2008年9月伊丹議会

中村孝之議員の 個人質問

日本共産党伊丹市会議員団

T、公営住宅等の住環境の整備について

市長は施政方針の中で、「市民が住み慣れた地域で、安全で安心して幸せに暮らせるまちを実現する」と述べられていますが、重大な施策であります。

 そこで、伊丹市が管理している公的住宅等の住環境の整備について、数点質問いたします。

@  エレベーターの設置が必要ではないか

第一は、公営住宅等へのエレベーター設置についてであります。伊

丹市には市営住宅は69棟・1933戸、都市整備公社管理の北池尻団地は、2棟・90戸があり、このうちエレベーターが設置されているのは、市営住宅で14棟・591戸、率にして29パーセントであり、もちろん北池尻団地も設置されていません。

高齢化が進行していますが、これらの住宅の入居者で65歳以上の高齢者の割合は、市営住宅の場合、50パーセントを超えているのではないでしょうか。入居されている高齢者・障害者の日常生活にやさしい施策として、エレベーター設置がどうしても必要となっています。伊丹市では、住宅マスタープランや公営住宅ストック総合活用計画の中で、エレベーター設置の必要性を認めていながら、なぜ今日まで実現できなかったのか、その理由と北池尻団地を含めた今後の方向性について、当局の見解をお伺いいたします。

A   空き家が多い公営住宅等の課題は何か、入居希望者に応えた施策を

第二は、伊丹市が管理する市営住宅をはじめとする公的住宅の中で、空き家が多い北池尻団地、特定優良賃貸住宅についてであります。

特定優良賃貸住宅は、21棟総戸数384戸のうち46戸が空き家、北池尻団地は、総戸数90戸のうち14戸、合計60戸が現在空き状態となっておりますが、この空き家状態は何年も続いています。当局は、総務政策常任委員協議会の中で、北池尻団地の場合は、入居基準の所得基準を20万円から123万円に引き下げ一定入居がすすんだ、空き室が多いのは4階・5階部分だと報告されました。また特定優良賃貸住宅の場合は、若年世帯が全体の76パーセントであり、新たな入居は若年世帯が99パーセント以上であると報告されています。

この報告を踏まえると、北池尻団地の課題は、所得基準の引き下げ、エレベーターの設置、入居基準の緩和にあると思います。また特定優良賃貸住宅の場合は、若年世帯以外の世帯の場合、10万円近い家賃であり入居は困難だと思います。

特定優良賃貸住宅のオーナーとの契約は、平成26年から平成29年にそれぞれ期間が満了しますが、短い期間ではありますが、この間の空き家対策として、兵庫県が実施しているような用途変更も検討し、高齢者・障害者などの入居を促進すべきだと思います。

今日公営住宅等への入居希望者が多い中で、入居率があまり改善されないまま推移しているのは問題であります。特に空き家には、年間約6000千万円の市民の税金が投入されていることを直視すべきであります。

当局はこれまでどのような検討をしてきたのか、また今日何が課題だと認識されているのか、今後の方向性を含め見解をお伺いいたします。

B  耐震診断の実施状況と耐震改造計画について

第三は、公営住宅等の耐震診断の実施状況と耐震改造計画についてであります。

今議会で市長は、地震対策として学校施設の耐震化工事を平成23年度までに100パーセント完了すると提案されていますが賛成するものであります。

阪神淡路大震災は、ご承知のように住宅の安全性が災害から人命を守る上でも重要であることを認識させました。今日では、南海地震・東南海地震が近い将来想定されており重要な課題であります。公営住宅の場合も早急な地震対策が求められますが、これまでの取り組みと併せ今後の方向性について見解をお伺いいたします。

C高齢者・障害者が安心できる居住環境の確保を

第四は、高齢者・障害者が安心できる居住環境の確保についてであります。

一点目は、現在公営住宅等に入居されている高齢者・障害者が安心して暮らせる環境が整備されているのかであります。現在入居されている方の中でもこれから高齢者の仲間に加わる人も増えてきていると思います。

決算資料によりますと、高齢者向けの浴室・便所などの改造戸数は平成19年度は2戸となっています。これは一階部分だけだと思いますが、2階以上の居室は安心できる居住環境となっているのかであります。

二点目は、また最近の入居者募集でも、高齢者世帯枠の倍率は、8倍から12倍を超える高い倍率となっています。今日、生活不安が広がっている状況を見ますと、今後さらに高齢者・障害者の入居希望者は増えてくることは間違いないと思います。今、住宅マスタープランの見直しをされていますが、今後の公的住宅の供給についての見解をお伺いいたします。

