2008年6月 伊丹市議会 6月10日(火)

上原ひでき議員の一般質問(要旨)

日本共産党伊丹市議会議員団

発 言 項 目

1、            後記高齢者医療制度に関する問題について

1)     市長は制度が始まって以来の国民・市民の怒りの声、反応をどう受け止めておられるのか。国に対して廃止を求めませんか。

2)     国明健康保険から新制度に移行する場合の負担に対する軽減策を。

3)     保険証の取り上げはしないと言明を。

4)     新制度に移行した人にも等しく「人間ドッグ」への助成を。

2、            住民マスタープラン、公営住宅ストック総合活用計画の見直しについて

1)     公営住宅法施工令の改正は「住宅難民」をつくることにつながると危惧するが、今回の見直しにどのように反映させるのか。

2)     現行の公営住宅ストック計画の進捗状況と今後の公営住宅のあり方を問う。

3、            入れ歯リサイクル活動の推進について

1)     世界の恵まれない子どもや難病患者らを支援するため、NPO法人「日本入れ歯リサイクル協会」等が進めている入れ歯リサイクル運動に伊丹市としても協力を。そのために「不要入れ歯改修ボックス」の設置を。

 

発 言 要 旨

1.後期高齢者医療制度について

 いま、福田・自公政権が4月実施を強行した後期高齢者医療制度に、日本列島を揺るがす怒りがわき起こっています。

 75歳という年齢を重ねただけで、今まで入っていた国保や健保から追い出され、保険料は「年金天引き」され、払えない高齢者からは保険証を取り上げる、健康診断から、外来、入院、「終末期」まで、あらゆる段階で、安上がりの差別医療を押しつけられる、こんなひどい制度はありません。しかも、時がたてばたつほど、国民負担も、高齢者への差別医療も、どんどんひどくなっていく仕組みです。

 国民の大きな批判の前に、政府・与党は、「説明不足だった」などと言いわけしたり、「見直し」などと言い出したりています。しかし、政府が説明すればするほど、国民の不安や怒りはひろがるばかりです。現代版「うば捨て山」とも言われる血も涙もないこの制度の害悪を、制度の一部「見直し」で解決できるものではありません。75歳という年齢で高齢者を差別する行為高齢者医療制度は考え方の根本が間違っているからです。憲法25条の生存権、憲法14条の「法の下の平等」を踏みにじる希代の高齢者差別法は、撤廃するしか解決の道はありません。

 国会では、野党4党が共同した「廃止法案」が参議院で可決しました。日本共産党は、後期高齢者医療制度の撤廃の一点で、政治的立場の違いを超え、国民的共同をひろげ、すみやかにこの制度を廃止に追い込むことを呼びかけています。

その上にたって質問をします。

1)市長は、制度が始まって以来の国民・市民の制度への怒りの声、反応をどう受け止めているのでしょうか。中止・廃止を市民と一緒に国に求めるべきと思いますが、市長の見解を伺います。

 次に具体的な問題についていくつか伺います。

2)はじめに保険料の負担軽減策についてであります。先の専決議案「伊丹市国民健康保険税条例の一部を改正する条例」では、国民健康保険から75歳に達する人が後期高齢者医療制度に移行したことによる法定軽減における軽減措置や世帯別平等割額の軽減、新たに国保加入する旧被扶養者への軽減策が決まりました。しかしこれらはいずれも5年間もしくは2年間の時限措置に過ぎません。この措置が終われば概ね2倍の保険料を払うことになります。それだけではなく、これら軽減措置がなされても、昨年までの国保税と比べて負担増となる世帯があります。伊丹市全体で、国保から後期高齢者医療制度に移行する人がいる世帯での国保税と後期高齢者医療制度保険料の負担の実態は昨年の国保税の負担と比べてどうなっているのでしょうか。たとえば国民健康保険加入3人世帯で、後期高齢者制度に移行する1人が所得割のかからない低額の年金収入のばあいでも、こども夫婦の国保税は均等割の2万8千円は減少するものの、後期高齢者医療保険は4万3千924円で、世帯全体では1万5千924円の負担増となります。どれだけの世帯でどれだけの負担が増えるのでしょうか。実態をお答えいただくとともに、被用者保険等との整合性を図る上からも、これらの世帯に兵庫県広域連合として独自の軽減制度をつくることを提案されるとともに、伊丹市独自の後期高齢者医療制度保険料もしくは伊丹市国保税における軽減制度をつくるべきと考えますが、見解を伺います。

3)次に、保険証の取り上げはしないことについてです。この点では国会の答弁でも、3月議会の伊丹市当局の答弁でも「機械的に保険証の返還を求めるものではなく、個々の状況に応じて対応する」とされました。このことは当然としても、今まで保険証の取り上げはできなかった高齢者に対して、年金を減らしながら別立ての保険料の取立てを行い、払えなかったら保険証を取り上げる仕組みをつくること自体が、憲法で保障された生存権の侵害になりかねない重大な問題です。伊丹市は広域高齢者からは保険証の取り上げはしないと言明すべきでありますが、見解を伺います。

