2009年伊丹市議会 6月議会

専決議案に対する質疑・討論(6月10日)

日本共産党伊丹市議会議員 上原ひでき

「報告第2号 地方自治法第179条の規定による専決処分報告」に対する質疑

1.専決第9号 市税条例及び都市計画税に関する条例の一部を改正することについて

 本条例改正は、衆議院本会議での再決議を経て、3月27日「地方税法の一部を改正する法律案」が可決成立し、4月1日から施行されることにともない、3月31日付で専決処分されたものです。

1)地方自治法第179条では、「普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる」とされており、報告では「議会を召集する時間的余裕がなかった」ことを専決処分の理由として挙げておられます。

 そこで、今回市長が本条例改正を専決処分するにあたって、地方自治法でいう「議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」という認識するに至った経過について、平たく言えば本当に議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであったのか、お伺いします。

2)第1条 市税条例の改正について

 @ 「附則第11条から第13条」、固定資産税及び都市計画税特例、すなわち土地にかかる負担調整措置の継続について

 2009年は、3年ごとの固定資産の評価替えの年にあたります。今年は、2008年1月の公示価格をもとに評価額がきめられ、課税標準額決定されています。

 今回の法改正では、一つには土地の「負担調整措置」が継続されたことです。1994年に固定資産税評価額を公示価格の7割まで引き上げたとき、急激な税額の増加を是正するための経過措置として設けられたものです。二つには、評価額の据え置き年度にも、評価額を下落修正できる特例措置を継続したこと。三つには、条例による商業地にかかる固定資産税・都市計画税の減額制度を継続したこと。四つには、新たに、商業地及び住宅地で、税負担が大幅に増額になる土地について、条例で課税額の上昇を1.1倍まで抑えることができる制度が設けられたことです。

 本条例改正においても、2009年度から2011年度において、「負担調整措置」が継続されました。

 そこで質問の第1は、負担調整措置の継続によって、前年度の課税標準額と今年度の評価額の割合である負担水準によって今年度の課税標準がきめられていますが、今年度の税負担に関して、小規模住宅地と商業地等それぞれ負担増、据え置き、負担減の割合はどうなったのでしょうか。

 第2に、商業地にかかる条例減額制度の継続と、商業地等及び住宅地における新たな条例減額制度に関しては、伊丹市では条例改正していません。そのお考えについて伺います。

 第3に、この負担調整措置という制度は、納税者にとって極めて分かりにくい制度であり、市民の中で今回うちの負担水準が何パーセントになったから固定資産税の金額は納得できると理解される人が一体何人おられるでしょうか。租税法律主義の重要な要請の一つであります課税要件明確の原則に違反する現在の事態に対して、どのようにお考えなのかお伺いします。さらに、生活費非課税の原則から見れば生存権的財産には課税すべきではないと考えます。固定資産税の場合、控除方式ではなく免税点方式であり、しかもその金額は、課税標準となるべき額が土地にあっては30万円、家屋にあっては20万円ときわめて低いという問題があります。この点でのお考えについてお伺いします。

A「附則第17条」、土地等の長期譲渡に係る1000万円の特別控除の創設について

 2009年及び2010年の2年間に取得する土地について、5年を越えて所有した上で譲渡をした場合、1000万円を控除する制度が創設されました。

 この税制改正も、一定の経済効果を意図したものと思われますが、どのような経済効果が期待されているのでしょうか、お伺いします。

2)第3条 市税条例の改正について

 @「附則第1条並びに第2条第5項以下」、上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する軽減税率の延長について

本条例改正は、上場株式等の配当所得及び譲渡所得に対する税率が、本則では所得税と住民税の合計20%を、10%に軽減する措置をさらに3年間延長するものです。この件に関しては、「大資産家優遇」という批判もあり、昨年の改定で、2009年1月1日から、配当は100万円以下部分、譲渡益は500万円以下部分のみを10%の軽減税率とし、2011年1月からは本則20%に戻すとしていましたが、本改定で復活・延長となったものです。

 質問の第1は、「大資産家優遇」との批判がありながら、なぜ今回復活をしたのか。第2に、伊丹市における影響についてお伺いします。

2.専決第21号 一般職の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について

 本条例は、5月1日の人事院勧告に準拠し、条例附則に第17項を加え、6月の期末・勤勉手当に関して、一般職では従前2.15ヶ月を0.2ヶ月凍結して1.95ヶ月に、再任用職員では従前1.1ヶ月を0.1ヶ月凍結して1.0ヶ月とするものです。

 第1の問題は、伊丹市当局が準拠した今回の人事院勧告は、国家公務員の夏季一時金を削減する異例で唐突な特例措置の勧告であったことです。その調査内容は、きわめて短時間に春闘で妥結した大企業を中心とした340社、すなわち妥結は今回調査回答2017社の企業割合で13.5%、従業員割合で19.7%に過ぎない水準調査に基づく勧告の強行であり、人事院勧告で自ら、「正確性等の不確定要素がある」「改定状況は変動する可能性がある」と認めているように、正確性・妥当性を疑問視せざるをえないものであることです。

 第2に、今回の勧告が、わずかな大企業を中心とした調査結果によるものであるが、いま大企業はその内部留保金を約230兆円溜め込む一方、大規模な派遣切り・期間工切りを行ない、正規社員に対しても賃金を抑制するという、財界の総人件費抑制・雇用破壊のもとで行われたものであることです。この勧告に準拠することは、市職員のみならず、関連労働者にも連動し、一層の内需の冷え込みをつくり出し、地域経済に大きな影響を及ぼし、賃金削減のサイクル、悪循環をつくることになるものです。

