日本共産党議員団の代表質問 2007年9月議会

日本共産党 伊丹市会議員  かしば優美議員

 

1、市財政について――2006年度決算および国の地方財政政策とのかかわり

(1)増税となった個人市民税――負担軽減対策を求める

@    税にかかる控除の市民への周知徹底について

      ――要介護認定者の障害者控除と寡婦(寡夫)控除

  A個人市民税減免制度の拡充を

  B改めて高齢者に対する減免の拡充を求める

(2)国による税制改正の市民への広報内容に関して

  @定率減税が“暫定的”におこなわれてきたというのは、政府説明を鵜呑みにしたもの

  A税源移譲に関して、「所得税と市県民税の合算では負担は増えない」との説明は事実に反する

(3)新・財政健全化法の成立と影響について

   今年6月に成立した地方公共団体の財政の健全化に関する法律は、国が地方に対して従来以上に住民サ−ビスの切り下げ、

   職員の削減等を強要することになるのでは。

2、伊丹市行財政運営改善計画(第5次行革大綱)がもたらしたもの

(1)職員定数の削減とその影響について

   職員定数適正化により、2006年職員数は前年対比で60人も減員となっている

(2)財政健全化計画の見直しを

(3)母子・障害者(児)福祉金事業、福祉医療制度市単独上乗せの復活を

3、岐路にたつ介護保険制度

(1)制度導入後はじめて介護認定者が減少したことについて

(2)深刻な介護取り上げ――特殊寝台、車イス利用者が激減、軽度の人のサ−ビス利用率が低下

(3)介護費用抑制がもたらすもの――-訪問介護、通所介護が大幅減

(4)介護予防事業の実態と改善方向について

4、公立保育所の民営化計画について

   市の「結論先にありき」の姿勢には何の道理もない。民営化計画はきっぱりと中止すべきである。

5、公共施設の再配置計画と図書館の移転について

   「良いことではあるけれども、もっと優先してやらなければならないことがあるのでは」

   ――パブリックコメントの結果を重く受とめるべき

6、地域経済の振興、中小業者対策の強化を求める

(1)小規模工事登録者発注制度の創設を早期に

   産業振興ビジョンに・アクションプログラムに位置づけされているにもかかわらず、

   実施するうえで何が障害になっているのか。

(2)地域振興条例の制定を

   市内事業所や従業員数が減少し続けるなど中小企業は依然として厳しい状況におかれており、

   企業の撤退による影響も大きい。

   八尾市の「地域経済振興条例」などに学び中小企業の振興を軸にした町づくりを。

7、教育問題

(1)成立した「教育3法」にたいする市教育委員会の見解をうかがう

(2)公立幼稚園の今後のあり方に関して

  @教育ビジョンに示された公立幼稚園の適正規模・適正配置の基準とは

  A他に誇るべき一校区一園制の堅持を

8、市立伊丹病院の今後のあり方について

(1)市は、「財政健全化」を理由に病院への補助金を削減すべきではない

(2)8月9日に立ち上げた伊丹市地域医療体制整備推進本部の推進内容は?

(3)地域医療に関連して――特に病診連携について

   現閉鎖病棟を開放病床の拡大に活用しては?かかりつけ医と病院との結びつきを強める方策を 

代表質問趣旨

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表し通告に従って質問を行います。当局におかれては極力簡潔な答弁をお願いします。

 さて今議会に各会計の2006年度決算が報告されています。2006年度はどのような年であったのか。国政の上では小泉内閣の構造改革、すなわち社会保障など政府の機能縮小と大幅な規制緩和、市場原理万能を特徴とする新自由主義に基づく改革は、格差と貧困を拡大し国民生活の矛盾を激化させるとともに、一方でその破綻が明らかになりました。同時に地方にたいしては新地方行革指針を押し付け、公務員給与の引き下げと人員の削減による総人件費の抑制、民営化の促進、福祉分野の切り捨てなど市民にとっても最悪の年でした。ただこうした政治に決して未来がないことが最近劇的に示されたわけですが、改めて決算内容を分析する中で次年度以降の施策のあり方について検討を加えることができればと思っています。

