2009年9月伊丹市議会

日本共産党伊丹市会議員団

上原ひでき議員の個人質問要旨

質 問 項 目

1、改めて「住宅リフォ−ム助成制度」創設を求める

 「住宅リフォーム助制制度」に関する補正予算質疑の中で、当局は「個人財産形成に対する直接補助の是非や特定業種のみが対象となる」こと等により、制度創設の考えはないと答弁された。しかし、全国でこの制度が広がり、内閣府地域活性化推進担当室が推奨する事業としてこの事業を掲げている。そこで次の見解を問う。

 @当局の補正予算質疑に対する答弁は、具体的にどんな認識からなされたのか。

 A地域建設業者の倒産が急増しているものと、伊丹市としてどんな支援をするのか。

2、伊丹市における公契約に関して

 2007年9月議会で伊丹市の公契約のあり方について質問をした。その後の検討経過について伺う。

 1)公契約条例の制定を求めたことについて、その検討内容。

 2)公共工事設計労務単価のありかた。

3、市立伊丹病院における医療費の患者自己負担金未収対策について

 「貧困と格差」が広がる中で、医療から遠ざけられる「患者になれない病人」が増加している。患者自己負担金が未収となる背景にも、「生活困窮者」の急増で「医療費を払う資力がない」(厚生労働省)人が増えていることがある。

 1)「医療機関の未収金問題に関する報告書」(厚生労働省、08年7月10日)に基づく、市立伊丹病院の対応について。

 2)私立伊丹病院が「無料定額診療事業」の実施主体となることへの見解。

質 問 要 旨

1.改めて「住宅リフォーム助成制度」創設を求める

 「地域活性化・経済対策臨時交付金」に関する一般会計補正予算質疑の中で、党議員団の久村議員が「住宅リフォーム補助制度」を創設することに対する見解を求めました。これに対する答弁は、「個人財産形成に対する直接補助の是非や特定業種のみが対象となり、単に単年度限りの補助での不公平感があるなど課題が多々あるものと考える」として、制度創設の考えはないという趣旨でした。

 一方、全国商工新聞の調査によりますと、今年511日現在、19都道府県の83自治体でこの制度が実施されています。しかも、国の「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」に関する内閣府地域活性化推進担当室の「活用事例集」には、「住宅リフォーム補助事業」が掲載されています。その事例集では、「平成21年度補正予算における地域活性化・経済危機対策臨時交付金について、各地方団体における有効活用の参考に資するために作成したものである」とし、その第1部の中で「平成20年度第2次補正予算の活用事例について、内閣府から各都道府県に紹介し、各都道府県の推奨事例としてご提案いただいた中から抜粋したもの」として「住宅リフォーム補助制度」があげられているのです。

 兵庫県内で実施されている明石市では、バブル崩壊後の2000年度から5年間、市単独事業としてこの制度を導入しました。この間、約1070世帯が利用、助成額は約9100万円で、工事総額が約141000万円に上り、経済効果は15倍以上です。そして今年の3月議会に同制度が復活し、1000万円の予算で募集したところ応募が多く、さらに6月議会で1000万円の増額補正を行なっています。

そこで次の点をお伺いしますが、答弁は、紹介したような政府がこの制度を「推奨事例」としたこと、並びに全国の自治体の取り組み状況を踏まえて答弁をお願いしたいと思います。

@ 当局の「個人財産形成に対する直接補助の是非や特定業種のみが対象となり、単に単年度限りの補助での不公平感があるなど課題が多々ある」という認識は、具体的にどのようなところから生まれるのでしょうか。

A これまでの自・公政権による構造改革と世界的な不況の中であらゆる中小企業・業者は大変な困難を抱えています。とりわけ建設業においては、公共事業の縮小や受注競争の激化に加えて金融危機の影響等で、地域建設業者の倒産の急増となって現れ、地域経済に深刻な影響をもたらしています。

  伊丹市としては、入札制度の改善で、学校の耐震化工事等を市内業者が受注する機会を広げるなどの取り組みは行なってこられていますが、地域建設業者全体に対してはどのような支援が必要とお考えでしょうか。

2.伊丹市における公契約に関して(079月議会の質問から)

 伊丹市の公契約のあり方については、2年前の9月議会で質問をしました。その内容は、政府が進めてきた構造改革のもとで公共サービスの市場化、民営化が進められ、安上がりの公共サービスのもとで委託事業に働く労働者の賃金が劣悪となり、自治体自身がワーキングプアをつくりだしている実態を挙げ、これを改善するために、公契約条例の制定等を求めたものでした。

 そこで今回は、2年前の質問後の当局の検討経過を次の点に絞って伺うことを中心にして、以下の点で質問をします。

 1)公契約条例の制定を求めたことについて

 当時の答弁では、伊丹市として「公共工事の留意事項」を作成して、労働条件の改善や労働災害の防止等労働条件の確保について啓発・指導していることなどを述べられ、今後国の動向を見守りながら、先進と至当の事例を調査・研究していきたいとのことでした。