 第3に、伊丹市職員は、この間、行財政運営改善計画によって職員を大幅に削減されたことで、市民の多面的な要求に応えるために、深夜までの残業も含めて長時間・過密労働を余儀なくされているとともに、この間給与も大幅にカットされている問題です。その上に新型インフルエンザの対応に終われて神経もすり減らしています。このような状況の中で異例の人事院勧告に準拠することは、職員の生活に深刻な影響をもたらし、職員の士気高揚等勤務状況に悪影響を与えることになります。

 以上3点にわたって、人事院勧告に準拠して夏季一時金を削減することに重大な疑義があるとするものですが、見解を伺います。

 

2回目の発言の趣旨

1.固定資産税について

 1)負担調整措置の継続は、今まで一定固定資産税評価額の急激な変化に対応してきたこともあり、公示価格の7割に評価額が設定されながらも、例えば小規模住宅の場合、負担水準が80%であっても固定資産税が据え置かれるなど、その役割は現在では評価できる。しかしバブル崩壊以後の地価の下落の中でも固定資産税は上昇を続けるという矛盾があり、市民にとっては理解しがたい制度でもあったことは確か。

固定資産税は、応益負担による財産税といわれている。しかし生存権的財産である土地・家屋の場合、所有していることで収益はない。売却して初めて収益がある場合があり、そのときには譲渡益として課税される。小規模住宅地には固定資産税で通常の6分の1、都市計画税で3分の1という優遇措置があるとしても、生存的財産には税金をかけない措置をとるために、免税点方式を控除方式に改めるとともに、その金額も引き上げることなどの措置が必要ではないか。あわせて小規模な事業用資産にも負担軽減措置の特例をつくることも必要。

2.上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する軽減税率の延長について

 この軽減税率に関しては、2003年から本則20%を10%に軽減してきたもので、当初5年間の時限措置として導入されました。もともと期限到来とともに廃止するという政府税調答申があったにもかかわらず、日本経団連からの要請で1年間延長され、今回また延長となるものです。

 上場株式等の配当、譲渡所得への軽減税率の制度は、個人資産の「貯蓄から投資へ」が課題だとして、株式市場の低迷や金融機関の不良債権問題に対応するものとして時限措置としてつくられました。

 しかし、「貯蓄から投資へ」といっていたのが、小泉内閣以来の構造改革によって格差と貧困が広がり、2000年には10%台だった貯蓄ゼロ世帯はいまや25%となっている。一方、派遣切りを率先してやっている企業が配当を増やし、金融市場では、一部の投資家によって実体経済とかけ離れた莫大な取引が行なわれ、国民生活にも重大な悪影響を及ぼしています。

 国税庁の申告所得標本調査では、国内の年間所得100億円以上の所得者は10人で、これらの人の所得は、上場株式等の配当・譲渡益が6分の5と推定されており、試算すると一人当たり15.4億円が減税されることになります。

 まったくの金持ち優遇税制であり、廃止すべき。さらに分離課税ではなく累進課税である総合課税にすべきと考えるが、見解を伺う。

3.一般職の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について

現在組合と夏季一時金の交渉は続いているが、0.2ヶ月の凍結だけに関して試算しても一人平均7万円、全体で約1億円の削減ということになる。この金額は財源ということから行けば大きいが、職員の生活、モチベーションということから見れば与える影響は大きい。

「人は城」というが、その城を切り崩す1億円になるのではないか。地域経済に与える影響は大きい。
 

専決第21号 一般職の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定に対する反対討論

 専決第21号「一般職の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定」に対して反対の立場から意見を述べます。

 本条例は、5月1日の人事院勧告に準拠し、条例附則に第17項を加え、6月の期末・勤勉手当に関して、一般職では従前2.15ヶ月を0.2ヶ月凍結して1.95ヶ月に、再任用職員では従前1.1ヶ月を0.1ヶ月凍結して1.0ヶ月とするものです。

 第1の問題は、伊丹市当局が準拠した今回の人事院勧告は、国家公務員の夏季一時金を削減する異例で唐突な特例措置の勧告であったことです。その調査内容は、きわめて短時間に春闘で妥結した大企業を中心とした極めて少数の水準調査に基づく勧告の強行であり、人事院勧告でさえ、自ら正確性・妥当性を疑問視せざるをえないものであることです。

 第2に、今回の勧告が、財界の総人件費抑制・雇用破壊のもとで行われたものであることです。この勧告に準拠することは、市職員のみならず、関連労働者にも連動し、一層の内需の冷え込みをつくり出し、地域経済に大きな影響を及ぼし、賃金削減のサイクル、悪循環をつくることになります。

 第3に、伊丹市職員は、この間、職員を大幅に削減されたもとで、市民の多面的な要求に応えるために、深夜残業も含めて長時間・過密労働を余儀なくされています。その上に新型インフルエンザの対応に終われて神経もすり減らしています。このような状況の中でこの人事院勧告に準拠することは、職員の生活に深刻な影響をもたらすことも含め、職員の士気高揚等勤務状況に悪影響を与えることになります。このことは市民生活にも直結します。

 よって、人事院勧告に準拠して夏季一時金を削減することに重大な問題があり、本条例改正を認めることはできません。

 議員各位のご賛同よろしくお願いします。