1、市財政について−2006年度決算及び国の地方財政政策とのかかわりの中でうかがいます。

第1に増税となつた個人市民税についてですが、個人市民税は税制改正による増税の影響が如実にあらわれています。2006年度決算では、前年対比10億9700万円余り増加し、この中に定率減税の廃止4億1600万円 老年者控除の廃止1億500万円、公的年金控除の縮小9900万円 65歳以上の非課税措置の廃止3800万円(2年間の緩和措置あり、平年度べ−スでは約1億1400万円) 妻の均等割非課税措置の廃止1900万円 合計6億7700万円が含まれています。

 いわゆる庶民大増税によって「個人市民税が数倍から10倍にもなった人や、

非課税から課税対象になった人が多数生じました。こうした状況を踏まえて、以下

何点かにわたって税の負担軽減対策などを求めたいと思います。

 まず現制度の市民の周知徹底について、ひとつは要介護認定者の障害者控除摘要の実態と徹底について、06年度の摘要状況を調べてみると、要支援、要介護TからVの人が該当する普通障害で133件、要介護W、Xの特別障害で63件とのこと。これは当該の認定者数の3.6%にすぎず周知徹底が不十分ではないかと思いますがどうでしょうか。

また寡婦(夫)控除の摘要実態と徹底について、老年者控除が廃止された際に、寡婦(夫)控除の年齢制限・65歳未満も廃止されました。したがって現在では「寡婦」または「寡夫」の要件に該当すれば、65歳以上でも控除がうけられます。それぞれどのように周知しているのか、市が発行している「市税のしおり」などに誰にでもわかるように明記すべきではないかと考えますが、見解をうかがいます。

次に個人市民税減免制度の拡充について、市税条例施行規則第8条による、06年度の個人市民税減免の件数と額を調べてみると、件数で172件金額は321万,5700円でした。また市税分納申請は685件です。定率減税の廃止など税制改正の影響はきわめて甚大なだけに、個人市民税減免にかかる所得要件(現在伊丹市の基準は所得600万円以下ですが)の緩和を含む対策を求めるものですが、見解をうかがいます。

次に高齢者への減免の拡充について、他市の施策を紹介しますと、たとえば京都市では、高齢者で所得金額が「135万円+扶養親族1人につき30万円」以下の場合に税額を半減しています。川崎市の「少額所得者住民税減免制度」では、規則で定める金額以下の少額所得で生活が困難と認められる場合に減免し、規則で生活保護基準額などをもとにした金額の算定方法を定め、その金額以下の所得ならば住民税を免除しています。高齢者に税制改正のしわよせが集中しているだけに、伊丹市でも独自の減免制度の創設を強く求めるものです。当局の見解をうかがいます。

第2に、国による税制改正の市民への周知内容に関してですが、

定率減税廃止にかかわって、伊丹市市民税課が作成したチラシに[定率減税が廃止されます]との説明文章があります。その中に“平成11年度から景気対策のため暫定的に行われてきた定率減税が、・・・”とありますが、これは政府の言い分を鵜呑みにしたものであり正確ではないと思います。

定率減税について、1999年当時提案者の大蔵大臣であった宮沢喜一元首相は、減税法案の提案理由説明で「将来抜本的な見直しを行うまでの間、早急に実施すべき所得税および法人税の負担軽減措置を講ずるものであります。いわゆる恒久的な減税の具体的内容を定めるものであります。」と説明しています。99年から7年経過していますが税制の「抜本的見直し」は行われておらず、この点からみても定率減税の廃止は道理がないのですが、導入時の説明やその後の経過からみても定率減税は「恒久的減税」として導入されたものであり、暫定的とはいえないと思いますがどうでしょうか。

また税源移譲に関して「所得税が減る分だけ市県民税が増え負担は変わりません」と述べています。しかし日本共産党が国会でも指摘した通り、2006年に比べ07年に大幅に所得が減った人の場合、税源移譲分だけでも所得税住民税合わせた額が増税になることを政府自身認めています。当該するケ−スとしてサラリ−マンがリストラ、退職した場合で、その影響はかなり広範囲に及ぶとしています。政府の言い分をそのまま広報するあり方には問題があるのではないでしょうか。

第3に、新・財政健全化法の成立と影響についてであります。

今年六月に成立した地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)の要は、@「健全化判断比率」として、これまでの実質赤字比率に加えて、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の三つをくわえていること、A「健全化判断比率」が一定数値以上になった場合、「財政健全化計画、あるいは「財政再生計画」を定めなければならないB2008年度決算から摘要する、などです。

