2000年3月定例会    個人質問(要旨)


介護保険について
大阪空港広域レールアクセスについて


    市議会議員    加柴優美

  ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表し通告に従い質問を行います。当局におかれては誠意ある答弁をお願いします。

  初めに介護保険についてうかがいます。

    4月からの制度発足を目前にして市職員のみなさんをはじめ介護に関係する人は多忙きわめる状況であり、その努力にあらためて敬意を表するものです。国による制度内容の具体化が大きく遅れる中で、本市も1年間という短い期間であわただしく介護保険事業計画を作成してきました。従前からの福祉サ−ビスを後退させず、だれもが安心して介護を受けることができる制度・内容に充実させていくことがいっそう強く求められています。こうした観点から以下数点にわたって質問を行います。

  第1は、実施のための諸準備すなわち申請の受け付け、認定審査、ケアプランの作成などを、4月1日の制度発足までに間に合せなければならないわけですが、実態はどうなっているかという点です。
 
この問題は昨日同様の質問がされましたので重複は避けますが、ケアプランの作成はほとんどが今からという状況だと聞いています。介護支援専門員(ケアマネ−ジャ−)は1人あたり40人から50人程度のケアプランを作成しなければなりませんが、かなりハ−ドな仕事だと聞いています。全体の中で具体的サ−ビスの調整も図っていかなければなりません。こうした中でのケアプラン作成のメドについて答弁を求めておきます。

  第2に、第1次判定にかかる問題点です。
昨日の本会議で、第1次判定結果が第2次判定によって介護度区分が変更になったのが2,215件中331件、率にして15%であるという答弁がありました。その内容は圧倒的に介護度区分が重い方向に変更となっています。その変更理由は「状態像の例」が半分をしめている、つまり「痴呆症」などの状態が第1次判定では反映されていないことを示しています。この問題に関しては、昨年から第1次判定のデ−タを現行のような施設介護のデ−タだけでなく、在宅介護のデ−タもいれたものにするなど、介護を必要とする人がその生活実態にみあうサ−ビスが受けられるよう、改善をおこなうことは急務だと指摘してきましたが、充分に改善されていないのではと思うのですがいかがでしょうか。

  第3に、市独自の低所得者対策をぜひ打ち出していただきたいという点です。
 
わが党はこれまで低所得者に対する負担軽減対策をとるよう繰り返し要求してきましたが、政府においても、国民の声に応えざるを得なくなり、一定期間保険料の凍結、利用料の減額措置など、法改正を伴わない特別対策が実施をされることになりました。しかしこの特別対策というのは1時的なものであり、要介護者の実態からしてもどうしても恒久的なものに制度を改革する必要があります。一方、現行の福祉施策に比べて特に低所得者層の負担が重くなることを懸念し、独自の各種負担軽減策を実施しようとする自治体が増えています。国の施策の不十分さをカバ−し安心できる介護保険としてスタ−トさせるかどうかは、実施主体としての伊丹市の姿勢が鋭く問われるものであります。
  
川崎市では生活保護基準以下の所得の世帯を対象に、一般財源で、利用料は全額、保険料は第1段階の半額程度を免除する方向を打ち出しています。徳島市では一般財源を投入して、1号被保険者の基準保険料3,559円を3,200円に引き下げています。本市においても保険料については、第1段階の住民税非課税かつ老齢福祉年金受給者、第2段階の住民税世帯非課税者に対する独自の軽減策を、「最低生活費には課税しない」という憲法第25条を根拠に実施するよう提案します。同時に第1段階、第2段階の被保険者の利用料の軽減策を講じるよう要望・提案します。当局の見解を求めておきます。
 
また「自立」と判定された高齢者の対策です。2月末現在で認定審査件数2,215件のうち自立と判定されたのは44件だと聞いています。最終的にはもう少し増えると考えられます。この「自立」と判定された高齢者に対し、市は在宅福祉サ−ビス利用者について1年間の経過措置対策をとる、また生活支援ヘルパ−制度を新設して支援するとしています。しかし、1年後はサ−ビスが受けられませんし、生活支援ヘルパ−制度は対象者が20人程度であります。これまでのサ−ビス水準を絶対に低下させない立場たち、「自立」と判定された高齢者すべてを支援するよう求めるものですが見解をうかがいます。

  第4に、サ−ビス基盤整備にかかわる問題です。
ショ−トスティについては、限度日数の拡大措置がはかられたこと、介護認定が要支援の場合は特別養護老人ホ−ムに入所できないためショ−トスティを希望する人が増加するなど、介護保険制度発足により必要量が増しています。中東部グロ−リアの23床が加わってショ−トスティのベッド数は合計91床となっていますが、これで充分なのかどうか伺っておきます。

