「戦争準備が進む伊丹市と兵庫県政」
日本共産党伊丹市議会議員 上原ひでき(2009年5月)
| 「兵庫住民と自治」に寄稿した文章です。写真はすべて自衛隊のホームページ(千僧自衛隊創立記念日)のものです。 | |||
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子どもたちに自由に戦車に載せています。 |
記念式典であいさつする井戸兵庫県知事(左端)。 |
すさまじい音に実戦さながらの演習が行われます。 |
子どもに戦闘服を着せて記念撮影。戦車の試乗も行われます。
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伊丹市は兵庫県の南東部に位置し、面積25平方キロメートル、人口約19万5千人のまちです。歴史的には、伊丹市は「清酒発祥の地」とされ、伊丹で造られた酒は樽廻船で江戸に送られ、その味の良さから「伊丹諸白」「丹醸」などと呼ばれて人気がありました。その酒造家たちを中心に文芸が流行。「伊丹風俳諧」が起こり、その拠点だった俳諧塾「也雲軒」には、西山宗因や井原西鶴など諸国の俳人、文人たちが集い、その中に育った上島鬼貫は、松尾芭蕉と並び称される俳人となりました。伊丹市は酒と文化のまちです。 しかしそんな平和たるべきこのまちでは、米軍と共同して戦争準備が進んでいます。
自衛隊基地のまちで自衛隊・米軍が戦争準備を 伊丹市には陸上自衛隊中部方面総監部(緑ヶ丘)と第3師団司令部(千僧)があります。中部方面隊というのは近畿・中部・北陸・東海・中国・四国地方の2府19県、面積で言えば全国の約3分の1の地域の自衛隊を統括する司令部です。ここには、IDDN通信基地がおかれています。IDDNとは「防衛統合デジタル通信網」のことで、陸・海・空自衛隊の統合運用と日米共同作戦態勢をすすめるために在日米軍との共同使用を図るためのものです。 この中部方面総監部(伊丹駐屯地)で、2000年1月と2007年2月、日米共同指揮所演習(ヤマサクラ37、51)が行なわれました。この演習は、建物やテントの中で実際の戦争を想定して図上(コンピュータ上)で行なうもので、そこでは自衛隊と米軍が戦闘服とピストルで身を固め戦争の「作戦」を立案し「命令」をくだします。演習参加の将校は実際の戦争と同じ「状況」に身を置き、地図上で部隊は移動し、戦争をするのです。2007年の演習には米軍約1,400名、自衛隊約3,400名が参加しています。 この2回の演習に先立ち、日米地位協定第2条4項(b)(一時使用)に基づいて、自衛隊基地内の土地(約2万平方メートル)・建物(1,400平方メートル)が米軍のために提供され、現在もなお返還されないまま残っています。すなわち、ここでは駐屯地の米軍基地化が進み、いつでも米軍が使用できることになっており、まさに伊丹市が米軍の戦争の拠点にされようとしているのです。 このような危険な演習であるにもかかわらず、2007年の演習には兵庫県の「防災企画局」と「災害対策局」の職員が派遣されています。これは日米軍事訓練の機会に米軍支援を政府機関だけではなく自治体にも担わせようとするもので、これに応じたことは、平和を守るという憲法の立場に立つべき兵庫県知事の姿勢が問われます。また、昨年行なわれた千僧駐屯地の創立記念行事には兵庫県知事も来賓で参加し、自衛隊を激励しています。
大阪空港も米軍機利用が多発 一方、伊丹市には大阪国際空港(伊丹空港)があります。大阪空港は、現在でも「航空機にかかる環境基準」は達成されていませんし、度重なる航空機トラブルに安全性も脅かされています。 この空港を日米共同軍事演習にあわせて米軍機が頻繁に利用しました。2000年の演習のときには、前年7月から演習終了後の1月まで8回、2007年の時には1月から2月にかけて15日間にわたって20機も飛来しています。年間1600万人が利用し、都市のど真ん中にある民間空港を日米軍事演習のために利用することは住民の命を脅かすことになります。 そして2007年末、兵庫県知事は、国が示した大阪国際空港の空港整備法上の位置づけ(空港種別と費用負担)の変更を受け入れ、2008年6月に法改正。国が直轄する空港にもかかわらず、兵庫県は空港整備にかかる費用負担を負うことになりました。
兵庫県は「非核・平和宣言」を行い、県民の生命と安全を守れ このように「酒と文化のまち」伊丹市は、自衛隊基地における日米軍事演習と米軍への基地提供、大阪空港の米軍機利用によって、アメリカが行なう戦争の拠点にされようとしています。 一方、昨年の名古屋高裁での「イラク派兵違憲判決」は、憲法前文での平和的生存権に関して、戦争の準備行為や戦争遂行等憲法9条に違反する国の行為によって個人の生命、自由が侵害される場合は、裁判所に対して違憲行為の差止め請求を求めることができるなどと平和的生存権の具体的権利性を認めました。 私たちは、2000年の軍事演習のときには1500名と3000名、2007年にも1000名、イラク派兵反対集会でも1000名を越える集会を行なって米軍と一体となった自衛隊の戦争準備に反対してきました。しかし私たちの「平和に生きる権利」を保障するためには、国の戦争計画から県民の命を守るために、兵庫県が「非核・平和宣言」を行ない、憲法9条を守り戦争準備は許さないという立場を鮮明にすることが何よりも重要です。7月に予定される兵庫県知事選挙はくらしとともに平和を守る大事な選挙です。戦争の拠点にされようとしている伊丹市から、平和の「のろし」をあげる選挙したいと思います。
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