2009年9月伊丹市議会

日本共産党伊丹市会議員団

かしば優美議員の個人質問要旨

質 問 項 目

1、大阪空港の安全問題−相次ぐ空港の滑走路誤進入トラブルに関して

(1)「申し入れ」に対する航空局の対応について

 空港周辺自治体・住民を代表しての「申し入れ」であり、文書による回答を求めるべきではないか。

(2)空港管制業務を含む抜本的な安全対策を

 ・2年前に発生したトラブルの教訓は生かされたのか

 ・管制官の業務負荷を軽減するための要員体制の強化を

2、地域医療体制の充実を−県立塚口病院の統廃合問題

(1)阪神間における塚口病院の役割についてどのように認識されているのか。

(2)混迷深める県の対応についてどのように認識されているのか。

 2005年以降、「成育医療、地域周産期母子センター、小児救急医療の中核的役割をはたす」と塚口病院を位置づけながら、2008年には尼崎病院との再編統合を発表するという“迷走”ぶり。

(3)「統合・再編検討委員会」での審議内容について

(4)伊丹市は、塚口病院の存続を県に求めるべき

  ―地域の医療崩壊を食いとめ、医療のいっそうの充実こそ最優先課題―

質 問 要 旨

1、大阪空港の安全問題―相次ぐ航空機の滑走路誤進入トラブルに関連して

(1)「申し入れ」にたいする航空局の対応について

7月23日に発生した航空機の滑走路誤進入という重大なインシデントに対し、大阪国際空港周辺都市対策協議会(11市協)は藤原保幸会長名で「航空の安全確保について」の申し入れを国土交通省大阪航空局大阪国際空港長宛に行いました。以前からさまざまなトラブルの発生時には申し入れをされていますが、文書による回答はないとのこと。「空港周辺の自治体、住民を代表しての申し入れ」であり、文書による回答を求めるべきだと考えますが見解をうかがいます

(2)航空管制業務を含む抜本的な安全対策を求める

  大阪空港における航空機の滑走路誤侵入は特に2007年以降顕著になっています。今年の3月20日には全日空機が滑走路に誤侵入し、着陸しようとしていた日航機が着陸をやり直すトラブルが発生。その2日後にはA滑走路に点検車両がいたにもかかわらず、日本エアコミュ−タ−機が進入するという考えられない事態が起こりました。また7月23日には、JALエクスプレス機がA滑走路に進入、同滑走路にはすでに日本エアコミュ−タ−機が着陸態勢に入っており、着陸をやり直すという事態が起こりました。なによりも航空の安全安心の確保は最重要課題であり、一連の事態は航空の安全性を揺るがすもので絶対に見過ごすことはできないものです。

  国土交通省は07年10月に、直近で発生した二件の管制トラブルに関する調査の中間報告を行っています。その中で直ちに実施、検討すべき事項として、@使用滑走路に関する交信の使用用語の改善、A交信の内容の確認、B飛行場管制官と地上管制官の連携の強化を示しました。その中で「飛行場管制官の業務量が多いことに対応し、少なくとも朝夕の混雑時間帯に飛行場管制官を支援する要員上の体制の強化を早い時期につくりあげることが必要」と指摘しています。こうした調査結果と提言にもとづいておのおの改善が行われたのかどうか、また隣接管制機関との調整に関して、「複雑な運用の下での大阪国際空港の混雑状況を考慮した隣接管制機関の運用について改善の可能性を検討。」と指摘しましたが、具体的に検討・改善ができたのかについてもお聞きしておきます。

  しかし最初に紹介したように今年に入っても同様の重大インシデントが繰り返されています。7月23日の誤進入の発生について、読売新聞は「管制官は当時9機の離陸着機を担当しており、注意が散漫になっていた可能性もある。」と報道していましたが、(飛行場)管制官の業務が過重であることは明らかです。伊丹市は、「滑走路状態表示灯システムの早期導入」とともに、管制官の業務負荷を軽減するため空港の抜本的要員体制の強化を国に求めるべきです。見解をうかがっておきます。

