●王の帰還(その2)
「王よ、どうしてもお行きなさるのか」長老は今一度尋ねた。
「うむ、これだけは、お前達が止めても無駄だ。俺は行かねばならぬ」
鋭い目で皆を見回した。
もはや、誰もがを王止めることが出来ないことを知っていた。
長老が、皆の前に進み出ると、
「・・・お行きなされ。王のその強さがあれば成し遂げるじゃろ」
皆の目に、涙がにじんでいる。
「必ず、戻ってくる。皆も達者でな」
そういうと、くるりと向きを変えると、何処までも果てしなく広がる大地の彼方に向かい始めた。
やがて、その姿が小さな点となりそれさえも見えなくなっても皆は遙か彼方を見続けた。
「行ってしまわれた。わしが生きているうちに今一度あの凛々しいお姿を目にしたいものじゃ」
時が過ぎ・・・。長老はいまわの際を迎えていた。
(あれから何年経つのじゃろう。・・・二年も過ぎようか・・・、わしももう長くはないのう)
(今頃、王は・・・)
と、なにやら騒がしい、長老の直感に呼びかけるものがあった。
(もしや・・・王が・・・)まさしくその通りだった。
「王が、、、王が帰られたぞ」そちこちで皆が騒いでいる。
長老は老骨にむち打って皆が集まっている所へ急いだ。
「何処じゃ」長老は視力の弱った目で大地を見つめた。
「おおっ」身体がふるえている。
(老いたりとはいえ、どうしてこのわしが王のお姿を見間違うことがあろうや)
遠くに見える影は確実に近づいてくる。
今や遅しと皆が出迎えていた。
「今、還った」
「おおっ、生きて王に再び会えるとは、やんぬるかな、やんぬるかな・・・」
長老は涙ぐんだ。
「じい、泣くでない。見よこれを・・・」
王は皆に自分の横を見るように促した。
「無論ですとも王よ、見えます、見えますとも・・・邪魔な涙じゃ」
長老は感激で胸が締め付けられる想いだった。
「王よ、見事、成し遂げられたのじゃな」
王はうなずくと「俺の後継者だ」と再び横を見た。
一回り小さいが王によく似た若き逞しい姿が一歩前に・・・、
そして、
「ばうっ」
・コメント
ここでいう王とは砂漠王ロボです。
内容は見ての通りありません。文章だましです。
でも、途中で気づかれた方も多いでしょう。
ジーラとの出会い、なども書こうと思いましたが、
それこそ砂漠王ロボの半生記になりかねず、手に負えないので変更しました。
最後に「ばうっ」と吠えているのはウーラです。