(2000.6月議会 6月20日 本会議)
(伊丹市議会議員の定数を32名とする) 議員提出議案第5号「伊丹市議会議員定数条例の制定について」に対する質疑(要旨)
日本共産党伊丹市議会議員 上原秀樹
1996年の議員定数削減を求める請願以来三度にわたって議論を積み重ねてきた。これら議員定数に関する伊丹市議会での議論の経過はいずれも民意を反映させる点で議員定数の削減には問題ありとして、36名の現行定数が望ましいとした。
一方、議会に対する市民からの不満は多く、「議会が何をしているかわからない」などの意見には謙虚に耳を傾け、前期議会では任意の議会改革検討委員会で、今期からは議会の議決による特別委員会としての議会改革検討委員会で率直に議会改革の提案をそれぞれが出し合い検討を行ってきた。同時に、議員定数の議論も行い、これらの議論を経て本日、日本共産党以外の会派の代表者によって議員定数条例が提出された。先ほどの提案説明の通り。
そこで改めて提案された議員定数に関して質疑を行いたい。
今回の条例提案は、地方分権一括法によって地方自治法が改正されたことに伴うもの。その改正内容は-----従来の法定数を定めることはやめ、法律で定められた上限数以内で、地方自治体自らが条例で決めることになったこと。日本共産党は、現行の法定定数は基本的には戦後直後の地方自治法制定以来変わっておらず、その後の人口増加や自治体の機能の多面化を考慮すれば定数を削減しなければならない理由はなく、この改正によって上限数を設定することで、法律で定数を削減することには反対であること。現行法定定数を標準値として示すこととし、自治体が「増も減も」含めて条例で自主的に決めるようにすることを提案した。
一方伊丹市議会では、市民の声に応えるため、まず自ら議会改革を行うべきとの考え方で、本市議会の中に特別委員会を設置し、市民に開かれた議会にするために様々な議論がなされ、一定の成果を納めつつあることは大いに歓迎すべきことであり、党議員団としても積極的に提案を行い、今後引き続き改革を進めていきたい。
議員定数に関しては、その特別委員会で議論されたことを踏まえ、今回議員定数を条例で定めることとなったが、議員定数を何人にするのかは、これまでの議論の上に立って、地方分権にふさわしい議会とすることとともに、市民の声を最大限反映できる定数にすることが、議会制民主主義を守るべく議会人にとって求められている。
質疑
上限数34人ではなく、32名とした根拠について。
1、議会の役割(憲法、地方自治法)から見て
現在36名の議員に対して、市民がそれぞれの考えを託している。それが32名になれば当然民意がその分だけ削られるということにならないか。
議会は、憲法第93条第1項により各自治体に設置される議事機関であります。議事機関とは、多数人の合議によって団体の意思を決定する機関であること、すなわち、議決機関であり、執行機関に対応する意味で用いられるものであります。
同時に議会は、憲法第93条第2項の規定により、住民の直接選挙によるものであり、住民代表機関としての性格を持っています。すなわち、議会の意思は住民の意思とみなされるのであって、それだけに議会には住民の意思を反映させ、統合・調整する機能が求められています。
一方、首長の直接選挙、住民による直接請求など、住民意思は法的にも多様なル−トで反映されるのであり、議会が唯一住民を代表する機関ではありません。では、議会にはどのような代表機能が期待されているのでしょうか。
いうまでもなく議会は多種多様な住民意思を反映する複数の議員からなる合議体であります。したがって、議会に求められているのは、討論を通じて多様な住民の意思を反映し、それを統合・調整して自治体の意思を形成することにあります。あわせてそれによって執行部を監視することにもなります。また、個々の議員を通じて執行部に対し、住民の部分的意思を伝え、同時に執行機関を批判・監視していくことも大いに期待されているといえましょう。
このような重要な役割を持つ議会の議員定数を削減することは、憲法と地方自治法によって保証された民主主義制度を揺るがす問題であるとともに、この制度によって期待された多種多様な住民の意思を反映し、統合・調整して自治体の意思を形成することという点で欠陥を生じることになります。また地域代表的性格や少数意見の排除につながるものとして、逆に議会の本来持つべき機能を低下させることになるものであと考えるものでありますが、これら憲法と地方自治法の規定を踏まえ、上限数34ではなく32名とした根拠を伺うものであります。
2、地方分権における地方議会の役割の重大性という見地
現在地方分権に関してさまざまな角度から議論がなされ、地方分権一括法として成立しました。私は地方分権推進本部発行の「地方分権参考資料V」の、「地方分権と地方議会」の項目から、重要と思われる部分を抜粋し見解を伺いたいと思います。
・多様化する住民のニ−ズに応えるためにも、国の後見的監督のもとから脱却し、地方公共団体の自己決定と自己責任の原則のもとでの地方行政の推進されることを基本とした分権型社会を確立することが不可欠であること。
・分権社会においては、地域の行政は地域のなかで監督されることが基本であり、その意味からも地域住民を代表する地方議会の責任と役割が重大になっている。
・機関委任事務制度の廃止に伴い、法定受託事務とするものを除き、原則として自治事務とされることとされ、このことによって、
自治事務はすべて議会の権限がおよび、法定受託事務も検閲・検査、監査請求、調査証言請求など執行機関に対するチェック機能及び説明請求、意見陳述など、地方議会の権限が原則として及ぶこととなりその権限が強化される。
すなわち、地方分権の推進、分権社会の構築にあたっては、議会の限が強化されることが期待され、そのための改善が提起されているのであります。
この見地からすれば、地方自治法の改正によって上限数が決定されたが、議会の機能に期待されている、多種多様な住民の意思を反映し、統合・調整して自治体の意思を形成することという役割が、議員定数削減により低下し、そのことが地方分権社会において果たさなければならない議会の役割にも大きな支障をきたすと考えるものです。本来地方分権に対応するならば、現行地方自治法の元では34人とすることが望ましいと思いますが、32見とした根拠を伺うものです。