200012月 上原秀樹一 般質問骨子

1 地域経済活性化のための緊急対策を

 日本における中小企業は、全企業数の99%を占め、生産、流通、サービスの各分野で大きな役割を果たしているだけでなく、勤労者の78%が中小企業で働いているように、雇用の重要な担い手にもなっています。まさしく日本経済や社会を土台で支えているとともに、地域においてもその地域社会、地域経済を支えていることはいうまでもありません。

 しかし、いまその中小企業がかつてない危機にさらされ、大多数が赤字経営に陥り、これまで例を見ない高水準の倒産・廃業が続いています。10月の倒産件数も、民間信用調査会社の発表によると、1,655件に達し、前年同月比で17.7%と増加、戦後6番目の高水準に達しています。また、10月までの累計は、15,838件で、すでに昨年1年間の件数15,460件を上回っています。産業別では、建設業が依然厳しく、10月の倒産は550件で、全産業の3分の1に達しています。

 このように中小企業にとって厳しい状況の中で、全国の各自治体は様々な工夫を凝らし、中小業者の経営を直接支える、地域経済活性化のための緊急対策を講じてきています。

 たとえば埼玉県深谷市では、市内経済の活性化のために、小規模事業者の受注機会の拡大を図るため、市又は事業者の手続き等の負担が比較的軽易でかつ実効性が見込める制度として「小規模修繕契約希望者登録制度」を採用しています。

 この制度は、指名参加資格審査申請をしていない小規模な事業者を対象に、契約金額が50万円以下の小規模な修繕について契約を希望するものを登録し、各公共施設において修繕を要する箇所が生じた場合は、各公共施設の担当者は登録者名簿の中から優先して2社以上を選定し、簡易な仕様書又は図面等により見積書を提出してもらい、もっとも有利な条件を提示したものを契約の相手側として決定するものであります。

また明石市では、「産業活性化緊急支援事業」を採用し、市民が所有し居住する住宅を修繕、補修などする場合に、工事費用の1割(最高助成額10万円)を市が助成するというものであります。助成条件は@工事費用が20万円以上(消費税は含まない)A市内に事業所(本社、支店)がある施行業者を利用するB対象になる工事は、住宅の修繕、補修などのほか、外壁塗り替え、フェンス設置、駐車場の設置、補修などC申し込みの結果、当選後に着手し、来年3月末までに完了する工事となっています。

伊丹市でもこのような緊急地域経済活性化対策を講じるべきではないでしょうか。特にいま、住宅耐震診断が始まり、その結果によっては修繕の必要な住宅がでてくることはまちがいありません。その時、金額は別として、明石市のような助成制度を採用すれば、耐震化工事そのものを推進することができるとともに、市内の建設業の活性化にも結びつくものであります。同時に、耐震化工事は金額が高額になることもあり、国・県の助成制度創設を求めることも必要であります。

当局の見解を伺うものであります。

 

2、大型小売店出店計画について

1 JR伊丹東地区大型ショッピングセンター出店計画について

この地域の大型店出店計画に関しては再開発地区計画として伊丹市が都市計画決定をすることになりました。この再開発地区計画制度とは、工場跡地などの未利用地について、必要な公共施設の整備を伴いつつ、一体的に再開発することによって土地の高度利用と都市機能更新を図ることを目的にした都市計画制度であります。さらにこの制度は、個々の開発がその土地柄に見合った形で、周辺地域の課題やニーズに対応しつつ、また公共性と事業成立生成とのバランスを取りながら、周辺地域への適切な環境対策が取れる範囲であれば、都市計画に定められた用途、容積率などの制限内容の変更が可能であるというものであります。このことから「条件付都市計画」「土地柄都市計画」とも呼ばれています。そして、用途、容積率などの制限内容の変更は、単に制限緩和をすることではなく、その開発のまちづくりへの貢献要素を正当に評価し、その優良制や妥当性に鑑みて、より詳細な制限内容にすることとされています。

もともとこの大型ショッピングセンター出店計画に関しては、地元住民の環境悪化の危惧や商店街への影響など様々な不安の声が出ているところです。また、このような郊外型の大型店の出店は、中心市街地の空洞化につながるという問題があり、実際、阪急伊丹駅前のジャスコ・セントラルプラザの撤退がすでに行なわれていることから、この出店で空洞化に拍車をかけることにもなります。伊丹市のまちづくりに計り知れない影響を与える開発計画であることは間違いありません。このような状況のもとで、先ほど述べました再開発地区計画制度の趣旨を考慮するならば、伊丹市が都市計画を定めるに当たって、改めて関係住民、すなわち周辺住民や商業者、消費者などの意見を反映させる場を持つ必要があるのではないかと思うところです。

