2008年6月 伊丹市議会 6月10日(火)

かしば優美議員の一般質問(要旨)

日本共産党伊丹市議会議員団

発 言 項 目

1、介護保険―直面する課題

(1)国のさらなるサービス抑制の動きについて

(2)真に利用者の立場にそった介護サービスを

@    介護ベッドなど福祉用具借与制限の緩和を

A    同居人がいる場合の生活援助は認められている

B    伊丹ルールの確立を

(3)第4期事業計画策定に向けて

@    地域ケア体制整備の見通しと特養ホーム待機者について

A    「給付」と「負担」のバランス論議の意味するもの

2、分譲マンションの管理などに行政の支援を

 (1)バリアフリーなど共用部分の改善

 (2)管理組合のとりくみ=ネットワークづくりなど

 (3)給水設備のメンテナンス費用の軽減を求める

 

発 言 趣 旨

 議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告に従い質問します。

はじめに介護保険について

第1に、国の給付抑制、自己負担増の動きについてですが、

  新聞報道によると、財務省は5月13日、介護保険給付費の抑制に向け、要介護度の低い人への給付を減らした場合、軽度の要介護者の家事支援など「生活支援」給付をなくした場合、軽度の要介護者の自己負担を1割から2割に引き上げた場合のそれぞれについて、保険料や国庫負担がどう変わるかなどの試算を財務省の諮問機関財政制度審議会に示しました。給付範囲をもっとも狭めた場合、給付費は約2兆円、国庫負担が6千億円の削減になるとしています。

「国民の保健医療の向上および福祉の増進を図る」介護保険制度の目的に大きく逆行し、制度の根底にかかわるような今回の「露骨な介護抑制」の考え方について当局はどのように受け止めているのかうかがっておきます。

第2に、真に利用者の立場にそった介護サ−ビスについてですが、

 介護保険法が見直されて、介護ベッドなど福祉用具貸与が大幅に制限された問題を以前この本会議でも取り上げたことがあります。たとえば介護ベッドの場合、2005年度から06年度にかけて要介護Tの利用者356人のうち349人(98%)がとりあげらました。

 これはあまりにも批判も多く、その後若干用件が緩和され、2007年4月から、@パ−キンソン病など時間帯によって頻繁に必要、A末期ガンなど状態が急速に悪化することが確実に見込まれる、Bぜんそくなど福祉用具によって病状の重篤化が防げる――のいずれかに該当し、医師の意見にもとづき判断され、サ−ビス担当者会議等を経た適切なケアマネジメントの結果をふまえていることを市町村長が確認している場合は、福祉用具の利用が認められるように制限が緩和されています。市もこうした点を積極的に対応することを求めるものですが、見解をうかがいます。

また同居人がいる場合の生活援助について、市は「介護保険では同居家族がいる場合の生活・家事援助は原則とてみとめられていません。ただ同居家族が病気で伏せておられるとか、障害を有しているために同居家族による援助が困難で、利用者の日常生活に支障がある場合に、利用者の範囲に限定して生活・家事援助が例外的に認められています。」としています。

しかし2003年7月16日の衆議院厚生労働委員会で厚生労働省老健局長は「家

族がたとえば心身が健康であって家事ができる状態でも、勤務していたり、日中要

介護の高齢者が一人のような場合については、介護保険の給付対象になる。」と答

弁しています。日中要介護の高齢者が一人のような場合、働いている家族が勤務形

態等により調理、掃除、洗濯などができないケ−スついては生活援助サ−ビスを使

えるよう弾力的運用できると考えますが、見解を求めます。

  もともと介護保険が創設された目的は、家族介護の負担軽減であり、介護の「社会化」でありました。また生活援助はたんなる家事ではなく高齢者の人権や生涯発達を保障する役割ももっています。

  福祉用具貸与や生活援助に関して、市は現在独自の基準(マニュアル)をもたず、兵庫県が作成した「手引き」にそって判断していると聞いています。あくまで市民、介護サ−ビス利用者の立場にそった基準=「伊丹版ル−ル」をつくる必要があると思いますが見解を求めます。

 

