2009年3月 伊丹市議会
一般会計予算に対する反対討論
日本共産党 かしば優美議員
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ただいま議長より発言の許可をえましたので、私は日本共産党議員団を代表して、議案第16号「平成21年度一般会計予算」に反対の立場で討論を行います。 伊丹市を取り巻く情勢は、アメリカのサブプライムローンの破綻を契機とした金融危機が世界を襲い、日本も含めて「100年に一度」の危機であるといわれています。しかし日本経済の落ち込みの激しさは群を抜いています。異常な「外需頼み」が破綻し、家計を中心にした国内需要も総崩れになっているということが日本の景気悪化を深刻にしています。「100年に一度の津波が来た」と言われていますが、津波から国民を守る防波堤を小泉内閣以来の構造改革によって土台から崩してしまったことが大きな原因であります。そしてこれらの事態が、地域経済と地方自治体に重くのしかかっています。 このような中で2009年度一般会計予算は、歳入歳出総額547億円の「骨格予算」として提案されましたが、6月議会で肉付け予算を組むべく一般財源は予備費の6000万円に過ぎません。主な財政指標を見ると、経常収支比率が99.5%、市債残高は658.79億円となるなど依然として厳しい財政のもと、伊丹市政においては、一段と厳しさを増大させている市民の暮らしを守るためにできる限りの工夫が必要となっています。以下具体的に歳入、歳出の内容について意見を述べます。 はじめに歳入のうち「市税」についてですが、市税全体で、2008年度予算対比で15億4千万円の減少で、中でも法人市民税と固定資産税の中の償却資産税の減少が著しくなっています。個人市民税は前年予算対比で55,337千円率にして0.5%の減にとどまっていますが、09年度所得を基準に算定する2010年度は6〜7億円の大幅減が予想されることが委員会質疑の中で明らかにされました。 歳入全体では、地方交付税が新型交付税の計算方法の変更で約1億円の減になっているなど、国は一貫して地方交付税の削減を自治体に求めており、今後とも予断を許さない事態となっています。改めて地方交付税の財源保障、財政調整機能の確立を政府に求めることを強調するものです。 次に歳出についてであります。市政においては、今日の暮らし・雇用破壊に見られる「政治災害」から市民の暮らし、福祉、教育を守る施策が切実に求められています。提案されている2009年度当初予算は、2011年度までにすべての学校園の耐震補強工事を完了させる等の評価すべき点はありますが、市民の立場から見て多くの問題点があります。以下 本会議や委員会で取り上げた問題点にいて意見を述べます。 第一は、同和行政・同和教育についてであります。 市長は、2005年6月議会で同和事業の終結表明をされましたが、今日なお「特別施策」を継続していることは重大です。その一つは、部落解放労働事業団に対する清掃業務委託契約です。2006年の見直し時に、市長は、これまでの随意契約を直ちに破棄することは生活に係わる問題であるので、八年間の経過措置を置くとした契約を取り交わしました。しかし、今回の審議を通じて、契約の実態が中高年齢者ばかりではなく30歳代の人もいるなど、これまでの当局の説明に反する問題点が判明しました。当然契約は見直すべきであります。 二つには、人権教育基本方針に基づく「人権教育のための国連10年伊丹市行動計画」についてであります。当局は、「人権教育は人権教育・人権啓発推進法にもとづいたものであり、偏見や差別の解消に向けた教育を進める」としていますが、人権問題を国民間の問題に矮小化することは誤りであります。人権教育基本方針に基づく諸事業は止め、今回予算計上されている行動計画の再延長を意図した「市民意識調査委託料」は認めることはできません。 また、人権啓発協会にたいする委託契約内容は見直し、これに対する人件費510万円の計上、同和行政の特別対策であり固定資産税の減免は止めるべきであります。この他、伊丹市人権・同和教育研究協議会への補助金、差別を許さない都市宣言は廃止すべきです。 第二に、社会的弱者といわれている老人、障害者(児)や母子家庭等にかかる医療費助成制度の縮小です。兵庫県はその「新行財政構造改革推進方策」の中で09年度から福祉医療全体をさらにきり縮めようとしており、伊丹市も県に追随する姿勢です。格差と貧困がますます拡大する中、市民の命と健に直結する改悪は絶対に認めることはできません。 第三に、公立保育所の民営化についてであります。市長は「国の制度改正をはじめ、こども施策を取り巻く環境変化の動向を注視しつつ適切な方法を選択しなければならない」としながら、依然として民営化をすすめようとしています。