前から熊野辺りには非常に興味がありました。元をただせば、中学時代によく読んだ小説を通じて吉野に興味を持ったことが始まりだと思うけど、吉野→役行者→修験道→熊野
という関心の流れは当然辿る道といえばそうかも・・・。
それと、中上健次にも興味があって、彼の作品の根底にある新宮という土地を見てみたいというのもありました。まあ、私の興味はだいたい本から来てますねぇ
(^^)
とはいえ、この旅日記は非常にお気楽に下らないことばかり書いてますんでよろしく (^_^;
[出発前]
またしても行くのを決めたのは2日前(最近こんなのばっかし ^^;)。 南紀までの道のりは、鉄道を使うと5時間半、飛行機だと1時間ちょっとなので、取りあえず行きは飛行機にしたいなと思い、南紀白浜まで飛んでいるJASのホームページを度々チェックしていた。2日前になっていよいよ割引きっぷの枠が残り2人になってしまったので、それじゃと重い腰を上げることにした。60%弱割引で1万円。世の中ホントに便利になったとつくづく思う。
宿は、前日夜に本で見つけて良さそうだった湯峰温泉の民宿に電話して取った。民宿でも温泉付きらしい。楽しみだ o(^-^)o
[1日目] 白浜〜湯峰温泉まで
羽田にて。JASの飛行機は、バスに揺られ揺られてこの世の果てまで行くか(笑)と思う位に遠かった。でも、到着するまでに見た 飛びたつ機体の姿は、晴れた空を切るように輝いて感動的に美しかった。やっぱり私はヒコーキおたくかも。 白浜行きの乗客は、帰省客が結構多いようで、地域の足になっているのだなと思う。
14時過ぎに南紀白浜空港着。石垣空港より滑走路が広い(すごい無茶な比較 ^^;)。
空港の案内所でレンタカーを紹介してもらう。スターレットクラスを頼んだら、出てきたのは Will Vi とかいう、お弁当配達車のもうちょっと小奇麗な形の車、って感じのであった(この車に乗ってる人が読んでたらスマンのぉ)。 ギアの部分がタクシーの如くハンドルにくっついているのにとにかく慣れず、最初のうちはかなり不安が募る。
《南方熊楠記念館》
今回の目的地は熊野三山&南方熊楠と決めていたので、まずは白浜にある南方熊楠記念館に直行。そこはいきなり南国モード。スコールのように雨が降る。なるほどこういうところなら菌類もたくさん採集できたであろう、と思う。多分こんな先端部まで来る酔狂な客は私くらいだろうと踏んでいたが、それでも10〜20人位いた。教育的にはいいのかも。熊楠が発見した菌類がいろいろ展示されていたけど、私が一番印象に残ったのは南方マンダラというもの。宇宙の仕組み?をマンダラになぞらえて表したもので、何だか心惹かれた。
ところで白浜は関東でいう伊豆みたいなところだけあって、海水浴客やサーファーが結構いた。海の色も南国の色。でも、車窓から眺めるだけにして、一路湯峰を目指す。山道らしいので、日が暮れないうちに到着したかったのだ・・・と思う間もなく、湯峰行きの国道R311に入った途端、空が邪悪な雲(笑)に覆われて土砂降りになる。さすが山の天気。雨粒一つ一つがフロントガラスめがけて飛んでくるのが見える。
《熊野古道館》
昨年、南紀熊野体験博が開催されたせいか、熊野古道関係の標識や施設も完備されている。雨を縫って、R311沿いにある熊野古道館へ。閉館間際で駄目かと思ったけど、係員さんが片付けながら入れてくれた。古道の歴史についてや、天皇・上皇が熊野御幸の際に詠んだ歌をしたためた紙(=懐紙)などがあり。私が神奈川から来たと言ったら、係の方も何と神奈川(厚木)の出身であった。びっくり。みんな片付いたので、こういう所に住みたいと思っていたのを実行したらしい。古道館のそばの河原で清姫まつりなる催しがあるらしく、「見てかないのー?」と聞かれたが、「これから湯峰まで行くんです」と言ったらびっくりされた。どうも先は長いらしい(笑)