もちろん私たちは、地方自治体の財政を健全に運営することに異議を唱えるものではありません。しかし、今回の法案は準備も審議も本当に地方自治体の実情をふまえて慎重におこなわれたとはいえません。「早期健全化基準」や「再生基準」など重要内容が今後政令などで定めるとしていますが、その基準設定いかんでは、少なからぬ自治体に新たな困惑をもたらしかねません。今回の健全化法が伊丹市のように市立病院や公営交通をもつ自治体にとって、こうした企業会計などの赤字も対象にするとなると、たちまち「早期健全化」、「財政再生」の団体になりかねません。

 総務省は新法を念頭において財政健全化にとりくむよう自治体に要請しています。伊丹市を含め全国の自治体は、事実上の国の指導による「集中改革プラン」にもとずく行革をすすめていますが、それを上回る行革、住民サ−ビスの切り下げと負担増、職員のいっそうの削減と労働条件の切り下げ、公営企業の民営化・撤退などが打ち出されることが危惧されます。当局の財政健全化法に対する見解を求めます。

 

次に新行財政運営改善計画(第5次行政改革大綱)がもたらしたものであります。

06年度の新行財政運営改善計画・財政健全化にかかる取り組み状況は、昨日の本会議答弁で明らかにされています。全体の削減予定額20億4200万円に対して23億3400万円の到達となっており、うち職員定数の適正化、賃金カット等で7億9500万円、指定管理者制度の導入で1億8千万円、母子・障害者福祉金事業・敬老祝い金給付事業の廃止と福祉医療制度の見直し合わせて2億3400万円などが主な内訳であります。以上の点を踏まえて3点質問します。

第1に職員定数の削減とその影響についてです。

職員定数適正化(職員の削減)では削減予定額2億8100万円に対して倍近い

5億3800万円の削減となっています。その原因は、計画当初は退職者と採用者の差引で、17年度に対して24人の減員を想定して削減額を算定したが、勧奨・普通退職者の増加等で、60人の減員となったことにより差異が生じたものであると聞いています。つまり当初の予定より36人も減員になったというものであります。減員の60人の内訳は民生部門16人、衛生部門7人、教育で36人などであり、さらに同時期に非常勤嘱託職員は46名増、また臨時職員は一般会計部門でじつに100人も増加しているのです。

こうした実態・状況は職員の長時間過密労働をもたらし、嘱託・臨時職員の増加

などは不安定雇用をますます拡大すること、いっそう増大、多様化する市民要求に的確に対応できるのか、たいへん危惧するものですが当局の見解を求めます。

第二に財政健全化計画の見直しについてであります。

 昨年度は前述したように健全化による削減額が予定より3億円近く上回っています。さらに今年度以降いっそうの人件費の縮減、公立保育所などの民営化・民間委託、事務事業の見直しなどが計画されており、初年度から健全化計画の先取りともいうべき事態となっています。当然次年度2008年以降の財政健全化計は見直す必要があると思いますが見解をうかがっておきます。

第3に、母子・障害者福祉金事業、福祉医療制度市単独分上乗せの復活に関してです。厚生労働省は離婚率の上昇により児童扶養手当を必要とする母子家庭の増加を受けて制度の見直しに着手。手当ての減額や、これまで子どもが18歳になった年度末まで支給されていた手当てを支給開始の五年後から、最高でそれまでの支給額の半分を削減するとしています。一方障害をもつ人にとっては、自立支援費の一割負担や支援費単価の切り下げによる施設運営の困難化など一段と厳しい状況になっています。「格差と貧困」をもたらす政治の影響を大きく受けている母子家庭や障害者の健康と暮らしを守ることは行政の最低不可欠の役割ではないでしょうか。改めて母子・障害者福祉金事業、福祉医療制度市単独分上乗せの復活を求めます。

 

3、介護保険について

 昨年4月から予防重視型への転換を図るとして新たな予防給付が導入されるなど全面的な法改正により、介護保険が重大な岐路にたたされていると実感します。そのことは本市の実態や会計決算にも如実に表われています。介護保険制度が始まって以来初めて認定者数や居宅、施設合わせた介護給付費が前年と比べて減少しているのが大きな特徴です。以下決算内容に即して数点うかがいます。

