| グイン新刊内容予想 |
| 69巻からは、ズバリ 具体的な事象を述べることにする(過去の予想) |
| 次巻 正伝80巻 『ヤーンの翼』 内容予想 |
| ケイロニア近くでは陽は既に秋の兆しを感じ取ることが出来た。 ゆっくりと男は馬を止めると馬上から、眼下に遠く広がっているなだらかな丘陵を見下ろした。 かの男の行くところ、人々は彼の回りに集いその美しい声に聞きひたり、語られるサーガに想いを馳せた。 その声は人の心を浄化し聞く者の運命さえ左右するとさえ云われ、後に、自らも伝説の大吟遊詩人として語り継がれることになるマリウスことアル・ディーンの姿であった。 今、ワルド山脈をの峠を越えて大勢の人馬がゆっくりと南へと下って行く。 どのくらい離れているのだろうか、遙か離れているこの地にも遠くざわめきが聞こえる。 見またがう事あろうか、その先頭の集団よりやや後ろに見えるのは、ひときわ巨大な威風堂々とした戦士の姿――そして、何よりも異彩をはなつ豹頭。 (なんて神々しい軍隊なのだろうか。――世界で一番美しい軍隊はもちろんパロの聖騎士団だろうけど、こんなにも整然と厳かでそしてその秘める力強さが僕にも判る――これがケイロニアが世界最強の国とたらしめる所以なのだろうか) マリウスはケイロニアに来てからはほとんど宮殿の外に出ることはなく、また軍隊の一般的な観兵式にさえ出席したことさえ無かった。 初めて目の当たりする数万を超えるケイロニア軍を遠くにして感慨に耽っていた。 オクタヴィアの前から姿を消して一体どのくらい日がたったのだろうか。 マリウスは自分を連れ戻すためグインたちがきっと捜索しているに違いないと予測し、幾日かひっそりとサイロンに身を隠し、チャンスを見計らってサイロンを出、その後も人の目を避けるようにパロに向かったのでケイロニアを国境を越えたのは随分と日が経っていた。 マリウスはまぶしそうに目を凝らした。 (――グイン、僕はここにいるよ。僕はサイロンを離れてしまったけれど、いつでもどこでもグインを見ているよ。――それが僕に与えられた天命なのだから) マリウスは深く溜息をついた。 (ナリスの噂を聞いたよ――やはり、兄様は生きていた。そうじゃないかと思っていたよ、あのナリスのことだから――まったく僕はいつも兄様に――。このままグインの後からパロに行きたいけれど、ナリスが生きていると判った今は行けない。僕は亡きミアイルさまに誓いをたてからね。ぼくの生あるかぎり、クリスタル公アルド・ナリスが生きているかぎり、パロへはもう戻らないと――。そう言えば、昔、なんとかという変な魔道師が今度逃げたらどうのこうのと云ってたっけ。でも僕は決して逃げ出したりした訳じゃない。僕は自分で自分の運命を切り開こうとしてサイロンを離れただけ。魔道師になんかに僕の運命を決められてなるものか。――グイン、すぐにまた会えるさ。きっと――) マリウスは馬の首筋を軽く叩き轡を西東へと向けた。 (僕も色んな街や都市に行ったけれど、まだハイナムは行ったことがないな、どんな国だろうか。可愛い娘たちがいっぱいいるといいな) そのゆるんだ表情からは、後に伝説の吟遊詩人と語られることになろうとは、かのアルド・ナリスをしてさえ想像できなかっただろう。 そんな吟遊詩人の想いとはよそに、ケイロニア軍はパロを目指す、そしてタルー軍を蹴散らしたゴーラ軍も一路パロへと――。 パロ国内では、レムス政府軍とナリス政府軍の激突が間近に迫る中、第三勢力のカラヴィア公国軍は不気味な沈黙を保っていた。 ――クリスタル、聖王宮。 側近が国境警備隊からの早馬での知らせを、レムスに告げる。 『ゴーラ軍、パロ国境ユノ砦の北、二十モータッドに出現す!』 レムスの暗いまなざしの中に妖しい光が宿り、唇は小さくゆがんだ。 「やっと現れたか――」 う〜む、「ヤーンの翼」の予想とは程遠そうだ^^; |