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| 熊野古道館のそばに滝尻王子(写真右上)があり、「熊野古道 起点」の道標あり。この先、古道は延々続いていく | これがつぼ湯。好奇心旺盛な私は、乳白色の湯の奥の方がどうなっているのか足を伸ばして確かめてみたが、何だか足が引き込まれそうでコワくなってやめた(笑) 石鹸やシャンプーは使っちゃいけないので注意。 |
それでも白浜から1時間半位で湯峰温泉着。『民宿やまね』さんにお世話になったが、奥さんがフレンドリーだし、温泉もあり、温泉を使った料理もありで、なかなかヒットな選択だったと思う。(^^)v
また、湯峰といえば、小栗判官も入ったという伝説の残る”つぼ湯”が有名。夕食後、雨も降って出歩く観光客のいないのをいいことに、つぼ湯を満喫した。乳白色でものすごく熱いけれど、その分かなり効きそうで、これなら本当に小栗判官も治癒したかもしれないなー、と思った。
[2日目] 熊野三山めぐり
《熊野本宮&大斎原》
朝、湯峰王子を見学。雨が降っていて足場も悪いし、月曜日で観光客も少ないので人気は全くなし。
湯峰から、後ろを追ってくる車もないまま、熊野本宮大社着。熊野三山の他の大社と違い、朱塗りじゃないのがかえって威厳を感じさせる。ひどく熱心に長いことお祈りしている人もいた。ただ、中には入れないので、基本的に社殿を眺めるだけしか出来ない。
宝物殿にも行ったけど、客は私のみ。みんな、あんまりこういうところには興味ないのだろーか?
この社殿は明治の洪水で流された後、別のところに再建されたもので、元の場所は十津川と音無川の中州の大斎原にあった。ということで、今の社殿から歩いて10分弱の大斎原へ。雨が降りまくる中で、わざわざ川の中州目指して見に行く酔狂な人は、やはり私の他には一家族5名のみ(笑)
写真だとよく分からないけど、実際に見てみると、こんな所によく社殿を建てたものだと思う(だって、中洲だよ)。でも、写真のもっと左の方で、何故かトラック2台が入り込んで何やらやっていた。何か作るのか、埋め立てでもするのか・・・?
《熊野速玉大社》
R168を一路新宮へ。箱根の山の中に近いような景色を通り抜けて、熊野速玉大社着。一組、お祓い?をしてもらっていたが、お祓いが始まったら土砂降りになった(笑)
新宮も、見た感じの印象はやっぱり普通の街だった。中上健次生育の家跡というのが地図に載っていたので、探してみたけど見つからず。適当に車を走らせていたら、めはり寿司の店を発見。めはりとは、俵形に握ったご飯を高菜でくるんだもののこと。酢飯じゃないから結構好きかも。食べてみたら、外側だけじゃなく、中にまで高菜が入っているのだった。
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| 『めはり屋』さんのめはり&豚汁セット。本当はめはりは4コだったけど、1つ食べてから撮影するのを思い出した(笑) 昼に4コ完食したので、夕食にまた2つ出てさすがにげんなり。 | 補陀洛山寺の渡海船。船に影が写っていたのでレタッチしたら、板の感じがヘンになってしもた(--) 実際に船出する際には、戸を釘付けにしてしまい、出られなくしていたらしい。 |
《補陀洛山寺》
紀伊勝浦まで走る途中の那智駅近くに、補陀洛山寺というお寺あり。前に「熊野三山・七つの謎」という本で、観音菩薩が住むという補陀洛山目指して船を漕ぎ出した人々の話を読んでから、とても興味があったのだ(しかし、ここも相変わらず人気なし(^^;))。境内に渡海船も置いてあるということだったのに見当たらず、お寺の人に訊いたら「天気が悪いのでしまってあるんですよ」とのこと。開けて見せてもらったが、こんなことを訊く人も珍しいのか「大学の先生ですか?」と聞かれる。「いえ、一般です」と私(爆)。