2、地域医療体制の充実を−県立塚口病院の統廃合問題

(1)阪神間における塚口病院の役割

  兵庫県は、「新行財政構造改革推進方策」の中で県立病院の再編・ネットワ−ク化の推進をかかげその中で、「尼崎病院と塚口病院の統合再編は、平成24年度を概ねの目途として、小児医療、周産期医療等の充実に必要な機能をはじめ、両病院の有する診療機能の再編の具体案、そのために必要な施設・設備等の整備や、統合再編後の既存施設の利活用等について、別途外部委員会を設置し、今年度前半までをめどに検討」としています。こうした動きに対して、昨年8月、地元尼崎市民を中心に「県立塚口病院の存続と充実を求める会」が結成され、各方面への要請や署名行動などに積極的に取り組んでいます。

  県立塚口病院は阪急電車「塚口駅」から南へ徒歩10分のところに位置し、稼動病床数は300、13前後の診療科を持ち、年間の入院・外来患者数は約25万7千人(2007年度、ちなみに市立伊丹病院の場合約32万人)の尼崎市と阪神北部の地域医療の総合・中核病院となっています。救急車からの搬送は年間1千件以上、開業医や民間病院から搬送される重症・重篤の患者を受け入れ、二次、三次の高度医療を行っています。また阪神間の小児医療、周産期母子医療センタ−として大きな役割を担っており、ご承知のように阪神北広域子ども急病センタ−の後送病院としてたいへんお世話になっているところです。当局は県立塚口病院の果たしている役割についてどのように認識されていますか伺っておきます。

(2)混迷深める県の対応について

  塚口病院は、今から7年前には「民間に委譲する」との動きもありましたが、2005年2月に井戸敏三知事のもとで「県立病院の基本的な方向」が策定されました。ここでは県立塚口病院について「今後、政策医療を中心に提供する県立病院として、少子化時代において子どもの健やかな育成を図るため、妊娠から出産、小児、思春期をへて成人への発達、そして妊娠というサイクルに関わる総合的、継続的な医療である『成育医療』を県立こども病院等との連携により提供することとし、その中で思春期特有の疾患に対する医療や若年者の高血圧、糖尿病などの生活習慣病にも対応する。また阪神地域において、小児救急医療への需要が高いことをふまえ、NICU(新生児集中治療室)の整備等により、『地域周産期母子医療センタ−』としての機能を果たすとともに、阪神地域における小児救急医療の中核的な役割をはたす」と、県立塚口病院の役割と位置づけを公表しています。そしてその政策決定にもとづき、改修整備に約2億4千万円の巨費を投じて、2007年4月から特徴ある地域医療の拠点として再出発したと聞いています。

  ところが、こうした経過や経緯があったにもかかわらず、県は「新行財政構造改革推進方策」を策定し県立塚口病院の廃止と尼崎病院との再編統合を発表しました。その際きちんとした県民・市民への説明がされていないとの指摘が多くあります。朝令暮改的な県の対応が多くの混乱をもたらしていると思いますが、市当局の見解を求めます。

(3)「統合・再編委員会」での審議内容について

 今回、塚口病院と尼崎病院の統合・再編については、別途学識経験者、医療関係者、地元関係者等で構成する「統合再編検討委員会」で協議されており、今日までに4回の協議が行われていると聞いています。この検討委員会に地元関係者として中田病院事業管理者が出席されています。審議内容等についてはHP上でも公開されていますが、どのような方向性がうち出されようとしているのかおうかがいします。

(4)伊丹市は、塚口病院の存続を求めるべき

  総務省の公立病院改革ガイドラインでは、公立病院改革の3つの視点として、「経営効率化」「再編・ネットワ−ク化」「経営形態の見直し」を掲げています。こうした国の動向の中、兵庫県の作成した「新行革プラン」は、塚口病院の尼崎病院への再編・統合等を行い、経費の削減と県の一般会計からの繰り入れを大幅に減らし、2016年度(平成28年度)には病院事業全体の当期純損益の黒字化を目的としたものです。しかし県の方策はあまりにも県民・周辺住民不在のやり方ではないでしょうか。仮に年間25万人以上の患者を受け持つ塚口病院がなくなれば、尼崎市はもちろん阪神間の(地域)医療や小児医療、周産期母子医療等に重大な影響をもたらすことは明らかです。地域の医療崩壊をくいとめ、医療のいっそうの充実をめざすためには、塚口病院の存続を県に求めるべきであります。当局の見解をうかがい一回目の質問とします。