1999年12月議会
一般質問
市会議員
かしば優美
ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告にもとづいて質問を行います。当局におかれては誠意ある答弁をお願いいたします。
高度浄水処理事業について
まず初めに高度浄水処理事業についてであります。現在、市水道局において、高度浄水施設の導入計画がすすめられていることはご承知のとおりであります。その計画概要によると、「水道の水源水質は、産業公害の発生とともに悪化し、その後の公害規制、下水道整備などの水質保全対策によって改善をみているものの、かび臭などの異臭味の発生、トリハロメタン等の消毒副生成物、農薬をはじめとする微量有機化学物質の存在などにより水道水質への不満、不安が惹起(じゃっき)されるようになった」としています。そして「かび臭などの異臭味対策を進めてきたが、今日においても十分に除去・低減されていない状況にある」としています。このため、「主に淀川を水源とする水道事業体において高度浄水施設の導入がすすめられており、本市においても高度浄水施設導入の必要性およびその内容の検討をおこなうこととなったものである。」と計画するに至った背景を述べています。
伊丹市はこの計画にもとづき、1989年の高度浄水施設導入ガイドラインを参考に、91年度〜94年度に水源等の調査、高度浄水施設の方式の検討などを行い、96年度に水道水に対する市民の意識調査を行っており、97年度〜今年度(99年度)に実験プラントによる検討を行っています。
今後の予定として、今年度中に基本計画を策定し、2000年(平成12年度)に基本設計、2001年(平成13年度)に実施設計、2002年から建設工事、高度浄水給水は2005年(平成17年度)からとなっています。概算事業費は1994年度ベ−スで約100億円、高度浄水施設導入によって増加する給水単価は、一定の国庫補助や一般会計出資金を見込んで、1トンあたり30・8円と試算しています。以下これらにもとづいていくつか質問をおこないます。
第1には、水源環境の保全の可能性についてであります。従来の水道システムに高度浄水処理事業が導入される場合、まず第一に議論されなければならない課題は、水道水源の水質保全をどのように確保すべきかです。厚生省は1993年12月に35年ぶりに水質基準の大改定を行い、基準項目を大幅に増やしましたが、それは逆にいえばそれだけ項目を増やさなければならないほど水源の汚染がすすんでいるということです。
本市は淀川、猪名川、武庫川の三河川を水源にしていますが、各河川の上流および流域の下水道整備の促進、ゴルフ場等における農薬などの化学物質の使用制限をはかり、水源の水質保全が図られるべきでありますが、現状は水質基準の大改定を行なった1993年当時とくらべて好転しているのかどうかうかがうものです。
第2には、給排水システムとくに受水槽と水道管についてであります。浄水場で高度処理水をつくっても、給配水管で家庭の蛇口まで送る間に汚染や危険性があれば元も子もありません。高層マンションやビルへの給水は、自治体の条例等によって受水槽の設置が義務づけられています。10d以上の受水槽管理の監督や指導は水道法の規定で現在は水道局がおこなっていますが、10d未満の受水槽は使用者に維持・管理責任がまかされています。また受水槽の先は水道局の水ではなく、個人管理になっている高層マンションなどの高架水槽も問題です。
水道管についても、赤さびの発生の危険性がいわれています。このような受水槽や高架水槽、水道管の老朽化による汚染・危険性をどのように除去していくのかが高度浄水処理事業の展開にあたっては重要な課題だと考えますが、当局の見解をうかがうものです。
第3に、事業費と市民負担の問題です。高度浄水処理事業にかかわる費用は100億円と概算されています。高度処理施設整備工事のための企業債の元利償還および運転経費の増加は、独立採算制の下で、必然的に料金の値上げとして市民負担にはねかえってきます。
9月議会では、平成11年〜13年までの財政収支計画は示されていますが、それ以降は明らかにされていません。導入にともなう企業債の元利償還および運転経費、あるいは国庫補助などの財政措置がどうなるのか具体的に市民に示すことが今必要であると考えるものですがいかがでしょうか。
第4に、水道水質に対する市民の意識を把握し、新たな浄水処理方法を採用することについての市民合意の可能性についてであります。1996年に行った「水道水に対する市民意識調査」によれば、水道水の生水を飲まない、ほとんど飲まないが70%にものぼっています。水道水のおいしさについては、「不満」「どちらかといえば不満」が52.7%と半数を越えており、水道水に対して多少とも不安を持つ人は、62%あるという結果となっています。
他方、「高度浄水処理」という言葉を知らない人が62%あり、「新しい処理施設を取り入れた場合、平均的なご家庭で1ケ月の水道料金が500〜1000円程度増加するがどう考えますか」という問いに対して、「この程度なら値上がりしてもよい」と答えた人は31%しかありませんでした。逆に、「もう少しやすければ良い」が32%、「浄水器等の利用よりやすければ良い」と条件をつけている人が21%となっています。これは、「高度浄水処理」の導入をめぐっての市民意識が、必ずしも水道料金の上昇を安易に許していないことを示しています。