 

U、政府が押し付ける成績主義賃金の導入を目的とした、新たな人事評価制度は中止を

@  新たな人事評価、成績主義賃金導入は、市民サービスの向上のために職員の活力を引き出すのか

第一は、新たな人事評価、成績主義賃金導入は、市民サービスの向上のために職員の活力を引き出すのかであります。

私はこの問題についてこれまで二回、平成189月議会・平成193月議会で質問してまいりました。

当局の答弁は要約しますと、「年功序列賃金が批判されている中、国や人事院勧告で勤務成績を給与に反映させることが求められているので、限られた財源の有効活用として職員の士気を確保するため成績主義賃金が必要である。評価制度を通して職員の活力を引き出す」とのことでした。

しかし、平成188月、経済産業省の「人材マネジメントに関する研究会」が発表した報告書では、「企業における成果主義賃金の顕在化した問題点として、従業員のモチベーション低下、チーム力の低下、人材育成機能の低下」を上げ、この原因は、評価に対する納得性、公平性、透明性が不十分であるとし、成績主義には構造的な欠陥があることを指摘しました。

 本年7月に発表した厚生労働省の2008年版「労働経済白書」では、成績主義賃金について、労働者の仕事への満足感が低下した、その理由として、大企業が人件費削減を優先した新規採用の抑制、非正規雇用化に加えて、人件費抑制のために導入した成績主義賃金を「労働者の動機付けに直結させることは、根本から考え直す必要がある」と指摘し、初めて見直しを提言しています。

 白書では特に、正規の中高年層で賃金格差の拡大による意欲低下があるとしており、白書の分析結果は重大であります。労働意欲の低下は市民サービスにおいて決定的に重大な問題であり、伊丹市は労働経済白書の指摘も踏まえて再検討が求められているのてはないでしょうか。

今議会での代表質問に対し当局は、新たな人事評価、成績主義賃金の検討根拠として、これまでどおり平成1312月に「公務員制度改革大綱」が制定されたこと、また平成17年度の人事院勧告による給与構造改革、平成20年度の人事院勧告を根拠にされています。

当局が人事評価の根拠とする「公務員制度改革大綱」は、今日では国民的な批判が多い小泉内閣の構造改革の中で出されてきたものであり、国民の要望に沿ったものとなっていません。公務員制度は、民主的で効率的な公務運営を支える要の制度であり、一部のためであってはなりません。人事院勧告についても、労働基本権が付与されていない中で一方的に勧告されたもので、地方分権の時代にあって伊丹市独自の対応が求められるところです。

そこでお伺いいたしますが、当局は現時点においても、新たな人事評価に基づく成績主義賃金の導入は、職員の活力を引き出し、市民サービスの向上に本当にプラスになると考えておられるのかであります。市長は施政方針で、「市民の皆様に信頼される元気な市役所づくりを推進する」と述べられていますが、その前提は成績主義賃金の導入を指すのか、それぞれ見解をお伺いいたします。

A  人事評価制度の対象者拡大は止めるべき

第二は、当局は先の代表質問に対する答弁で、昨年11月課長級・次長級について試行を実施したが、今後は評価対象者の拡大方向を示された点についてお伺いいたします。

先に触れました「労働経済白書」の分析結果は、労働者の人権を守る立場からも、成績主義を導入した大企業をはじめとする事業者に対する警鐘でもあります。伊丹市は真剣に耳を傾け、人事評価の対象者拡大は再検討すべきであります。

評価対象者の拡大は何をもたらすのか。評価のネライ自身の問題点は先に述べたとおりでありますが、現在の職場実態の中でただでさえ人員不足の中、評価に時間がとられ市民サービスに支障をきたしてはなりません。

課長級の場合を見ても、毎日の業務・課題に追われ、休暇も取れない、具合が悪くても病院へ行く時間もない、職場では体調を壊している人もあるなど、大変な業務実態ではないでしょうか。

もともと人事評価を公平・公正に行うことは不可能でありますが、このような状況の中で、職員・部下の評価実施は職員への負担も計り知れないと思います。

伊丹市が今回実施した課長・次長級の評価の試行には、大変な時間を要したことと予測されます。「新たな人事評価」の対象者拡大は、業務の点でも、さらに莫大な時間が求められますが如何でしょうか

伊丹市は、これまで行財政運営改善計画に基づき、人件費の削減に重点を置いた財政健全化を実施してきたことにより、今日人事管理の面において弊害も生まれていると思います。

この際、重大な問題点を抱え、かつ、人件費抑制を目的とした「新たな人事評価」の対象者拡大は中止すべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。