2009年3月 伊丹市議会

国民健康保険税の引き上げに対する反対討論

日本共産党 上原ひでき議員

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました議案のうち、議案第17号「平成21年度伊丹市国民健康保険事業特別会計予算」並びに議案第40号「伊丹市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定」に対して反対の立場から意見を述べます。

 本条例改正は、国民健康保険税基礎課税額の均等割額を21,300円から23,500円に、平等割額を21,700円から23,100円に、所得割を6.27%から7.11%に改定するとともに、後期高齢者支援金課税額の均等割額を6,700円から7,900円に、平等割額を5,300円から6,100円に、所得割を2.22%から2.41%に改定し、国民健康保険被保険者に新たに約3億円の負担を押し付けようとするもので、本予算はこの条例改正に基づいて提案されたものであります。

 この改定によって、夫婦子ども3人世帯において、生活保護基準に近い年間収入280万円でも年間の税額30万5,400円が32万6,100円と2万700円、6.8%の増税、65歳以上の夫婦のみの世帯においても、生活保護基準に近い年金収入200万円でも年間の税額10万8,300円が11万8,200円と9,900円、9.1%の増税となり、憲法で保障された「健康で文化的な最低限の生活」が保障されないばかりか、生存権を奪うことになるものです。このような負担限度額をはるかに超えた国保税の値上げは認めることはできません。

 伊丹市国民健康保険運営協議会の答申で、「平成19年度決算における収支不足額および医療制度改革にかかる旧制度の収支不足額については税改定には算定しないこととし、財政の健全化を検討していく必要があると考える」としていますが、この税改定に反映しない約10億円に関しては、今後一般会計からの繰り入れによることとされている点は評価するものです。また、財政の健全化については、何よりも国庫負担金並びに国庫補助金の増額が必要なことはいうまでもありません。1984年に国庫支出金を医療費ベースにおける45%から38.5%に引き下げたことが国保財政を悪化させ、国保税を際限なく引き上げる契機となりましたが、いまこそ国に対して国庫支出金を計画的に削減前に戻すことを強く求めるべきです。さらに一般会計からの繰り入れについても、未収金額の2分の1の繰り入れの比率を高めることとともに、交付税措置されている国保財政安定化支援事業にかかる繰り入れと一般減免の繰り入れはまったく性格が異なるものであり、分離して繰り入れることを求めるものです。そしてその上に立って国保税を引き下げる方向に踏み出すべきであります。

 もともと国民健康保険事業は、その被保険者の多くが高齢者や零細事業者、中小企業の労働者、失業者等低所得者で占めており、国民皆保険制度における最後の砦ともいえる医療保険制度です。来年度は被保険者の生活がますます悪化するとともに、失業等による新たに加入者の増加も予想されることから、誰もが安心して医療にかかることができる社会保障制度としての国保事業の役割は重要です。

 このことから、一つは、徴収体制を強化するとされていますが、そもそも国保税が負担限度額をはるかに超えた税額であることを念頭に置き、被保険者の立場に立った納税相談で減免制度や分納等を積極的に活用すること、そしてその上で国保証取り上げによる資格証の発行は基本的になくすこと、二つには、お金がなくて医療にかかれないという事態をなくすために、医療費の一部負担金の減免制度を広く広報すること、そのために市内医療機関にこの制度を知らせるポスター等を掲示することで周知することを求めるものです。

 以上、国民健康保険税の引き上げの条例とそれに基づく2009年度予算に対して、要望を交えての反対の意見とします。議員各位のご賛同をよろしくお願いします。