 
次にディサ−ビスセンタ−の整備についてであります。現行では週1日の利用回数が圧倒的に多いのですが、介護保険がはじまれば週に2日は利用したいとする希望者が急増すると聞いています。また在宅サ−ビスの介護給付費の報酬単価が告示されましたが、身体介護が中心となる訪問介護は2時間でほぼ8,000円の費用となりますが、ディサ−ビスセンタ−つまり通所介護では、所要時間6時間から8時間未満の場合要介護3から5(併設型)で9240円です。金額的にさほど差がなければ、訪問介護よりディサ−ビスを希望する人が増えるわけです。こうした背景により現状ではディサ−ビスが不足する危険性もあるのではと考えますが、見解を求めておきます。

  第5に介護保険運営協議会の設置という点です
 
提案されている「介護保険条例」の第14条では、「介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、伊丹市福祉対策審議会に諮るものとする。」としています。しかし福祉対策審議会は文字通り高齢者、障害者、児童など福祉全般をあつかう審議会であります。したがって介護保険に関する施策の企画立案およびその実施が基本理念にのっとり、市民の意見を十分に反映しながら円滑かつ適切に行われるようにするためには、例えば介護保険運営協議会のような専門的に推進・見直しをはかっていく審議会の設置が必要だと考えますが、見解をうかがいます。

  次に大阪国際空港広域レ−ルアクセス(JR福知山線分岐線)構想について伺います。
この点についても過日の代表質問、個人質問で取り上げられ、市長の考え方や兵庫県の動向について答弁がありました。
  その点をふまえて第1には、レ−ルアクセスの需要について全体的、長期的にどう見るかであります。需要が増す直接的な要因は航空旅客数が飛躍的に増大することです。しかし現状の航空旅客数は年1,500万人を越えているといっても、関西国際空港が開港する以前のピ−クであった1992年、93年の国内旅客数1,800万には遠く達していません。しかも今後の予測にしても、@空港への新たなレ−ルアクセスとして大阪モノレ−ル・空港〜南茨木がすでに開通し、さらに堺方面まで延伸する計画であること。A関西国際空港の第2期工事、および神戸沖新空港建設にゴ−サインがだされ、近い将来関西圏の航空需要が分散しかねないことなど外的な様々な要因が加わって、大阪空港の利用客の増加には否定的に見ざるをえません。
   同時に、このことが最も重要なのですが、内的には大阪空港は、騒音対策・環境基準の達成にむけて不断の努力が求められている点です。すなわち環境基準の達成の視点から、航空機離発着を大幅に減便する必要があるわけで、これ以上の増便は許されないことなど、内的にも外的にもJR福知山線分岐線の需要は望めないと考えますが、見解をうかがうものです。  第3に、事業費と採算についてであります。当局はこのJR福知山線分岐線構想について、昨年3月議会や9月議会で「しかし当事業には地下方式など多額の資金を要することから、事業資金の捻出、経営主体の選定、需要の喚起など、課題が山積みしており、さらには今日の社会経済情勢からは、関係期間、団体であります国、JRあるいは大阪府等の協議や調整など困難性も予想されますし、本市の財政状況や推移も認識しております。」と繰り返し答弁されています。事実、JR猪名寺駅と伊丹駅の中間から地下で空港タ−ミナルに至るル−ト案では計画当時で概算事業費は800億円強と試算していますから、将来的には1,000億円を越える事業費となるでしょう。
   最近のJR線の新しい路線としてJR東西線があります。このJR東西線の建設事業費を調べると、最終的には3,000億円以上になっています。またJR東西線の整備主体および運営主体はどうなっているかといいますと、第3セクタ−である関西高速鉄道株式会社が片福連絡線を整備し、JR西日本がその施設を借り受けて運営するという手法をとっています。この関西高速鉄道株式会社は大阪府、大阪市、兵庫県、尼崎市の4つの地方公共団体とJR西日本をはじめ銀行や企業など民間団体が株主になり、資本金の出資割合は、民間団体が50%、大阪府22.5%、大阪市22.5%、兵庫県4%、尼崎市1%で、いわゆる地元である大阪府と大阪市が大きな負担をしています。
   このJR東西線の場合と単純には比較できないものの、JR福知山線分岐線はもとより伊丹駅地下駅、中間駅をつくるとなるとその建設費はほとんど地元負担になります。財政的な見通しが具体的にならない限りは、JR福知山線分岐線レ−ルアクセス計画は推進すべきでないと考えます。見解をうかがい第1回目の質問とします。