その方法としては、伊丹市当局が計画案を策定した段階で関係住民と協議する場を設定すること、あるいは都市計画審議会に臨時委員として関係住民を公募によって募集し、参加していただくことなどであります。政府のほうでは規制緩和によって大型店の出店を促しながらも、全国各地では「協議型まちづくり」が主流となりつつあります。伊丹市の将来のまちづくりを住民と共に協議すること、すなわち「協働」のまちづくりは必要な課題であると思いますが、当局の見解を伺うものです。

 

3)大店立地法のもとでの規制条例制定について

  これまでの大店法の相次ぐ規制緩和の中で、全国的に郊外型大型店の出店によって、中心市街地が空洞化され、お年寄りや障害者などの社会的弱者にとって住みにくいまちが広がっています。6月に大店立地法が施行されましたが、その施行に当たって、このままでは住みよいまちづくりが破壊されてしまうとの懸念のもとに、いくつかの自治体で、独自の条例などが制定され始めています。そのいずれもが、商業調整には触れないで、住みよい住環境を守るという観点であります。

  日本共産党議員団は、その一つであります、東京・杉並区の「特定商業施設の出店及び営業に伴う住宅地に係る環境に関する条例」を視察しましたので、紹介しながら伊丹市での独自の条例制定を求めるものであります。

  杉並区では、ドン・キホーテなどの大型店の出店が相次ぎましたが、その特徴は郊外型であることと深夜営業型であることにあります。条例の制定の契機となったのは、このような大型店の出店に対して、商業者だけではなく、周辺住民の環境が悪くなるということから、消費者からも問題視する声が出始めていたことです。具体的な経過は様々ですが、時間の関係で省略し、ここでは条例の特徴について紹介したいと思います。

  その第1は、特定商業施設の範囲を小売店、飲食店、ゲームセンターやパチンコ店などとし、規制の対象となる店舗面積を500平方メートル以上にしたことです。しかも深夜営業の施設は300平方メートルにしています。

  第2には、新規出店施設だけではなく、既存施設も規制の対象に含まれるということです。

  第3には、近隣住民が理解できる説明会を義務付けたことです。「計画の届出から2ヶ月以内に説明会で周知を図る」こと「十分理解を得られるよう務めなければならない」と出店者に努力義務を課しています。

  第4には、近隣住民から求めがあれば、協定を結ぶ義務を事業者に課しています。

  第5には、計画の届出や説明会の深い際、協定の締結を拒む、協定の内容に違反する、協議しても改善が見られないなどに対して、必要な措置を区長が勧告することになっています。そして、その勧告に従わないときは、従うまで新規出店の延期、既存施設は営業の停止を求めることができるものとなっています。

  総じてこの条例は、説明会を含め、近隣の住民や商店主と事業者が対等な立場で協議でき、ルールをつくっていく場を保障したもので、非常に重要な意義をもったものです。本来まちづくりはここから始まるのもであると思います。当局の説明では、建設省や東京都からの干渉が予想されたが、大店立地法に違反しない範囲の条例を研究したこともあり、区長の断固とした立場でこれらの干渉は跳ね返しているとのことです。

  市民との協働のまちづくりを進めることを総合計画で定めた伊丹市として、是非このようなまちづくり条例を制定すべきであると思いますが、当局の見解を伺うものであります。

 

3、伊丹市例規集について

1)「者」という表現を改めること。

 伊丹市の例規集をみますと、「‐‐‐‐する者は」という表現が使われています。これは憲法などの公的文書にも普通に使われていますが、改めて「者」という表現について調べてみました。『広辞苑』では、「人」という意味も載っていますが、『大辞林』では、「『人』に比べて卑下したり軽視したりするような場合に用いられることが多い」とされています。また、『古語辞典』という日本語の歴史に詳しい辞書によりますと、「社会で一人前の人格的存在であることを表現するヒトに対して、ヒト以下の存在であるモノとして軽視あるいは卑下した場合に使う表現」と書いてあります。

 もともと法律の成り立ちが、国民・住民を統治するためにつくったことに起因するのかもしれませんが、いまや国民主権、住民自治の時代であります。この「者」という表現を今後改めていく必要があると思いますが、当局の見解を伺うものです。

2)伊丹市ホームページに例規集を

  いまや市民にとって、自治体の重要な情報源となっているのが自治体のホームページです。伊丹市でも昨年11月開設以来、19万回以上のアクセスとなっています。当局も様々な工夫をされていることと思います。

  今後市民が主人公として積極的に市政に参画する上で、例規集をホームページで公開するすることが必要と思いますが、当局の見解をうかがうものです。