 一方、千葉県・野田市においてはこの9月議会に、市が発注する公共工事や業務委託に従事する労働者の適正な賃金を確保すること等を目的とした公契約条例案が提案されています。野田市は、国が公契約に関する法律の整備の重要性を認識し、先導的にこの問題に取り組んでいく決意のもとに条例案を提案したとのことです。この事例も参考にしながら、伊丹市として現在どのような認識をされているのでしょうか。

2)公共工事設計労務単価について

 先に述べたとおり、公共工事を現場で支える中小の建設業者の経営はますます厳しくなっているのが実態です。特に公共工事設計労務単価が毎年引き下げられているもとで、地域の下請け建設業者がいかに苦境に立たされているかという問題があります。

 設計労務単価は、毎年10月に実施した公共事業労務調査に基づいて翌年4月からの労務単価を設定しています。半年前の市場の実勢調査をもとに設定するこの方式は、賃金低下が続いている今日においては、翌年の「労務単価」を引き下げ、予定価格をも引き下げる結果を生み出しています。低価格受注の傾向が強い市場においては、元請業者は下請け業者との契約額を引き下げることで利益を確保しようとして、下請け業者のもとで働く現場労働者の賃金は前年以下に引き下げられ、そのことが実勢調査に反映して翌年の「労務単価」を引き下げるという悪循環が生まれる構造を作り出しています。

 熟練技能を備えた建設労働者の存在と後継者の育成は、国民に対して安全で良質な公共構造物を提供することを保障することであり、地域の住環境を整備し、地域住民の安心と安全、生活の利便性を確保するとともに、地域のものづくり経済を発展させることにもなるものです。

 そのためにも現行の「労務単価」設定方式の悪循環を断ち切り、建設労働者の適正な生活費と技能評価を基準とした設計方式に切り替え、適正な予定価格を積算すべきと考えますが、見解を伺います。

3.市立伊丹病院における医療費の患者自己負担金未収金に関する対策について

 「貧困と格差」が拡大する中で、医療から遠ざけられる「患者になれない病人」が増加しており、厚生労働省の調査でも「病人率」と「患者率」が年々乖離し、医療機関を受診する患者数は減少しているとされています。国際的に見ても医療費自己負担は無料が流れとなっており、日本の医療費自己負担3割というのは、公的医療保険のないアメリカを除いて最も高いことが明らかとなっています。こういう中で、「生活困窮者」も安心して医療にかかれる制度が求められています。

 この問題では、市立伊丹病院の患者自己負担金未収金問題に関連して、今年の3月議会で国民健康保険事業における負担軽減策について質問をしました。今回は、市立伊丹病院自身の「生活困窮者」に対する対応についてお伺いしたいと思います。

1)「医療機関の未収金問題に関する報告書」(厚生労働省、2008710日)より

 2008年度決算報告書によりますと、市立伊丹病院における患者自己負担金の未収金は、1億402万9千円で、2006年度の7,551万7千円と比べて2,851万1千円、37.8%の増となっています。

厚生労働省の「医療機関の未収金問題に関する報告書」によっても、全国的に3,270病院で1年間に219億円の未収金が生じていることを指摘し、その主な理由として未収となる患者は「生活に困っており、医療保険の自己負担分の医療費を支払う資力はない」などと述べています。

その上で「報告書」は、医療費未収金対策として、「生活困窮者」については、国保の一部負担金減免、生活保護の適正な運用などの各種制度の活用について、被保険者、患者に対して「十分な情報提供ときめ細かな相談対応ができるようにすべき」との基本的考え方を示しています。伊丹病院でもこの取り組みが求められています。

そこで市立伊丹病院として患者負担金の未収金についてどう分析されているのか。さらに、その対応として、「生活困窮者」に対して「報告書」に示されている対応策、すなわち国保一部負担金減免や国保資格証明書に対する対応、生活保護の適正な運用等他の制度の情報提供と相談をどのようにさているのでしょうか。お伺いします。

 2)市立伊丹病院が「無料低額診療事業」の実施主体となることについて

さらに同「報告書」では、無料低額診療事業の紹介についても提言しています。無料低額診療事業とは、社会福祉法第2条第3項第9号の規定に基づき、「生活困窮者」が経済的理由によって必要な医療を受ける機会を制限されることのないように、無料または低額な料金で診療を行なう事業であり、第2種社会福祉事業として位置づけられています。その対象者は、低所得者、要保護者、ホームレス、DV被害者、人身取引被害者などの生活困難な人たちです。

この事業は、「貧困と格差」が広がり、今までの「構造改革」で社会保障のセーフティネットが壊される中で、その確立が国民的な課題となっており、医療の面から「生活困窮者」を支援する制度として期待が高まっているものです。

なお、社会福祉法第69条は、「国及び都道府県以外のものは、第2種社会福祉事業を開始したときは、事業開始の日から1月以内に、……都道府県知事に……届けなければならない」と定められており、この実施主体として自治体病院を除外する規定にはなっていません。

そこで、地域住民の医療を守るという自治体病院の設立使命を果たすためにも、市立伊丹病院がこの事業の実施主体となることも視野に入れるべきではないかと考えるところですが、見解を伺います。