2001年3月議会 一般質問

39日 日本共産党伊丹市議会議員 上原秀樹

 

1、同和問題について

1)同和行政の終結、一般対策へのすみやかな移行を求める

総務省大臣官房地域改善対策室は1月26日、総務省自治行政局が召集・主催した全国都道府県企画担当課長会議で「今後の同和行政について」を発表・周知しました。その内容は、「平成13年度末に地対財特法の有効期限が到来することにより、特別対策の法令上の根拠がなくなることから、平成14年度以降同和地区の施策ニーズに対しては、他の地域と同様に、地域の状況や事業の必要性の的確な把握に努めた上で、所要の一般対策を講じていくことによって対応」することとしています。そしてその主な理由として、(1)特別対策は、本来時限的なもの。(2)特別対策をなお続けていくことは、差別解消に必ずしも有効でない。(3)同和地区・同和関係者に対象を限定した施策を続けることは事実上困難、の3点をあげています。

  また、これに先立つ昨年10月31日の全国地域改善対策主管課長会議

で総務庁佐藤地域改善対策室長は、先に述べた特別対策の終了とその理由を

述べた中で、「課題がある場合には、問題の原因を個別に探り対応すること

である。なお残る差別の感情、意識を行政による啓発だけで解消しようとす

ること、またお金をかければかけるほど効果があると考えるのは正しくない。

これまでの同和行政は民間運動団体の要望にどう対処するかという側面

が大きかったが、一般対策移行後はどのような施策が有効かを見極めていく

ものでなければならない」と述べています。

  来年度、地対財特法の有効期限が到来することに伴い、様々な自治体で

同和特別対策を終結させるところが生まれてきています。教育の分野では最

近、広島市同和教育研究協議会が解散を決定、昨年10月には和歌山県同和

教育研究協議会が解散、同和行政に関しても、兵庫県青垣町が昨年9月議会

で一般対策に移行することを町長が表明、東大阪市も同和行政を終結するこ

とを決めています。さらに京都府も終了することを議会で表明しました。

これらの地域はいずれもおよそ1年間議論を重ねた結果であります。

   わが党議員団はこれまで再三に渡って同和行政の終結、一般対策への移行を主張してきました。当局の答弁はいつも決まって、差別意識が解消されたとはいえないということを理由にしていますが、市民の意識を変えるのは行政の仕事ではないことは言うまでもなく、それこそ人権侵害の何物でもありません。

   市長は総務省の特別対策の継続は差別解消に有効ではないとの見解をどう受け止めているのか、来年度法期限の到来に伴い、いまから同和行政の終結に向けた議論を始めるべきであると思いますが市長の見解を伺うものです。

 2)伊丹市同和対策協議会について

   私は昨年の9月議会で伊丹市同和対策協議会が行った「部落差別の実態を把握するための調査」について質問しました。その際、なぜその設置において「提言を行う」としたのか、なぜ協議会が独自に決議をして調査をすることになったのかを質しました。その時の答弁で、平成2年の伊丹市同和対策審議会答申で、具体的な事業の進捗状況を効率的・機能的にチェックする機関によって、同和対策事業の円滑な実施を期待し、協議会設置を答申に付言したものであること、その答申を受けて平成3年に要綱をもって設置され、所掌事項に「提言を行う」としたこと、平成9年に答申の補足的施策を提言するため、協議会が調査を実施することを決議したことが述べられました。

   しかし地方自治法第138条の4第3項では、「普通地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより、執行機関の付属機関として自治紛争調停委員、審査会、審議会、調査会その他の調停、審査、諮問又は調査のための機関をおくことができる」とされ、付属機関の設置は必ず法律又は条例によらなければならないとされています。このことは、伊丹市同和対策協議会が、地方自治法第138条の4第3項に反して要綱によって設置されたこと、さらに、その協議会が答申の補足的施策を提言するため調査をすることを決議するなど全く法律を逸脱したやり方であります。

   「ぎょうせい」が出版しています「実務地方自治講座」によりますと、地方自治法第138条の4第3項の趣旨は、@地方行政に住民の意志を反映させることA行政の科学化の観点から専門的な知識、技術を導入することB公正な行政執行を図ることにあるとされています。この条項を無視して、市民と議会が知らないところで調査・提言を行うことを決め、しかも総務省が終結を言っている同和行政をあくまでも継続しようとするやり方は、「市民が主役」どころか全く逆の立場であります。この点に関しての市長の見解を伺うものです。

 

