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益荒男

兵法・格言 歌集 マリウス歌集 第一声 最後の言葉
笑い・雄叫び 歴史書 決まり事 益荒男 娘たち
 
   
 
益荒男
ナリス(27p5)
 それはそうと、氷の公女、というのはあなたにまったくふさわしくないな。
私ならあなたをもっとちがった名で呼ぶでしょう。
そう――光の公女、とね。
そうだ、あなたはまことに光の公女だ。
ごらんなさい、この金色の髪が、日をうけてどんなに輝いていることか。
イシュトヴァーン(35p5)
――いまに俺の声が世界に届く。
   いまに世界中が俺を見る。
   だって俺はイシュトヴァーン、ヴァラキアのイシュトヴァーンなんだからな!
   みんないいか。忘れるなよ、俺の名前を!
ヴァレリウス(59p5)(90p5)(91p5)
覇王の道はね――友とはゆかれない、ということですよ。
――これを覚えておきなさい、ヴァラキアのイシュトヴァーン。
私はずっとそう思っていましたよ……
 ――覇王の道はただ一人でゆかなくてはならない――あなたはその道をゆくのならいつかは、
友をも――愛するものをもその刀にかけ、
血で染まった足でその道をふみしめてゆかなくてはならないのですよ……
 いま、どうしておられますか。ゆっくり、お休みになっていられますか。いつ夢をみておいでですか。――もう、苦しむこともなく、見果てぬ夢や失われた自由に苦しまれることもなく……私はまだここにこうして生きています。私の旅もたたかいもまだ終わる気配もなく――そこは静かですか。私を待っていてくださいますか……私がいなくて、ご不自由ではありませんか――? 大切なかた、私の、ただひとりの――
 かつてお前はどんなにかまばゆく輝いていたことだろう。私の乏しい知識にさえ、お前は間違いなく、世界の女王であった。私はどんなに、片隅からお前に憧れ、お前のきらびやかさに目もくらむ思いでお前をひたすら見守っていたことだろう。やるせない憧れと、そしてかなうことのない渇仰にみちて。
 七つの塔のその彼方に、月はいまでも明るいけれど……
グイン(外14p5)
神話も神々もどうでもいい。
俺はそんなことを知ったところでどうなるとも思わん。
俺は俺だ――そして、俺はただひとつ、この俺とは何者なのか、それを知りたいだけだ!
スカール(66p5)
俺はノスフェラスをかけた。俺は長い夢のなかで賢者ロカンドラスにつれられて、無人の砂漠をわたっていった。
ゆらゆらとかげろうがたち、その彼方にやがてふしぎな死の谷がみえてきた……あれは夢だったのだろうか。
あれはすべて、砂漠のみせたまぼろしだったのだろうか。
いや違う。
賢者ロカンドラスとともに俺はラクダの背にゆられ、そしてヤーンにも似た老人は俺にいったのだ。
(太子、これを見るがいい)と。
あれが夢であったならば――俺のかたわらにいつもよりそっていた女はもういない。
ノスフェラスの夢が、女を飲みこんでしまったのだ。
ヤンダル・ゾック(76p5)
 すでにあの年齢レムスのなかにはかなり大きな空洞の暗黒があったのだ……そして、レムスのなかに暗黒の種子がまかれた……すべてはもう、あのとき、はるかなノスフェラスであらかじめさだめられていたのだ……
ヨナの祈りより(124p5)
 青い空のもとにもう誰も動くものの姿はなかった。
 これまでにいくたびこのようなことはくりかえされてきたのだろう。
そのたびに、人々は神を呼び、神が出現して助けの手をさしのべぬことに怒り、呪ったのだ。
 そして人々は思うだろう――神よ、あなたは本当に存在しているのか。
それとも、あなたはただの道しるべにすぎないのかと。
 空のみがいたずらに高く青い。
超越太師ヤロールの演説より(127p5)
 おそるべき暗い、悪しき力を秘めた遠いうねりが四方八方からおとずれようとしつつあるとき、われわれにいったい何が出来ようか。われらに出来ることはただ祈ることだけだ。だからこそ、いまこそミロクの降臨を念じて、みな聖地ヤガに終結すべきときであるのだ。
 

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