第3に、第4期事業計画策定に向けてですが、

08年3月議会代表質問に答えて、当局は第4期高齢者保健福祉計画・介護保

険事業計画策定における基本方向として4点にわたり明らかにしています。この

うち地域ケア体制の整備については、「療養病床の廃止・再編にともなう介護型療養老人保健施設や認知症高齢者・一人暮らし高齢者の増加に対応した小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護等の地域密着型サ−ビスの充実など」と答弁されました。しかしその一方で、現状ではそれぞれの事情があり、整備が思うように進まないともいっておられます。2006年から2008年の,第3期事業計画では、「地域密着型サ−ビス」については数量規制を設けず積極的に整備を図ってまいります。」と決意したが、現段階では第3期事業計画の「施設から在宅へ」の基本方向に重大な支障が生じているのではないか。しかも特養ホ−ムは増やさない、かたやそれに変わる地域ケア体制がすすまないという状況で、特養ホ−ム等の待機者はますます増加しています。中度、重度の高齢者の在宅介護で疲れきっている方も多くおられます。小規模特養ホ−ム等の整備は待ったなしの状況ではないでしょうか。それぞれについてうかがいます。

   次に 同じく08年3月議会で当局は、「これらの施策・事業展開とともに、介護保険料をはじめ高齢者の負担が増大している中で、介護保険事業における『給付』と『負担』のバランスの取れた健全な介護保険事業をめざした計画となるよう努めていきたい」と答弁しています。

この、「『給付』と『負担』のバランスの取れた健全な介護保険事業」とは何をいわ

んとしているかです。もともと今の介護保険制度は給付が増加すれば負担(介護保険料)が増大するという大きな欠陥をもっています。「負担増を極力抑えようとするなら、給付は抑えざるをえない」との立場に陥(おちい)るとしたら、第4期事業計画策定に明るい展望はまず見えてきません。今後実施される高齢者にかかる実態調査を踏まえ、真に介護を必要としている人にサ−ビス提供できる事業計画を策定すべきです。見解をうかがっておきます。

 

2点目は、分譲マンションの管理に行政の支援を求めるないようです。

マンションには行政が支援すべき独自の特徴があります。@共用廊下などは区分所有者全員の共用物であり、A管理組合をつくり、集合住宅の管理に集団的に取り組む必要あり、Bまちづくりの課題としてたいへん重要です。

  そこで第一に、バリアフリ−化や省エネ対策など、マンションの共用部分の改善を支援することにつていであります。2005年に改正された「エネルギ−の使用の合理化に関する法律」では、床面積2千u以上のマンションが、建築確認を必要とする工事をおこなうときには、省エネ対策の実施と報告が義務づけられました。

快適な住まいを守るには、社会全体の水準の向上にあわせて住宅を改善していくことが必要です。とくにマンションでは、「居住者まかせ」になっている共用部分の改善を中心に、行政の支援が求められます。断熱改修、窓の断熱性能向上など省エネ対策、(屋上緑化)などヒ−トアイランド対策などは社会的な要請にもなっています。当局の見解を求めるものです。  

第2に、管理組合のとりくみへの支援です。

  マンションを管理する主体は管理組合でする居住者の高齢化とともに、管理組合の役員のなり手不足などの問題もおきていますが、一方では、自分たちの交流をはかる、マンション住民や管理組合のネットワ−クが広がっています。行政としても、当事者による自主的な取り組みをさまざまなかたちで支援していくことが望まれます。同時に、そういう積極的なとりくみをする人が住んでいないマンションほど、大きな問題を抱えている場合が少なくありません。自治体・行政としても、実態調査や相談窓口の充実、住宅マスタ−プランで方針が出されている管理組合のネットワ−クづくりへの支援など独自の対応が必要ではないでしょうか。

第3に、給水設備のメンテナンス費用についてですが、マンションの住民は、水道メ−タ−の取替え費用の負担、給水設備のメンテナンスや水質検査など1戸建てに住む人にはない特別の費用負担があります。戸建て住宅は市の管から戸別メ−タ−を通じて家庭内にいきます。一方マンションは、市の管から大口メ−タ−を経由して敷地内配管を通って、受水槽に入り、揚水ポンプで高架水槽に送られ各戸メ−タ−を通って家庭にいきます。このようにマンションには戸建てにない給水設備があり、そのメンテナンスに管理組合はかなりの金額をようしています。

  管理組合は伊丹市から供給された「水」をマンションにある設備を使って各戸に給水しているだけです。本来各戸に「安全で良質な水」を供給する責任は伊丹市にあり、マンションにある給水設備はその手助けを行っているのです。給水設備の維持管理にかかる費用のうち、メ−タ−の取替えや水質検査、給水設備の洗浄など法令で義務づけられている事に対する公的支援はあってしかるべきではないでしょうか。以上の点から当面、@多くの市で実施している各戸水道メ−タ−の取替えに当たっては申請のある管理組合に対して市が助成すること、A年一回の水質検査を無料で行うこと、B高架水槽、受水槽洗浄の費用を助成することの三点を要望し、第一回目の質問とします。