2001年9月議会個人質問要旨

上原秀樹議員

公文書公開条例について

情報公開が時代の流れになっている。

 情報公開とは、住民が行政の持っている情報・資料を共有すること。行政が事業をする場合には、政策の立案過程から情報を住民に公開し、行政と住民が同じ情報をもって事業について議論ができる。同時に事業の執行に関して、住民側にも発言に応じて責任が発生することにもなる。

 情報公開とはガラス張りの中で自治体の仕事が行なわれることであり、いずれ議論の過程も含めて、住民に政策決定過程がわかるという形で仕事をすることになる。

 したがって、行政と住民が程よい緊張関係の中で事業が進められていくということになるもの。

   国において「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」が4月に施行された。全国各自治体においても、この法律施行を契機にして、新たに条例を制定するところや、すでに条例を制定しているところでもより充実したものに改正しようとする動きが盛んになっている。

 情報公開条例の機能とは。

(住民の側)「知る権利」の具体化であり、自治体が行う政治に対して、主権者である住民が「参加」し、「監視」していくという機能。

(自治体の側)「説明する責任」の具体化。

 こういう立場から、「伊丹市公文書公開条例」を改めて時代の流れに即して、住民にとってより使いやすくするために、見直す必要があるのではないか。答弁を求める。

 そこで、条例を見直す上で、重要と思われる点に関して見解を求める。

1)第1条「目的」規定

  @「知る権利」を明記すること  情報公開条例は、「知る権利」の具体化として、住民に情報開示を請求する権利があることを定めるもので、住民は請求権を権利として行使し、行政は、それに対して開示の義務を負うことになるもの。この権利・義務の関係は、日本国憲法の「知る権利」に基づいていることをより明確にすることが必要である。

  A行政には「市民に説明する責務」があることを明記すること  国の法律にも明記された。先ほど述べた、「知る権利」との関係で行政の立場を明確にすること。

 2 2)第2条「定義」規定

  @実施機関すなわち公開の対象機関について、「外郭団体」を加えること  現条例の公開対象機関は、市長、選挙管理委員会、監査委員会、公平委員会、農業委員会、固定資産評価委員会、教育委員会、消防長、公営企業管理者および議会となっている。土地開発公社などの公社や、文化振興財団などの財団など、伊丹市が出資してつくられている法人等は、実際には行政の仕事をしている。税金の使われ方、財務からいえば行政と同じ。

  A公文書すなわち公開情報の範囲に、磁気テープなどの電子情報を加えること  

IT革命といわれる時代にあっては、パソコン等に蓄積された電子情報を加えることは時代の流れ。国の法律にも明記。

  B公文書すなわち公開情報の範囲の問題で、「決済、供覧等の手続きが終了し」を削除すること  国の法律でもこの要件は外れた。この要件があると、意思形成過程の情報はほとんど公文書扱いにされなくなる。結論だけが公文書として住民のところに出てくることになり、これでは住民と行政が情報を共有しながら事業を進めていくことにはならない。

 

3 3)文書管理の規定を設けること  情報公開は行政の説明責任の具体化。説明責任が果たせるような文書作成・管理が必要。合わせて視聴覚障害者等に対応した公開文書も必要。

 

4 4)第5条「公文書の公開を請求できるもの」の規定

  @現在の伊丹市の条例規定を改めて、「何人も」にすること  現在の伊丹市条例規定は、(1)市内に住所を有する者(2)市内に事務所又は事業所を有する個人および法人その他の団体(3)市内の事務所又は事業所に勤務する者(4)市内の学校に在学する者 (5)全各号に掲げるもののほか、実施機関が行う事務事業に利害関係を有するもの となっている。また第17条で、その他の請求者に対する公開の努力義務が規定されているが、インターネットでもアクセスできる時代であり、どこに住んでいようと請求できるようにすべき。

    まだまだ多くの改善すべきところはあると思うが、このような点はぜひ改正をしていくべきであると思う。当局の御所見を伺いたい。

  土地開発公社の健全化計画について

伊丹市の土地開発公社の現状は、2001年3月現在、

事業用地29,421.46u、帳簿価格で、10,527,531千円。

代替地 12,157.75u、帳簿価格で、 3,645,686千円。

合計  41,579.21u、帳簿価格で、14,173,217千円となっている。

その内5年以上の塩漬け土地が、

事業用地で帳簿価格、7,111百万円、67.5%を占め、

代替地では帳簿価格、3,488百万円、95.7%を占めている。

合計すれば、帳簿価格で、10,600百万円、公共用地全体の74.8%が塩漬け土地

地価の下落と利息が積み重なって、代替地の含み損だけで、大変な金額になると思われるが、一体経営状況はどうなっているのか。当局の見解を含めて伺いたい。  

 全国的なこの傾向は、政府がゼネコン型公共事業を進めるために、1972年の「公用地拡大の推進に関する法律」制定以来、開発公社の積極的な利用に関して数え切れないほどの「規制緩和」を行い、土地の買いあさりをあおり、開発公社をバブル経済の先兵として使ってきたことに原因がある。その責任は重大。この流れに伊丹市も乗ってきた。今後これらの公共用地を買い戻すために多額の資金を必要とし、市債の増大にもつながっていくもの。

