2008年6月伊丹市議会 本会議最終日
日本共産党伊丹市議会議員団 上原ひでき議員
6月議会に提案された意見書に対する賛成討論
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日本共産党議員団を代表し、上程となりました意見書(案)のうち、意見書案第6号から第10号並びに第14号に対して賛成の立場から意見を述べます。 はじめに意見書案第6号「労働者派遣法の抜本的改正を求める意見書(案)」についてです。 1986年に労働者派遣法が施行され、たび重なる規制緩和がくりかえされてきた結果、派遣労働者は321万人へと急増し、なかでもその圧倒的多数を占める登録型の派遣労働者は、不安定な雇用形態のもとで低賃金と無権利状態を強いられています。わけても、人間をまるでモノのように使い捨てにする日雇い派遣やスポット派遣が増え、最低限の生活さえ保障されない「ネットカフェ難民」とよばれるような貧困が広がっています。今日の貧困の根底にあるこうした労働の破壊と非正規雇用の拡大を根本的に見直すことは、日本社会が直面する重要課題です。とりわけ、派遣労働者の権利をまもり、非人間的な労働実態を改善することは、緊急課題となっています。 違法派遣を根絶し、労働者が将来に希望をもって、人間らしく生き働くことのできるルールをつくることが必要と考え、本意見書(案)が現行の労働者派遣法を「派遣労働者保護法」に改定すること等国に求める4点は妥当であり、賛成するものです。 次に、意見書案第7号「現行保育制度の堅持・拡充、保育・学童保育・子育て支援施設の推進にかかわる国の予算の大幅拡充を求める意見書(案)」についてです。 日本保育協会の調査では、2004年に公立保育所の国庫負担金が一般財源化された結果、6割の市区が保育所運営費を減らし、多くの自治体で非正規保育士が5割を超えています。全保育所待機児が二万人近くにのぼる深刻な事態の解決も待ったなしです。 ところが、5月9日に開かれた厚生労働省の社会保障審議会少子化対策特別部会は、「保育のサービス提供の仕組みの検討」が位置づけられ、「保護者とサービス提供者の契約など利用方式のあり方」を検討するとして、保育所サービスにおける「直接契約方式」を打ち出しました。さらに民間保育所運営費の一般財源化もすすめようとしています。これらのことは、保育に対する国と地方自治体の公的責任を大幅に後退させるものです。 少子化の進行や子育て不安、様々な子育て困難が広がる中で、安心して子どもを生み育てられる環境の整備が求められている今必要なことは、国が公的責任を明確にし、子育て支援に関する予算を大幅に増額することです。 本意見書(案)は、この立場から6点にわたって具体的に国に要望するものであり、賛成するものです。 次に、意見書案第8号「食料自給率の向上を求める意見書(案)」についてです。 福田首相は6月3日、ローマで開かれていた食料サミットでの演説で、「国内の農業改革」を進め、食料自給率の向上に「あらゆる努力を払う」と述べました。首相がこう言うのなら、世界的な食料危機のなか、世界中から食料を買い集め、食料自給率を先進国中最低の39%にまで落とした今までの農政の破たんを認めるべきです。食料危機問題で日本が積極的な貢献をするためにも、農政、とりわけコメ政策の抜本転換が迫られています。 そのためは、日本にとって不要な年間77万トンものミニマムアクセス米の輸入を中止することとともに、国内では、減反の強制をやめ、農家に生産コストを保障する不足払い制度の確立と備蓄制度の充実など、コメの需給と価格の安定対策を実施すべきです。小規模農家を支援対象から排除する政策もただちに中止することが求められます。 食料自給率の向上を真剣にめざし、安心して農業にはげめる農政へ転換することが、日本の食料主権を確立する上でも世界の食料危機の解決に貢献する上でも重要です。 この立場から、意見書(案)の国に対する具体的要望事項は妥当と考え賛成するものです。 