2001年3月議会 議案質疑
2001年3月1日 日本共産党 上原秀樹
議案第15号「伊丹市平成13年度一般会計予算」について
2001年度の予算編成の特徴は、4月の市長選挙を控えていることで、義務的経費や経常的経費に加えて、継続的に取り組んでいる事業や市民生活に密着し停滞が許されない経費等を盛り込んだいわゆる骨格予算としたこと。
当初予算の規模は対前年比マイナス3.8%の607億円、新規の政策的経費に当てる一般財源は4億円の予備費。
市民をとりまく情勢については、日本経済が深刻な不況のもとにあり、「景気は緩やかに改善」という政府の評価とは裏腹に、失業率は4.8%と最悪の水準に達し、昨年の倒産は19,000件に増大し、負債総額は約24兆円と戦後の記録を大きく更新したことに見られるとおり、最悪の状況に。
小渕内閣以来の2年半にわたって、政府は「景気対策優先」といってゼネコン向けの公共事業のばらまきや、70兆円の公的資金による銀行支援、大企業・高額所得者への大幅減税、リストラ支援など、大企業を応援する経済政策を一貫して続けてきた。その結果、政府の「ミニ経済白書」も認めている通り、リストラによって企業の収益は増えても、国民の所得は増えなかった。社会保障の相次ぐ改悪による負担増や、将来不安との相俟って、GDPの6割を占める個人消費が低下することによって、景気が一層後退するという事態となっている。森内閣が始めて編成した来年度予算は、こうしたゆきづまりを相変わらず続けようとするものであり、未来の明るい展望を国民に示すものではない。
来年度予算に当たっては、このような政治・経済状況のもとで、市民のくらしと福祉を守ることに全力をつくすことが求められている。
次の点に限って質疑をしたい。
1、歳入
1)第1款 市税について
個人市民税 前年予算対比2%減 92億7,373万2千円
法人市民税 前年予算対比14.8%増 22億4,945万1千円
これら個人・法人市民税の見通しは、現在の伊丹市における市民、企業、零細業者の状況を反映したものとなっていると思うが、市長はそれぞれのくらし・経営状況をどのようにとらえての予算なのか。市長は市民のくらしをどのように捉えているのか。
2)第2款 地方譲与税 第2項 航空機燃料譲与税
対前年予算比マイナス5千万円の6億5千万円。1998年には8億1,991万円で、対前年比約2億9千万円増となって以来、毎年減少している。当時増となった原因を当局は、その状況と何がどのように変わってきているのか。
3)第8款 地方交付税 第19款 市債の内、第6目 臨時財政対策債
普通地方交付税 対前年予算比マイナス6億円、決算見込み比マイナス5億円で、予算額56億円
臨時財政対策債 7億5千万円
政府の「地方財政対策」では、来年度の通常収支不足は10兆6,000億円となり、史上最高となっている。本来このような巨額の財源不足が生じた場合、現行地方交付税法では、第6条の3第2項で、法定5税の交付税総額が、地方自治体が必要とする交付税総額と引き続き著しく異なる場合には、交付税率の引き上げか、制度の改正を行なうこととなっている。しかし政府は、通常収支の不足分は、地方債の増発や交付税特別会計の借入金で補填するという、その場限りの方法で対処してきた。
2001年度から3年間は、「国と地方の責任分担の明確化を図るため」との名目で、財源不足のうち、財源対策債などをのぞいた残余については国と地方が折半をし、国負担分については一般会計からの繰り入れにより負担する一方、地方負担分については、これまでの地方交付税特別会計の借入金で補填する方法から、その全額を「臨時財政対策債」(赤字地方債)で補填する方法に変えられた。すなわち、地方財政全体の財源不足を自治体に振り分け、それぞれの自治体の借金で担わせようとするもの。但し来年度のみは国負担、地方負担とも財源不足の2分の1は交付税特別会計借入金によって補填するとしている。
そこでこれら政府の交付税対策に関して次の点で見解を伺う。
@地方交付税法第6条の3第2項の趣旨は、その全額を国の責任で補填するというものであり、今回取られる方法は法の趣旨に反するのではないか。
Aその償還額を全額後年度基準財政需要額に参入するとしているが、そのこと事態は自治体にとっては必要なことではあるが、本来一般財源である交付税の将来の一定額を元利償還という特定の使途に当てることも大きな問題があるのではないか。