レプリカで、全ての船が同じ大きさではなかったわけだけど、展示してある渡海船は2〜3人乗ったらもう動けない位の狭さで、海の向こうの補陀洛へ、いわゆる死出の旅をする心境はいかばかりか、と思う。
《那智の滝》
紀伊勝浦駅で、Will Vi とさよならして、バスで今日の宿のある熊野那智大社の方へ。しかし、今日の宿・『美滝山荘』は関西の大学生の夏合宿の地と化していた。昨日の宿の方が数段良いような気がするけど、部屋から那智の滝が拝めるのはよいかも。
その那智の滝は、時折豪雨が襲ってくるようなすごい天候の為、水量も多くて豪快といえば豪快か(笑) 200円払うとお滝壷拝所という、滝壷まで覗きこめる場所に行けるのだけど、天気が天気だもんで、行く人ほとんどおらず、またしても独り占め状態(爆)
宿で、福島県の相馬から来た歴史の先生(やけにいろいろ詳しいと思ったんだよなー ^^;)2人組とお話。雨ばかりの中で熊野古道を歩いていたらしい。明日は伊勢志摩とか。いいなぁ。
[3日目] 那智大社とホテル浦島
《熊野那智大社》
昨日は滝しか見なかったので、今日は那智大社へ。470段の石段を登って汗みどろになる。他の二つの大社と違い、社殿の多くが拝殿の横に隠れて見えにくい。ここでも宝物殿に行くが、やはり客は私のみ(^_^;)。ここで、「熊野那智参詣曼荼羅」を購入。熊野参詣の様子や、補陀洛渡海をする人々などが描かれている。初穂料三千円也。
(この曼荼羅は、朝日新聞2月の日曜版の”名画日本史”でも紹介されたらしい。ウチは朝日じゃないので知らなかったけど、曼荼羅を購入したら、新聞もくれた)
当初の目的が達成され、満足して那智大社のすぐ横にある青岸渡寺へ。西国三十三観音の第一番札所である。しかし、何となくここで働く人が一番態度がよろしくなかったような気がする。
《ホテル浦島》
昼過ぎに紀伊勝浦駅に戻ったが、乗るつもりの特急が15時で時間が中途半端。そういえば忘帰洞(→大洞窟温泉)にも行ってみたかったのよねーと思いつつ、駅の熊野交通のバス案内所で訊いてみたら、歩いてすぐの勝浦港から忘帰洞のあるホテル浦島行きの船が10分おきくらいに出ているとのこと。5分位歩いて辿り着き、桟橋そばのホテル浦島案内所で温泉入浴券500円也を購入。船に乗せてくれて、おまけに手ぬぐいまで付けてくれて500円は安い!えらい!と心の中で思いっきり誉めてあげる(笑)
10分おきと言われた船は、1時間に3本だったけど、タイミングよく出発。5分程度でホテル浦島着(早過ぎるよ(^^;))。ホテルサンバレー那須の如き、一大レジャーパーク。一人位いなくなっても誰も分からないかもしれない(爆) 温泉施設は6ヶ所あり、これだけは外せない忘帰洞へ。期待が大きいとがっかりするものなのか、思っていたより普通だったけど、湯船に浸かりながら海風を受けられるのはとても気持ちが良かった。大洞窟の上部をセメントみたいので固めてあるのはご愛嬌?(まぁ、崩れてきたら困るもんね)
別棟に何故かジャングル風呂なんてものもあったけど、ただ熱帯植物の植えてある中にお風呂があるだけだった。ジャングルかぁ〜(笑)
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| 青岸渡寺の三重塔と那智の滝。三重塔は景色も良いと書いてあったので登ってみたけど、転落防止の為に金網が張り巡らされていて超期待外れ。騙された(爆) | ホテル浦島の忘帰洞。湯船は5つあって、よく写真で見る洞窟温泉は、この写真の場所の裏辺りにあり。写真右の湯船は外に向かって開けていて、一番気持ちよいところ。 |
そんなこんなで、一応目的を全部果たして帰路へ。
中上健次はあんまり追求できなかったけど、熊野三山を堪能できたので満足。今度来る時には、熊野古道を歩かねば(^_^;