2009年3月伊丹市議会

当初予算に対する議案質疑要旨

日本共産党伊丹市議会議員 上原ひでき議員

質 疑 要 旨

平成21年度伊丹市一般会計予算

1)      歳入のうち第1隷「市税」について、個人市民税・法人税・固定資産税の対前年度予算比減額の内容について。

2)      市税の減少に対する地方交付税・臨時財政対策債等の一般財源確保について。

3)      歳出のうち、「次世代育成支援後期行動計画策定事業」について。

平成21年度伊丹市下水道事業会計予算

  特別会計から地方公営事業法の一部用途に変わることによる影響について

 

質 疑 要 旨

1.2009年度一般会計予算

 2009年度予算が提案されました。市長選挙直前の予算ということで、骨格予算となりましたが、情勢から入りたいと思います。

今年2009年は「年越し派遣村」で明けました。トヨタやキャノンなど日本だけでなく世界を代表する大企業から、仕事も住む場所も奪われた人たちを救おうという取り組みです。いま全国に派遣村がつくられ、自治体の窓口には住む場所と生活保護を求めて殺到していますが、これらは労働者派遣法改悪等労働法制を次々と規制緩和したことが原因であり、「自然災害」ではなく「政治災害」だということが共通の認識となっています。

 一方、アメリカのサブプライムローンの破綻を契機とした金融危機が世界を襲い、日本も含めて「100年に一度」の危機であるといわれています。しかしGDP速報によりますと、昨年10月から12月期の実質成長率は、日本の場合12.7%の減少であるのに対して、アメリカは3.8%減、ヨーロッパは5.7%減で、日本経済の落ち込みの激しさは群を抜いています。異常な「外需頼み」が破綻し、家計を中心にした国内需要も総崩れになっているということが日本の景気悪化を深刻にしています。「100年に一度」の津波が来たかもしれませんが、津波から国民を守る防波堤を小泉内閣以来の構造改革でそれを土台から崩してしまったことが大きな原因だといわれています。

 そしてこれらの事態が、地域経済と地方自治体に重くのしかかっています。

 このような中で提案された2009年度予算は、骨格予算とはいえ経常収支比率が99.5%とぎりぎりの予算であり、6月議会で肉付け予算を組むべく一般財源は予備費の6000万円に過ぎません。厳しい地方財政の中にあっても市民の暮らしが一段と厳しさを増大させている中で、市民の暮らしを守るためにできる限りの工夫が必要となっています。

 いくつかの問題で質疑をします。

1)歳入のうち第1款「市税」について

  市税全体で、2008年度予算対比で154千万円の減少で、中でも法人市民税と固定資産税の中の償却資産税の減少が著しくなっています。個人市民税・法人市民税・固定資産税の中の償却資産税は、市内地域経済を映す鏡でもありますので、この観点からそれぞれの状況を聞きたいと思います。

 ・ 個人市民税…譲渡所得の減少等により前年度予算対比で5,5337千円の減となっています。業界の報道によりますと、この3月までに40万人の期間工・派遣切りだけではなく正社員の削減や企業倒産の影響がでるといわれています。給与所得や個人事業所得への影響は来年度になると思いますが、これらの人たちの納税には大きな影響が出る可能性があり、減免や未収の増大に関してどのような見通しを考えておられるのでしょうか。

 ・ 法人市民税…前年度比36.5%、98,6125千円のマイナスとなり、2007年度決算における法人市民税の納税義務者数は3,577社で、そのうち1,930社が均等割りのみの納税となっていましたが、2008年度決算見込みと2009年度予算ではどうなるのか。過去最大の落ち込みとなる主な原因についてお尋ねいたします。

あわせて固定資産税の中の償却資産税に関しても、景気の悪化による設備投資の減が原因と思われるが、前年度対比で44,6381千円の減少となる主な内容についてお聞きしておきます。