第1に介護認定について、65歳以上の高齢者が前年に比べて5.9%増加しているのに、認定者数が逆に減少していますが、当局はどのように受止めていますか。

第2に深刻な介護取り上げです。「新予防給付」の実施など、「自立支援」や「介護予防」を口実に、軽度と決めつけた人から「介護とりあげ」がすすめられています。伊丹市では介護ベッド(特殊寝台)の利用者数は05年11月には要支援、要介護Tの人で438人だったものが、法改正後の去年11月にはわずか15人と実に96%も減少、車イスの利用者も同じく274人から75人へと73%も減っているのです。

 また「新予防給付」の対象となる「要支援1」を「介護給付」を受けられる「要支援」と比べると、要介護度は大きく変わらないのに、利用者率(認定者数に占める受給者数の割合)をみると、法改正前の要支援認定者が約65%の利用率であったのに対して、新予防給付となつた要支援Tの人は昨年12月の時点で60%と低下しています。介護保険で介護や支援が必要と認定されても、介護保険サ−ビスが使えない人が大量に生まれているのではないでしょうか。

第3に介護費用抑制について 

決算資料によると前年に比べて訪問介護サ−ビス、通所介護(ディサ−ビス)などが大幅に減少しています。訪問介護サ−ビスの減少は、新予防給付の場合「同居家族があれば基本的にヘルパ−派遣は認めない」などの制度改悪の影響が大きいな原因です。またディサ−ビスについては、食費の全面自己負担化などの利用者負担増とともに、事業所に対して一ヶ月の利用者が900人を超えれば90%の減算請求をしなければならないなど、利用者、事業者双方に対する露骨な介護抑制であります。「誰もが安心して介護を受けることができる」という当初の理念とまったく逆行する制度になっているのです。

4に介護予防事業の実態と改善方向についてであります。

 介護度が軽い高齢者が新予防給付に移行するにあたり、介護予防ケアプランを作成する包括支援センタ−の体制についてこれまでも改善を求めてきました。しかし決算に関する報告書によると、新予防給付に該当する要支援1、2の高齢者約2千人に対してケアプラン作成数は1,460件にすぎません。また介護保険の対象となる前の高齢者を対象にした「介護予防事業」について、事業計画では当初65歳以上の高齢者の4%(「特定高齢者」)が対象とされてきましたが、今年7月末現在で特定高齢者と決定された人は0.9%(328人)にすぎません。介護予防や高齢者の保健福祉の事業を、「地域支援事業」として介護保険に吸収したことなど、高齢者福祉における公的責任の後退です。行政の支援を飛躍的に強めて包括支援センタ−の機能・体制を引き上げる必要があると考えます。それぞれについて当局の見解を求めておきます。

 

4、公立保育所の民営化について 

すでにご承知のように、6月2日に提出された伊丹市立保育所民営化計画に関する懇談会の提言書は、「公立保育所の民営化は在園の子どもたちには特にメリットはない」、「現時点での全園を対象とする民営化の推進は困難である」と結論づけています。

 党議員団は、市立保育所民営化は市の保育行政への責任放棄であることを主張するとともに、2万5千人の「民営化反対」の声は文字通り「民意」であり、「懇談会」の提言書内容を文字通り真摯に受とめることを繰り返し求めてきました。しかし市長および当局は一貫して、2006年2月の福祉対策審議会答申と同時期に策定された「行財政運営改善計画」にある“民間でできるものは民間に委ねる”との方針に固執し、今年6月定例市議会本会議での中村議員の質問に対するこども部長の答弁でも「保育所民営化計画の策定に向けた検討を行っていきたい」としています。 そしてできるだけ早い時期に「民営化計画素案」をまとめ議会に報告するとしています。

 しかしこうした市の「結論先にありき」の姿勢には何の道理もありません。「懇談会」でおよそ9ヶ月間かけて議論してきたことは一体何だったのかということです。ただ「財政健全化」だけの視点で民営化をごり押しする姿勢には、公の責任を果たす態度や、伊丹市まちづくり基本条例の目的・基本理念にそった行政をすすめていく立場がまったくみられません。きっぱりと保育所民営化計画は中止すべきですが、当局の見解をうかがいます。

