木道が削り取られ、また、道沿いの商店街も立退かされてしまった様です。
1994年8月 望江路に有った、「竹小屋」と呼ばれていた飲み屋
街並や街路が変わって行くのは、仕方のない事なのでしょうが、やはりとても寂しい思いをしました。聞いた噂話では、以前取り壊されたこの付近に有った九眼橋の再建話も出ているそうです。再建する位なら、最初から壊さなければ良かったにと思いますが、これ程迄の変わり様を見て、付近の住民も私と同じ様な思いになったのでしょう。
2000年1月 現在の九眼橋から見た望江路
つい先週の事ですが、昔の留学仲間の結婚式に参加し、久しぶりに当時の仲間に会う事が出来ました。皆それぞれ今の生活を精一杯生きているみたいです。でも当時の仲間と会う事で、今の成都で見る事の出来なかった風景を見られた気がしました。街がどの様に変わろうと、心の中の成都は変わる事は有りません。
2000年1月 九眼橋の架っていた付近の現在の様子
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