 そこで政府は、土地開発公社の抜本的処理に乗り出してきた。政府は自らの責任には頬かむりし、「設立・出資団体の責任において健全化が図られるべきであるが、財政状況から独力では健全化の達成が困難と考えられる団体に対して地方財政措置を行う」とした。

 この要件は、@99年度末の保有土地簿価総額(長期借入金未償還額)を市の標準財政規模額で除した数値が0.5以上、伊丹市が0.55、A5年以上保有している土地簿価総額(長期保有の簿価)を、市の基準財政規模で除した数値が0.2以上、伊丹市が0.316。

 そこで伊丹市がこの健全化対策の対象になり、今年度から5年間の健全化計画を出された。しかしこの計画を見る限り、全くといってよいほど健全化にはならないのではないか。この計画は、今年度から5年間で、新規取得分を含めて事業用地72億4400万円を処分するとしている。処分先は伊丹市だから、その分市に負担がかかり、今度は伊丹市が借金をするということ。開発公社の借金は減っても伊丹市の借金は増える。政府は、その借金の利息分の2分の1について特別交付税で見るということに。焼け石に水ではないか。

 しかも今回策定の計画は、健全化計画とは名ばかりで、すでに事業実施3ヶ年計画にすでに乗せてある、都市計画道路や市・剣道整備、伊丹緑地などの計画。さらには神津保育所の隣地などは、処分するとなっているが、その事業計画が明らかとなっていないものも含まれている。

計画の最終年度、2005年度には、保有土地簿価総額(長期借入金未償還額)を市の標準財政規模額で除した数値が0.244となり、5年以上保有している土地簿価総額(長期保有の簿価)を、市の基準財政規模で除した数値が 0.118となる。数字上での改善はこのとおりだが、105億円の借金は残る。代替用地の含み損もそれほど減少するわけでもない。5年以上の塩漬け土地も40億円は残る。 

(今後の改善策は)情報の全面的公開と解決方針策定手続きへの住民参加が基本ではないか。

 1)事業用地の精査  現在事業用地とされている土地は、今後伊丹市の事業として実現可能な土地なのかどうか。市民の要求と関係なしに、無理やり買い戻すことは、もちろんできない。例えば神津保育所用地、旧・神津中学校用地などはいったいどうするのか。伊丹市の財政状況を考慮に入れ、早急に事業用地の見直しをすることが必要。

 2)代替用地の精査  政府の開発公社への規制緩和で、なんでも先行取得できるようにしたため、必要のないものまで取得し、それが現在まで取得したままとなっている。全体の95.75%が5年以上の塩漬け土地であることを見れば明らか。そもそも何のために取得したのか、当初の目的を明確にするべきである。市立市場駐車場の土地、北河原政木の土地など。民間への売却等も考慮に入れて。

 3)処分するまでの間、未利用地の一時利用の検討  有料での貸し出し(駐車場等)

 4)今後の先行取得へのチェック機関  岡山市では、「原則として土地取得以前に、将来事業化したときの所管常任委員会にはかる」というルールが厳守されている。伊丹でも何らかの形でのチェック機能が必要。

 当局の見解を伺う。

住民基本ネットワークシステム

1999年に改正された住民基本台帳法に基づいた住民基本ネットワークづくりは、地方自治情報センターが中心となって着々とすすめられている。この目的とされているのが、住民票の広域交付や転出入の簡素化というサービスの向上、あるいはネットワーク社会におけるネットワーク上での情報の交換や個人認証などは必然的なものであるといわれている。しかしどういった電子社会がつくられるのかという議論が十分なされないままに、とりあえずの「利便性向上」のための全国ネットワーク=総背番号が実施されることは危険。本人の意思に関係なく強制的に番号を付番して全国ネットワークで管理する、それを本人の意思にかかわりなく社会が利用していくことになるのでは。

 1)ネットワークは専用回線ではない。「IP−VPN」という仮想の専用回線で、既存の回線を専用回線と見立てて利用する方法。これが専用回線による厳重なセキュリティといえるのか疑問。

 2)各市町村が保有している住民記録システムとは別のシステムであり、連動は行ったとしても、既存システムと全国ネットワークとの両方を運用することになるのでは。さらに、阪神北部TIKIカードシステムでも専用回線で住民票の写しの交付を行うとされており、共通性をもとうとすれば大変な財政負担となるのではないか。3システムを同時に使うとなると業務量は膨大にならないか。これら3システムの関係はどうなるのか。

  この3システムのセキュリティはどうなっていくのか。

 当局の見解を伺う。