5、公共施設の再配置計画と図書館の移転についてであります。

 公共施設の再配置計画と図書館の移転にかかる議論の中で、大きなウエイトを占めているのは財政問題です。巨費を投じる事業であるだけに、現市財政との関連で議論が集中するのは当然です。当該事業の財政上の裏づけは、第4次総合計画後期事業実施計画の中に一部位置ずけられています。具体的には、図書館の移転新築については、土地の買戻し事業費として26億4,900万円、新図書館整備費等で26億5,400万円、保健センタ−の機能拡充等を行うための費用は約6,000万円となっています。その他の財政計画は未定であり、次期の総合計画のもとに事業実施計画がつくられ財源を明確にすることになっています。 ただしこれらの事業費を生み出すために、市は「行財政運営改善計画」の中でさまざまな福祉切り捨て、民営化を計画・実行していることは前述した通りです。

 そしてこの間社会教育施設(新図書館)等整備基本計画などにかかるパプリックコメントが実施されその結果が公表されました。「基本的に賛成」との意見もある一方でかなりの部分は「新図書館計画はすばらしいと思っています。しかし今緊急に取り組まなくてはならない課題でしょうか」「市民病院の事態を解決するほうが優先ではないか」「財政が厳しいことを理由に保育所民営化を打ち出しながら、新図書館に多額の費用をかけるのはおかしい」「増税で市民が苦しんでいる時に無駄使いではないのか」など疑問・反対の意見です。

 市長は議員総会の場で市民に対して十分「説明責任」をはたすとしていますが、説明責任とは一方的に説明すればこと足りるものではありません。「説明責任」とは熟議を通じて何よりも市民の理解を得ることであります。いま「格差と貧困」をもたらす政治のもとで、くらしや医療が壊されつづけています。この状況の中で最大限、市がくらしと安全を守る役割を発揮しこのことを市民に示す中でこそ、新図書館建設や公共施設の再配置計画にも理解を得ることができると考えます。当局の見解をうかがいます。

 

6、地域経済の振興、雇用の拡大について

第1に小規模工事登録者発注制度の創設を早期に求めるものです。

 今年3月議会本会議で、党議員団の上原議員は埼玉県の取り組み実態も紹介しながら、地域の中小企業を応援し、地域経済活性化の方策として小規模工事登録者発注制度の創設を再度求めました。これにたいし当局は「この制度を検討する必要があるとして、昨年度策定した産業振興ビジョンのアクションプログラムに位置付けておりまして、現在、他市の実施状況の調査や契約規定との整合性など制度化の可否を含め関係団体や庁内調整を行っています。」との答弁でした。しかしこの答弁は昨年同主旨の質問をした時とほぼ同じ答弁です。産業振興ビジョンにも明確に位置付けているにもかかわらず、いったい実施する上で何が障害になっているのかを含め再度当局の見解をうかがっておきます。

次に地域振興条例の制定について、中小企業対策および町づくり関連してうかがいます。一部大手企業は史上空前の

大もうけしている反面、圧倒的な割合を占める中小企業は依然として厳しい事態におかれています。2006年度伊丹市統計書によると、1999年から2004年の5年間で市内事業所数は369率にして6%の減、従業者数では同5年間で5,077人率にして7.8%減少しています。一方企業によるリストラと不安定雇用の拡大などにより市民生活はいっそう深刻化しています。市長は今年度施政方針の中で「伊丹版企業誘致制度」を創設し、企業進出や市内企業の事業拡張などにかかる支援策を検討するといわれていますが、三菱電線、川鉄コンテナなど市外に退去する企業も後をたたない状況です。工業についても前述した伊丹市統計書によると、2000年から2005年の5年間で事業所数66率にして16.5%の減、従業者数は5,183人率にして実に24%も減少しています。このことが市民生活や町づくり、雇用などに大きな影響を与えているのは明白です。 今後も中小企業の町、住宅産業都市として町づくりをめざすために、大阪・八尾市の「中小企業地域経済振興基本条例」のような地域振興条例の制定を求めるものです。八尾市の条例はその目的について「市の活力ある発展に重要な役割をはたしている市域中小企業の振興について基本となる事項を定めることにより、市の産業集積の維持発展を促進するとともに、社会経済構造の変革に的確に対応した地域の健全な発展を推進することによって、調和のとれた地域社会の発展に寄与することを目的とする」とうたっています。その中で市の責務、中小企業者等の努力、市民