2)歳入に関して、市税の減少に対する地方交付税・臨時財政対策債等の一般財源確保について

  昨年12月に発表された「2009年度地方財政対策」によりますと、地方税と地方交付税、臨時財政対策債等の地方一般財源は前年度対比で約8,100億円のマイナスとなるが、交付団体だけで見れば約3,600億円の増になっています。すなわち、地方税・地方譲与税は前年度比で約35,300億円の減に対して、実質的な地方交付税が27,300億円の増とするものであるが、不交付団体の税超過分を差し引いて約3,600億円の増加となったことによるとされています。2年連続して交付団体への一般財源を増額せざるを得なかったこと自体、この間の政府による地方切り捨ての「構造改革」路線への批判の世論の高まりを反映したものであります。しかし今回の1兆円の増額によっても「三位一体の改革」による2003年度以降の地方財源縮小には歯止めがかかっていません。

  そこで、

 @ 伊丹市では2003年度以降どれだけ一般財源が縮小されたのか。

 A 全国的には地方一般財源がわずかばかり増額されたにもかかわらず、伊丹市の場合基金等の繰り入れによって財源対策を取らざるを得なかったのはなぜか。

 B 「地方財政対策」の中で、引き続き財政健全化の推進として、給与関係経費の削減、一般行政経費(単独分)の削減等が上げられているが、伊丹市への財源対策の影響はどうか。

  についてお伺いいたします。

3)歳出のうち、第3款民生費第4項児童福祉費の中の「次世代育成支援後期行動計画」策定について

  20063月に策定された次世代育成支援行動計画「愛あいプラン」に関して、来年度に2010年から2014年までの後期行動計画を策定することになります。現在すでにアンケートが配布され、集約の中にあると思われます。そして今後「次世代育成支援推進協議会」の中で後期行動計画の策定がなされることとなります。

  そこで次の点についてお伺いします。

 @ この間の子どもの貧困の広がり等子どもをめぐる情勢の変化をどう捉えるか。

   この間、期間工や派遣切り、正社員のリストラ等働く環境が急激に変化したことで「子どもの貧困」が広がり子育て環境も悪化してきています。深刻な虐待の問題も増大しています。これらの子どもをめぐる情勢の変化をどのように捉え、後期計画に反映させようとされているのでしょうか。

 A 前期行動計画の評価の視点。

   例えば、「待機児童解消を優先課題として取り組みを行なう」と記された通常保育事業の定員数は達成しているものの、年度途中の保育所待機児童は解消できていないことなど、当初計画で見込んだ数値目標と需要との関係で不都合が生じている問題に対する「協議会」での議論のあり方なども含めて、前期行動計画の評価をどのような視点で行なわれるのでしょうか。

 B 今後の「次世代育成支援推進協議会」での議論のあり方。

現在22名の委員で「協議会」が構成されています。後期計画策定ということで広げる考えはないのか。幅広い市民の意見を反映させる上でアンケート以外にどんなことを考えているのかなど、今後の進め方についてお伺いします。

2.下水道事業会計について

 特別会計と地方公営企業法の一部適用でどんな影響がでるのか。

  私は昨年の9月議会で、この問題で質問をしました。すなわち、「全国の法適用事業と非適用事業を比べますと、法適用の不良債務の割合は、非適用の実質収支赤字割合の約4倍となっています。これは他会計繰り出し金の状況に左右されるものと思われます。これは同じ資料によりますと、収益的収入への繰入率は、ほぼ同じなのに、資本的収入では2倍の開きがあることにあらわれています。これは下水道事業の普通会計の財政負担を軽減するために、一層の独立採算経営を求めていくことに目的があり、そのことが市民負担の増額に結びつくものであると危惧をいたします。見解を伺います。」これに対する答弁では「公営企業の資金不足比率の算定において、これまでは実質収支の赤字額を資金の不足額ととらえていたものが、地方公営企業法の一部適用により、流動資産と流動負債の差額により、資金の不足額をとらえることとなります。しかしながら、資金の不足額をとらえる資金不足比率に基本的な差異はないものと推測いたしております。また、市民負担の増額に結びつくのではないかとのお尋ねにつきましては、地方公営企業法の適用、法非適用を問わず、使用料で賄うべきものであり、地方公営企業会計の財務に関する一部適用への移行により、新たな市民の負担が発生することはないものと考えております」ということでした。

  そこで、法適用と非適用では会計手法が違うことを前提としながら、法適用により繰り出し基準が限定されるために減少することは明らかですが、収益的収入と資本的収入に占める一般会計からの繰り出しはどのように変化したのか。

  さらに、資本的収入において長期借入金22,000万円が措置されていますが、その理由ならびに今後の長期借入金のあり方についてお伺いします。