4)次に、人間ドックへの助成についてです。国保などには特定検診を義務付けていますが、後期高齢者医療制度では検診を義務付けていません。このことはこの制度自体が、後期高齢者を「いずれ避けることのできない死を迎える」特性があると規定し、検診など義務付ける必要はないとしたことにあります。しかしこれほど高齢者の人権を無視するものはありません。一方、伊丹市の場合、75歳を超えても「市民検診」として無料で検診を受けることはできます。しかし、兵庫県広域連合では、任意事業である「保険事業」を条例化し、一定の予算化をして「市町が実施する健康診査に対する補助を行う」としていますが、伊丹市の国保が助成しているような「人間ドック」への助成制度はありません。調べたところ、伊丹市国保事業における昨年度の「人間ドック」への助成969件中79件が75歳以上の人ですが、新制度へ移行した高齢者は今年度から助成を受けることができません。この点でも、兵庫県が兵庫県広域連合に対して「保険事業」としての補助金を増額することで「人間ドック」への助成もできるように伊丹市として提案すべきであります。もしくは、伊丹市として75歳以上の高齢者が人間ドックを受ける場合、新たな助成制度をつくるべきと考えますが、見解を伺います。

2.住宅マスタープランならびに公営住宅ストック総合活用計画の見直しについて

 住宅は生活の基本であり、憲法25条で保障された国民の生存権の土台となる社会的資産です。そして公営住宅は、国と地方自治体が協力して、健康で文化的な生活を営むための住宅を整備し、住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸することを目的としています。

ところが政府は、一昨年成立した「住生活基本法」で政府の住宅に関する公的責任を大きく後退させ、公営住宅は新規建設を行わず、「民間まかせ」にしてしまいました。

一方、伊丹市は、住宅マスタープランならびに公営住宅ストック計画の見直しを行っています。この見直しが公営住宅の目的に沿い、「住まいは人権」という立場に立ったものとなることが期待されています。そこで以下の点について質問します。

1)200712月、国は公営住宅法施行令を改正、200941日に施行します。

その具体的な内容は、入居可能な政令月収額を現行20万円から158000円に、住宅の事実上の明け渡しを迫られる「高額所得者」の政令月収額を397000円から313000円に、それぞれ引き下げるものです。その結果として、現在入居している約30%の世帯への家賃の負担増をもたらすことになり、新たに追い出しが強化されます。さらに、家賃制度の見直しとして規模係数を70uから65uに引き下げることで、生活保護世帯並みの収入分位10%以下を除く世帯のうち、新たな入居基準以下の既存入居者である14%の世帯で、平均月額2900円の負担増となります。

この改正は、入居収入基準を下げ、今住んでいる人を追い出してつじつまを合わせようとするもので、国策で「住宅難民」をつくることにつながるものと危惧せざるを得ません。

 そこで、民間賃貸住宅との家賃格差が大きいことから、政令月額158000円から20万円の世帯や「追い出される世帯」の受け皿をどうするのかが問われ、このことが今回の見直しでどのような考慮がなされようとしているのか、見解を伺います。

2)現行の公営住宅ストック計画の進捗状況と今後の公営住宅のあり方についてです。

  伊丹市住宅マスタープランでは、伊丹市の公営住宅においては狭小な住宅が多数を占めることや構造・設備面での老朽化の進行、バリアフリー化された住宅が求められていること等から、全面的に建替えるという立場ではなく、既存ストックを有効に活用することを基本にしてストック計画で具体的な方法を定めるとしています。そしてストック計画では、それぞれの住宅ごとに経過年数と高度利用の可能性、躯体の安全性等々の判定を行い、計画期間中に、建替えは、玉田12号館、山道、天神川5号館とし、天神川団地にエレベーターを設置するとされています。この計画は今後どうしようとされているのでしょうか。

  一方、昨年の決算特別委員会で市長は、今後は建替えよりは特優賃を公営住宅に転用することによって市営住宅に対するニーズに応えることを考えていくべきではないか、しかもそれはどんどん市営住宅を増やすということではなくて、古い住宅は用途廃止していくという趣旨の答弁がありました。今回の見直しの中で具体的に盛り込まれようとしているのでしょうか。

  このようなことを含めて見直しの基本的な考え方について見解を伺います。

3.入れ歯リサイクル活動の推進について

 資源を有効に活用するためのリサイクルは多方面に広がっていますが、これが入れ歯にも及んでいます。入れ歯に用いられている貴金属を回収して、世界の恵まれない子供や難病患者らを支援しようという取り組みです。この取り組みは、2006年12月に歯科医師や歯科技工士らによって設立されたNPO法人「日本入れ歯リサイクル協会」が提唱し、日本難病・疾病団体協議会と協力し、全国の自治体のオフィス、歯科医院、福祉異説などに不要な入れ歯を回収するボックスを設置する活動を始めたことによります。

 協会の調査によりますと、部分入れ歯の場合、クラスプにはパラジウム合金が使用され、重量は入れ歯1個当たり平均5グラム程度。合金には金12%、パラジウム20%、銀と銅が合わせて50%程度含まれていることから、回収、精製して売却すれば入れ歯1個当たり2500円程度の資金回収ができるといいます。

 日本で1年間に製造される入れ歯は約360万個。このうち不要となり、回収できる分が3%と仮定すれば、約2億7000万円の売却益が得られる計算です。

 協会では2006年から入れ歯リサイクルの活動を展開し、今年4月現在では50ヶ所の地方自治体34ヶ所の歯科医院などに回収ボックスを設置し、類型で日本ユニセフなどに約1452万円を寄付しているとのことです。

回収ボックス設置の場合、収益金の40%を日本ユニセフ協会に、40%を地方自治体の福祉団体に寄付するとしています。伊丹市においても、「不要入れ歯回収ボックス」を設置し、掲示板や広報誌などによる広報等を行うようにしてはどうかと提案するものですが、見解を伺います。