Bそのことによって将来その部分が財源不足に加算されることになり、悪循環の繰り返しになるのではないか。
Cこれまで基準財政需要額に参入されていた経常経費や投資的経費が、臨時財政対策債に振り返る措置が取られているのではないか。
4)第14款 財産収入の内、第2項 財産売払収入 第1目 不動産売払収入の私有地売払収入 8億7,151万円
学校給食センター跡地の売り払いについて
場所的に福祉施設である、老人福祉施設「グローリア」と北保育所があるところ。将来的に福祉ゾーンとして充実すべき。そこで少子高齢社会に向けて、必要とされる施策の点から土地売り払いについてうかがいたい。
たとえば、特別養護老人ホームの待機者数は、80名から100名程度といわれているが、党議員団の調査によると昨年10月現在、重複する部分もあるが各施設合計すると293名となっている。2002年度には、中央地先での新規法人による施設建設などによって105床の増床となり、2002年度のサービス見込み量は達成することとなるが、現在の待機者数から見るならば、見込み量を大幅に上回ることになる。
保育所にしても、待機者は昨年9月現在296名であり、来年度の増築などによって90人の定数増となるが、今後益々増える傾向にある。
障害者福祉施設にしても、居住施設の建設など需要は増えている。
このように施設建設の必要性は増大する中で、それぞれの計画を改めて見直すならば、土地の確保は欠かせないもの。今回の土地の売り払いは、このような状況を考慮しているのか。
議案第32号「伊丹市水道事業会計予算」について
資本的収入及び支出 支出第1款資本的支出 第2項建設改良費 第2目改良事業費の内、高度浄水施設実施設計委託料 2億3,416万円
高度浄水処理施設に関してはこれまで議会でも種種議論されてきたところ。今回実施設計委託料が計上されるに当たり、いくつかの点で質疑をしておきたい。
1)カビ臭やカルキ臭等異臭味の問題解決、トリハロメタンや農薬など微量有機化学物質
の問題、さらにはクリプトスポリジウムという塩素に強い原虫、ダイオキシン環境ホルモンなどの新しい水質問題に対応するため、オゾン処理と粒状活性炭の注入を行なうとされている。その際の副生成物に関しても検査結果によって問題なしとされている。
オゾン処理による副生成物で、臭素酸に関して調査結果では、「臭素酸イオンについては粒状活性炭処理では除去されず、滞留塔出口の残留オゾン濃度を0.2mg/Lとなるようにオゾン注入率を設定することにより0.01mg/L以下に制御でき問題はない」とされている。日本には基準が設定されておらず、欧米の基準値0.01mg/Lに適合していることから問題なしとされているが、世界保健機構によれば発ガン機構のマルチ・ステージモデルを用いた発ガンリスクの計算ではかなり高いリスクを持つ物質であるとしているが、問題はないのか。
2)粒状活性炭処理に関して。活性炭には飽和吸着量があり、それ以上の量を吸収することはできないという特徴がある。処理水中の有機物質をある濃度以下に保ちつづけるためには、飽和吸着に達した活性炭を再生するか、新しい活性炭と取り替える必要がある。基本計画では再生するとなっているが、再生した場合吸着量が減少することとなる。新しい活性炭と取り替える場合とでは費用の面でどのくらい差があるのか。
3)費用と市民負担の問題。全体の費用が85億円で、国庫補助金が29億6,900万円の基準単価に対して3分の1で9億8,900万円、一般会計出資金37億5,900万円、自己資金37億6,000万円となっている。この結果給水原価の増加額が約23円/立方メートルとなり、前回改定された原価と合わせて、約150円/立方メートルになる。一般家庭では約額約500円の水道料金の値上げ。
1998年の市民アンケートで、500円から1000円程度の値上げについて、31%がこの程度なら賛成、もう少し安ければが32%、条件付が21%。基本計画が策定され、具体的な金額が広報で市民に知らされたが、その反応はどうか。
一般家庭で約25%の値上げとなる。アンケートでは、全体として安全な水を望む意見は多いが、必ずしも25%の値上げでもとの市民意識にはないのではないか。特に通常の生活を営む一般家庭と生業を営む零細業者には負担は重い。その部分の負担軽減を考えているのかどうか。