これらから言えることは、高度浄水処理水導入をめぐっての行政と市民のコミュニケ−ションのためには、この水の安全性に関する認識の段階から、より現実的な解決に向けての相互理解が要求されていることを意味します。すなわち、高度浄水処理水導入にあたっては、今後より具体的な情報提供と合意形成のための本格的な論議が必要ではないでしょうか。当局の見解をうかがっておきます。
「サッカーくじ」実施を前にしての問題点
次に「サッカ−くじ」についてであります。「サッカ−くじ」とはどのようなものかを簡単に説明しますと、Jリ−グ13試合を対象に、ホ−ムチ−ムの「勝ち」「負け」「引き分け」のいずれかを予想して投票するくじです。1口100円で1枚の申込券を購入でき、上限は100口(1万円)まで、すべてあたると「1等」、1試合だけ外すと「2等」、2試合外すと「3等」となります。払戻金(売上げ金の半分)は1等に70%、2等と3等に15%ずつ配分され、1口の最高払戻金は1億円といわれています。払戻金と経費を除いた売上金の一部を、スポ−ツ振興などに充てる予定とされ、年間売上げは1600億〜2200億円を見込んでいます。
また「サッカ−くじ」の構想が生まれてから、が現在までの経過を見てみますと、1992年1月Jリ−グ発足を機に日本オリンピック委員会(JOC)と日本体育協会が、選手強化などの財源確保を目的に自民党に要請しましたところから始まっています。翌93年5月のJリ−グ開幕で導入活動が活発化し、日本共産党を排除した「スポ−ツ議員連盟」を中心に何度も国会提出を試みたが、教育団体の反対などで見送りになりました。
1997年5月27日、衆議院本会議でスポ−ツ振興くじ(サッカ−くじ)法案を可決しましたが、参議院で反対意見が多く、結局継続審議になってしまいました。1998年5月参議院で可決後、サッカ−くじ法案(スポ−ツ振興投票実施法案)が12日衆議院本会議で、日本共産党は反対しましたが、自民党などの賛成多数で可決され、2000年に販売開始となりました。
98年11月文部省がコンビニエンスストアでの販売を見送る方向に決め、99年3月にはくじ導入を2001年春に延期を決めました。
来年の秋からテスト販売が実施されることになり、J1リ−グの試合を対象に、一部の地域に限定して行われることになっています。2001年3月のJ1リ−グ第一ステ−ジから本格販売を予定し、2002年からは、サッカ−くじによる収益が各スポ−ツ団体に配分されることになるとしています。
以上「サッカ−くじ」の導入の経過について述べましたが、これはJリ−グの健全なスポ−ツとしての発展をゆがめ、ギャンブル・スポ−ツに変質させかねないものです。そして、スポ−ツほんらいの文化的・教育的役割をゆがめ、青少年の人格形成やモラルの発達にも新たな障害をもちこむことになります。J1リ−グの13試合の「勝ち、負け、その他」を予想する「サッカ−くじ」は、スポ−ツにたいする見方について、「勝ち、負け」にこだわり、試合の結果のみ関心を傾ける風潮を助長し、スポ−ツをとおした人間の肉体と意志と知性のバランスのとれた発達をゆがめることになってきます。
さらに手軽に購入できる「サッカ−くじ」は、青少年を金銭をめぐる新たなトラブルにまきこみ、生活環境の悪化を招くことになります
。 くじを購入する場所として、チケットショップ、写真現像店、ガソリンスタンド、コ−ヒ−ショップ、私鉄の駅、シンタルビデオ店、信用金庫の一部、カ−用品店、携帯電話販売店、家電店、たばこ小売店、スポ−ツ用品店、酒販店などを想定し、対面販売ができて、深夜まで営業していない店が条件としています。全国で約1万5千店を想定し、人口規模や市町村別カバ−率などを考慮して決められることになっています。コンビニエンスストアは深夜営業の店が多い上に、19歳未満の者が販売員を努めることもあるため対象からはずされていますが、将来的には販売する可能性もあるとしています。しかしコンビニでの販売は中止したとはいえ、チケットショップ、コ−ヒ−ショップ、シンタルビデオ店などは中高生も大勢出入りしているのが事実であり、今後具体的な販売業種が決められてくるとしていますが、当局の考え方などを聞いておきます。
また19歳未満者への販売規制ができるのかという問題です。「販売構想」では、生年月日を記入したIDカ−ド(身分証明書)を発行するとしていますが、19歳未満の青少年が他人のカ−ドを使ったり、また貸しするおそれがあり、これではこれでは禁止条項も意味がないではないか、と心配する声があがっています。販売現場で、年齢確認の作業をどれほど徹底できるのかどうかも疑問です。
このようにサッカ−くじの実施計画が具体化されていくにつれ、スポ−ツのフェアプレ−精神を汚すだけでなく、ギャンブルで子どもたちを金まみれにし、青少年の非行の条件を新たに拡大するという、当初から指摘されていた危険な本質が明らかになっています。当局の受けとめと見解をお聞きするものです。