KFi社長 木村剛 2004年5月19日講演 ソフトブレーンセミナー
1年9か月前、竹中と木村は日本を滅ぼすと言われた。
株が下がったときは「木村ショック」と言われたが、今こうして株が上がっても、誰も「木村リカバリー」とは言ってくれない。
デフレスパイラルを叫んでいた経済評論家、不良債権処理は国を滅ぼす・・そういっていた評論家、今は誰もいなくなった。
総需要が足りない。と言っていた人がたくさんいた。金利を下げろ、量的緩和、インフレターゲット・・ そういう人はいなくなった。そういう人達はなにもしなかった小泉さんに負けてしまった。
「ポジティブな諦め効果」が働いたといえる。小泉はやってくれないから、仕方ないからやるか・・という効果があった。
できることをやることが大切。理想論、できないことをやると必ず失敗する。
あるだけの陣容で最善を尽くすのが経営。
経営も政策も人生も思うようにはいかない。理想像のとおりになるのならば、誰も苦労しない。そんなのがあったら、とっくに日本は良くなっている。学者の理想論はすばらしい。でもどうやったらいいんですかという質問に答えられない。
すばらしいビジョンは語るけど、方法を語れない。予測はするけれど、どうやったらそうなるかは語れない。そういう人が多い。
私が7年前に会社を立ち上げた時、まちがっていたことがある。それは「正解がある」と思っていたことだ。
" エンロン事件でアーサーアンダーセンがつぶれた。
コンサルティングでは欧米のスーパーブランドであるKPMGからノウハウを導入して、日本流にローカライズすれば完璧と思い、日銀をやめて会社をつくった。だが、完璧だったビジネスモデルは1か月で破たんした。"
日本では誰もKPMGを誰も知らなかった・・
自分で経営をやってみなければ、経営はわからなかった。
大学で習った需要曲線は実際には引けない。
会社を興して2年は平均睡眠1時間だった。つづいたのはこの仕事に意味があると思っていたからだ。
自分の想像は無菌の実験室で実験するようなもの。現実はそうはいかない。
市場を作るのは、神ではなく企業である
企業が売れるものを作らなければ需要は発生しない。
市場調査が的中することはない
ウォークマンは「録音ボタンのないカセットが売れるわけがない」と、皆反対していた。
予測どおりに成功するケースは意外と少ない。
確実なもの、リスクのないものは必ず失敗する。
松井証券の社長は「10人中8人賛成するものは、間違っていると思った方がいい」と言っている。
松下幸之助、サムソンの代表は共にこう言っている
「経営は理論じゃなくて勘」
全人的な献身と信念がないかぎり、必要な努力も持続するはずがない
お金をもらって働いている人、お金を払って働いている人の違い
払って働いている人は24時間考える。
持続して努力することで勘が働く。持続する仕組みが必要(松下幸之助)
財務金融の人間に事業を理解してもらうのは不可能に近い
私も5年に1回、中期経営計画を作っているがやっていてあほらしい。半年経ったら全然違ってるんだから。ただ、銀行にはそうは言えないから、この通りになりますという(笑)
フランス女と市場調査ほど当てにならないモノはない(本田宗一郎)
変化の先頭にたたないかぎり、生き残ることはできない
方向性を当てればいいってものじゃない。時代より3歩先をいった人は必ず死ぬし、一歩遅れては儲からない。
先頭に立つ、後ろに人が付いてくるくらいの・・そういう人が儲かる。
経済的な成果は人間によって実現されるのである
事実を確認できる方法をもっておくことが大事。
理論から実績は導けない。
売れないのは市場が鈍いのではなく、あなたが鈍いのだ。
どのようにして正解にたどり着くかが大事
正解を当てること、探すことが大事ではない
日本の教育では answer oriented 正解が用意されていてそれを当てるものが多いが、経営はそうではない。
経営者は頭がいいことをひけらかして成功ではない。商売を成功させて成功である。
コンサルタントは失敗がない。自分の会社じゃないから。
私は50名の人を抱えているが、方程式通りに動く人はいない。ひとは勘定ではなく、感情で動いている。
ビジネスモデルでうまくいくわけがない。それはツール。
長嶋のバットをもらってもホームランは打てない。
日本は答えを求める人が多すぎる。
IT革命? よくなるわけないでしょ。道具なんだから。
成果主義。あたりまえ。なにをもって成果と定義するかだ。
成果主義は意味がないという本こそ、意味がない。
答えはみずから作り上げるしかない。プロセスを作るしかない。
意味があったのは、才能ではなく勇気
砂漠とオアシスの間に
1m幅の溝がある。
これは誰でも跳べる。
しかし、この溝が千尋の谷で落ちたら必ず死ぬ・・となると
頭が良すぎると 1mの溝が跳べなくなる。
将来はどうなるかわからないと腹をくくるいい加減さも必要と言わざるを得ない。
どこにリソースを投入するか、
やってみる、継続する、チェックする、やめる、つづける、現実の世の中ではこれしか成り立たない。
ビジネスモデルは後付けだ。
あとから見ると綺麗だが、初めからそれが見えていたことはない。
初めと結果は違っている。途中で変わっている。
ドンキホーテ安田社長
成功の秘訣に次の3つを挙げている。
夜のマーケットがあると踏んでいた。
圧縮陳列(積み上げ)によって探しにくくて、みつけにくい。これがエンターテインメント。これがお客様を惹きつけた。
"狭くて深い権限委譲。
個々のマネージャーが競い合う。個々のマネージャーが競い合う。"
だが、これは開業当初から思いついていたわけじゃない。
単なるラッキーだった
6畳1間の店「泥棒市場」として開店した。昼間は全然売れない。店に泊り込んで夜中に経理処理をしていた。灯りがついていたら酔客がまちがって入ってきた。もしかしていけるかな・・夜間営業を始めた。
夜の客には安いバッタモンしか売れないだろう。バッタモンは一気にたくさん入ってくる。置くとこないから積み上げた、売れた
そう言って聞かせても誰も理解できなかった。ならば、売れなかったらクビだと権限すべて与えた。そしたら皆頑張った。でも結局圧縮陳列にたどり着いた。
やるべきことをやるのが経営者。
筋のいい proccess oriented な経営をする。
所詮ITはツール。それをふまえて自分の組織にいかに使うか。