党議員団がこれまで繰り返し述べているように、保護者・市民の声、児童の立場にたち民営化はきっぱりと断念すべきであります。 第四に、行財政構造改革による人件費総額の抑制であります。職員給与の平均4.8%引き下げ、人事評価制度・成績主義賃金などは、職員の士気に重大な影響を与え、競争と労働強化をもたらすものでありやめるべきであります。 第五に、秘書業務、会計業務への人材派遣業務を次年度も継続することについてであります。低賃金で安上がりを目的とした人材派遣業の導入は、人権を最も重視する自治体のあり方見ても、個人情報保護の点から見ても問題でありやめるべきであります。 第六に、09年度からの文化会館、音楽ホ−ル、演劇ホ−ル等文化施設への利用料金制導入であります。2006、07年度2ヵ年の平均使用料収入に5%を乗じた金額を努力目標として設定し、達成できなければ指定管理者である文化振興財団に負担を押し付ける内容となっており問題です。貸し館の稼働率をあげるという点では、利用料金制の導入という手法でなく、伊丹ホ−ルなど高すぎる使用料の見直しこそ必要であります。 第七に、定時制の統廃合についてであります。兵庫県教育委員会は、県立武庫之荘高校の跡地に多部制単位制高校を2012年度から開校すると発表し、開校に合わせて周辺の定時制高校の統廃合を行おうとしています。多部制高校を開校することは、昼間勉強したいという生徒の願いをかなえることはできますが、伊丹市立高校がこれまで果たしてきた役割が発揮できるのかであります。伊丹市立高校は、今年三月実施された入学者選抜でも普通科80名の定員を充足し、市民に教育の機会均等を保障する上で大きな役割を果たしています。しかし尼崎南高校、武庫高校、西宮西高校三校を統廃合して開設された多部制単位制高校西宮香風高校の入学者選抜状況を見ると、競争率が二倍を超えるなど「定時制に通いたい」という生徒たちの願いが十分に果たせていないことが指摘されています。市立高校として募集停止をせず、存続させることも含め、生徒・保護者、教職員の意見をきちんと聞いて十分な検討をすることを求めるものです。 第八に、学習到達度調査についてであります。 市教育委員会は来年度も、国の全国学力・学習状況調査に合わせて学習到達度調査を実施するとしています。文科省が調査の目的について、「全国学力テストで競争による学力向上」と述べているように、競争教育は授業を通してすべての子どもの学びを保障する学校の役割を否定するものです。また教育の場に競争原理がこれまで以上に強く働き、教師への締めつけ強化につながる危険性があります。子どもが自ら学ぶ力を身につけるためには、子どもが授業に主体的に取り組む経験が欠かせません。今教育行政に必要なことは、それを可能にする教育環境の整備であり、35人学級の拡大は重要であるといえます。よって学力テストへの参加、市独自の学習到達度調査は中止すべきです。 第9に、国旗・国歌についてであります。党議員団は毎年、「卒業式や入学式等で日の丸掲揚、君が代斉唱の強制は行わないこと」を要望しています。市教育委員会は学習指導要領及び文部科学省通知に沿った指導を行っていますが、指導要領では「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする。」としています。たとえば国歌を「歌わない」「歌いたくない」生徒に対する「指導」は、生徒にとっては「強制されている」と感じるわけで、教育現場における強制はやめることを求めます。 さらに具体的施策においては、@救急医療体制および小児急病センタ−後送病院の充実をはかること。A障害者福祉については、ヘルパ−・職員の人材確保、地域生活への移行に関してはグル−プホ−ム、ケアホ−ムをはじめくらしを支える多様な選択肢を整えること。B児童くらぶの開設時間の延長をすみやかに実施すること。C生活保護については、派遣切りあった者や路上生活者等生活が急迫しかつ住所不定の場合でも申請を受理すること。また基本的に申請を受付てから14日以内に決定通知すること。そのために必要な人員を増員すること。D次世代育成支援推進協議会に子育ての当事者代表を加えること。E子育て支援医療費について、入院にかかる助成を中学校3年生まで無料にすること、また通院にかかる助成を拡大すること。F市職員定数の2010年度を目標とする職員定数削減をすでに達成する一方で、年収200万円以下のワ−キングプアといわれる臨時職員が増えていますが、正職員の採用を大幅に拡大すること。また職員の健康保持に向け、年次休暇などの取得率を向上させること。をそれぞれ要望するものです。 以上指摘した問題点については早急に改善すること、要望項目については、速やかに実現していただくことを強く求めて討論とします。
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