2、JR伊丹東地区大型ショッピングセンター出店について

   現在JR伊丹駅東に出店予定の大型ショッピングセンターに関しましては、伊丹市が再開発地区計画を立案中のことであります。今後市民に対し縦覧に布され、都市計画審議会で決定、環境アセス、商業影響調査等の検討が行なわれながら、大店立地法の申請・審議となる予定です。この問題では数度にわたって質問をしてきましたが、再度いままでの当局の答弁を踏まえて質問をしたいと思います。

 

 1)伊丹市の地域経済に与える影響

   そこでまず、森靖男日本福祉大学教授の分析を借りて、地元商店街と大型店の経済効果の違いについての見解をうかがいます。同教授によりますと、1ヵ月に100万円が小売店に使われたと仮定して、商店街地域の場合、大阪の商店街調査では1ヶ月3から4回転お金がその地域で回転していた調査結果から、平均4回転として、地域において400万円の経済効果があるとしています。その内半分が流出したとしても年間2400万円の効果があることになります。一方大型店の場合、同じ100万円が使われたとしてもそのお金は地域で回転する事はなく、95万円が本部・本店に回り、固定資産税や地域のパート賃金として5万円の効果しかないとされています。同じく4回転したとして、1ヵ月20万円、その内半分が流出すると年間120万円の経済効果しかないことになります。すなわち大型店の場合、地域の商店街の20分の1しか経済効果はありません。このことは全国の郊外型大型店が出店した場合、大型店に競合する店舗がなくても地域の商店街が衰退している根拠ともなるものと思います。

   伊丹市の小売業における商品年間販売額は、1997年の商業統計表によりますと、1,818億円となっています。もちろん現存する大型店も含んでいますが、その内仮に100億円が新しい大型店に移ったとしたら、年間2400億円の経済効果が120億円に減少することになります。1,818億円の内の100億円はわずかかもしれませんが、経済効果を考えると大変な違いが生まれることになります。

また、約460億円の市内流出を防ぐことになるといいますが、その半分200億円がこの大型店に移るとしても地域の商店街でないことには変わりなく、同じ計算によりますとその効果は240億円に過ぎず、経済効果はわずかしか増加しません。

さらに、大型店の利用者などが市内で回遊することによる経済効果を見込んでおられますが、53,000uの店舗面積をもち、買い物も娯楽もすべてこの大型店で完結できる施設から果たしてどれだけの人が歩いて回遊していただけるものか大いに疑問であります。

結局この大型店の出店は、市長が考えるような効果はほとんどなく、逆に地域経済を冷え込ませ、地域の商店街をつぶし、高齢者・障害者にとって住みにくいまちにしてしまうのではないでしょうか。市長の見解を伺うものです。

 

 

 2)協議型まちづくりとしての「再開発地区計画」を生かす方法 

   昨年12月議会で関係住民・市民との協議の場を設定することに関して質問をしました。答弁でその方法として、「伊丹市地区計画等の案の作成手続きに関する条例」により、都市計画案の縦覧の際に意見書を提出できること、さらに、大店立地法による説明会、環境アセスに対する住民意見の聴取、事業者による説明会などを上げられました。これは従来の地区計画に関する方法と大店立地法によるものだけであります。

   通常の開発の場合は、開発申請による開発基準に基づく許可と、建築基準法に基づく建築確認を行えばよかったものが、今回の再開発地区計画による開発は、開発事業者による計画が、行政との協議によって、行政が責任を負う計画として成立する方法であります。したがってその過程において住民参加と情報公開が重要な問題として浮上してくるのではないかと思います。1988年にできたばかりのこの再開発地区計画制度では、協議の過程での手続きがあいまいなままであるといえます。特に今回の開発は、地元住民にとっては環境が大きく変わるとともに、伊丹市の今後のまちづくりに大きな影響を与える開発であります。現在市民にとっても議会にとってもどんな協議がなされ、何が問題となっているのかさっぱりわかりません。出てきたときには計画書として完成され、縦覧に対する意見しか市民には権利がありません。代店立地法の申請がされるとほとんどそのままの計画が進行することとなります。

   従って市民の大きな感心であるこのような開発の場合、再開発地区計画が作成される過程で、伊丹市と事業者、さらには市民も入ってその公益性が確保されなければなりせん。さらに協議型まちづくりを展開していく場合にはその交渉過程の内容を市民に明確にしておくこと、すなわち交渉の透明性を確保することが必要であります。

   市長は「市民が主役」という立場で、従来型の地区計画、開発とは異なるこれらの点を理解していただき、以上の2つの点で実行していただきたいと思うのですが、その見解を伺うものです。