次に、意見書案第9号「実効ある温暖化対策を求める意見書(案)」についてです。 福田首相は、室効果ガス削減の中期目標を示さずには北海道洞爺湖サミット議長国としての役割を果たせないとの内外の批判を受け、6月9日の地球温暖化対策の方針のなかで初めて、温室効果ガス削減の日本の中期目標を、試算値ながら示唆しました。ところがその数値は、2005年比で2020年までに14%削減が「可能」だという消極的なものでした。 1990年から2005年までにEUが排出量を削減しているのと対照的に、日本は、京都議定書の基準年の1990年と比べ、2005年に7・8%も排出量を増大させています。したがって「2005年比で14%削減」は、1990年比では約7%削減にすぎません。森林吸収分を除けば、わずか4%減です。この試算では地球温暖化に大きな責任を負う先進国としても、サミット議長国としても、政府の姿勢が問われます。 一方、日本の温室効果ガス排出量に占める二酸化炭素の排出の割合が約95%を占め、そのうち8割が産業や業務部門で、その51%が製鉄所や発電所を中心とするわずか180事業所であるとの試算があり、大規模事業所に対する排出量規制が決定的です。 したがって、意見書(案)が国に対して、積極的な二酸化炭素削減目標を明確にするとともに、大規模事業所の排出規制の強化を求めていることは妥当であり、賛成とするものです。 次に、意見書案第14号「『後期高齢者医療制度』の廃止と安心して医療が受けられる体制の整備を求める意見書(案)」についてです。 いま、福田・自公政権が4月実施を強行した後期高齢者医療制度に、日本列島を揺るがす怒りがわき起こっています。 75歳という年齢を重ねただけで、今まで入っていた国保や健保から追い出され、保険料は「年金天引き」され、払えない高齢者からは保険証を取り上げる、健康診断から、外来、入院、「終末期」まで、あらゆる段階で、安上がりの差別医療を押しつけられる、こんなひどい制度はありません。しかも、時がたてばたつほど、国民負担も、高齢者への差別医療も、どんどんひどくなっていく仕組みです。 国民の大きな批判の前に、政府・与党は、「説明不足だった」などと言いわけしたり、「見直し」などと言い出したりています。しかし、政府が説明すればするほど、国民の不安や怒りはひろがるばかりです。現代版「うば捨て山」とも言われる血も涙もないこの制度の害悪を、制度の一部「見直し」で解決できるものではありません。75歳という年齢で高齢者を差別する後期高齢者医療制度は考え方の根本が間違っているからです。憲法25条の生存権、憲法14条の「法の下の平等」を踏みにじる希代の高齢者差別法は、撤廃するしか解決の道はありません。 さらに70歳から74歳の窓口負担の2割への引き上げや高額療養費の限度額引き上げ等高齢者の負担増は、安心して医療にかかることを困難にするもので中止すべきです。 これら後期高齢者医療制度をはじめとする医療費抑制策は、小泉構造改革で、2025年までに医療費を8兆円削減するとしたことにあります。しかし日本の医療費は、GDP比8%と先進国でも最低水準であり、本来なら増やして当然です。医療を支える財源についていえば、日本共産党は、大企業や高額所得者に対する7兆円の減税や年間5兆円もの軍事費、在日米軍再編への3兆円もの負担など、歳入・歳出の歪みに根本からメスを入れるべきであると考えます。政治の姿勢さえ変えれば、消費税に頼らなくても、安心できる医療、年金、介護など社会保障制度と、それを支える財源をつくることはできます 今必要なことは、国民多数が反対している後期高齢者医療制度の廃止と高齢者への医療費負担増を中止し、これら財源論も含めて改めて広く国民的議論を行い、医療費削減ではなく、憲法第25条に明記された国民の「生存権」を保障するために、医療費を増額し、高齢者・国民が安心して医療を受けることができる社会をつくることです。 したがって本意見書案は妥当と考え、賛成するものです。 |