巴山蜀水

[其十ニ]


眉山 (MeiShan) - 〈東坡肉〉 

  眉山は成都から楽山や峨眉山へ行く場合、その中間点に位置する。その為、この街の街道沿いにある蘇東坡父子の記念館・三蘇祠は、そんな立地条件の良さから皆が訪れる観光スポットになっている。


    眉山・三蘇祠の大門


    園内にある蘇軾(東坡)像


 三蘇とは、蘇軾(東坡)と父親の蘇洵、弟の蘇の三人を指しており、共に唐宋八大家に称されている。彼らの祖先が唐代に眉州刺士として赴任して来てきてから、一族がこの地に居を構えており、皆幼少や青年時代をこの地で過ごし、その後中央へと仕官した事になる。最も有名になった蘇こと蘇東坡は、科挙に合格し任官後は浮き沈みのある人生を送った様で、最後を杭州の地で過ごしている。そして、彼が愛して止まなかった杭州料理(日本で言う豚の角煮)が東坡肉として有名になった。三蘇祠の園内にもレストランが有り、私もそこで東坡肉を注文して食べた記憶が有る。しかし、いまいち印象が残っていないのは、味はそれ程でも無かったと言う事か...。


    正殿を守る様に植えられたニ門手前の二本の大木


 三蘇祠は52,300uの面積を有している。明代の洪武年間にこの三蘇父子を記念して造られたもので、その後各時代毎に何度も修築を繰り返して来た。館内には彼らに関する資料が数多く展示されている。でも私の様に書に関心の無い人には、あまり興味をそそる物ではないかも知れない。個人的には、むしろ四川風(?)住居や庭園の独特な作り方に興味を覚えた。園内の植木も、丁度北方系と南方系をミックスしてた様な感じである。日本でもポプュラーな観葉植物である蘇鉄(中文では鉄樹)は、四川ではお金持ちが好む植木だと言うのを聞いた事があるが、確かに四川にある公園や寺院内等で良く見かける植物である。


    正殿を取巻く瑞漣池


 建物はどこも贅沢な間取りで造られており、これ位の古い住居や庭園には、必ず風水を取り入れた空間造りがなされており、単純にそこにいる者に情緒的な安心感を与えてくれる。単なる観光スポットとしだけで無く、見方を変えれば色々と懐の深さが見えてくる。


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