の理解と協力に加え大企業者等の努力という項目があります。ここでは「大企業者等は、中小企業と大企業が共に地域社会の発展に欠くことのできない重要な役割をはたすことを認識し、地域経済の振興に努めるものとする。」とあります。大企業は下請け等企業との関係はもとより、最近ではその進出、撤退も地域、社会に与える影響がきわめて大きいことは明らかです。将来にわたる中小企業対策や町づくりのためにも「地域振興条例」制定の意義は大きいと考えますが、見解をうかがいます。

 

7、教育問題について、まず成立した「教育3法」に対する市教委の見解を求めます。

先の通常国会でいわゆる「教育三法案」が可決されました。教育三法案は昨年暮れに強行成立した改悪教育基本法の具体化のための法案です。

まず学校教育法の一部改正の主な内容は、@義務教育の目標に「伝統と文化を尊重し、それらを育んできたわが国と郷土を愛する態度」「規範意識」などを新たに加えたこと。A今回新たに幼稚園、小学校、中学校に副校長、主幹教諭、指導教諭という職を置くことができるようにしたことです。

  改正法は、「わが国と郷土を愛する態度」「規範意識」など多くの徳目を義務教育の目標としてかかげ、その達成を義務付けています。これは国が特定の価値観を子どもたちに強制し、憲法に保障された内心の自由を侵害することになります。子どもたちを特定の鋳型にはめこむ徳目の押し付けはやってはなりません。

  またこれまでの教員組織を大きく変え、校長、副校長、主幹教諭、指導教諭、それに教諭というまさに職階による上位下達の体制としています。これは上からの統制を強化するもので教員の自主性・同僚性が奪われ、教員のチ−ムワ−クややる気をうばって行くものです。

教育職員免許法等の改正では、教員の免許状に10年の有効期間を定め、大学などで行う30時間の講習終了を免許更新の条件としました。教員の切実な願いは「もっと子どもたちと向き合える時間が欲しい。子どもたちのための授業準備がしたい」というものです。こうした声にこたえることなく、導入される免許更新制による官製研修の押し付けは、教員の資質向上につながらないばかりか、教員自身の自主研修を困難にするものです。また十年で教員の免許が切れるというやり方は身分の安定と保障を求めたILO・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」に反するものです。指導力不足教員の「厳格化」も教員への圧力となりかねず、教員の活動を萎縮させるものです。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正は、教育委員会のあり方と国との関係を改めるもので、文部科学大臣による「是正・改善」の指示があらたにもりこまれました。

  教育委員会への国・文部科学省の権限強化は、教育の地方分権・地方自治の原則に反するものです。国会での答弁では未履修問題やいじめ問題などを理由に、教育委員会に対する「是正の要求」を設けたと説明してきましたが、審議を通じて「日の丸・君が代」の実施もその対象になることが明らかになりました。これでは学習指導要領や教育振興基本計画の強制の手段に使われかねません。それぞれについて見解を求めます。

次に教育ビジョンに示された公立幼稚園の適性規模・適性配置の基準についてですが、学校教育審議会は昨年4月18日に第一回目の会議が開催されて以降、今年8月で第14回目を数えています。同審議会へは@幼児教育の公私の役割分担 A公立幼稚園の適性規模・適性配置B幼保総合施設の三項目が諮問されています。

教育ビジョンの中に、幼児期教育の一翼を担う幼稚園に関する記述があります。

今後の幼児期教育のさまざまな課題に対応するためとして、公立幼稚園における「一小学校区一幼稚園制の見直し」等が述べられています。これまでも公立幼稚園の規模について種種議論があり、2001年7月の第4次幼稚園教育協議会の答申では、4歳児については30人学級編制が望まれるとか、1学級の人数について「少なくとも15人程度は必要」などとしています。現在4歳児は30人学級、5歳児は35人学級となっています。

今こうした幼稚園の基準について、小学校では低学年から35人学級が拡大していることを勘案すれば、5歳児についても現35人学級を30人学級に改めていくなどの改善が求められていると思いますが見解を求めます。また伊丹の公立幼稚園「一校区一園制」は他市にないすぐれた制度で高く評価されています。そのメリットとは@家から近く安心して通園できるA保育料が低廉で家計に負担をかけないB幼小の連携が行いやすい等があげられます。こうしたメリットを将来にわたって生かした幼児施策が必要だと思いますが見解をうかがっておきます。

 

8、市立伊丹病院の今後のあり方についてうかがいます。

第1に「財政健全化」と病院経営です。06年度行財政運営改善計画・「財政健全化」にかかる見直し項目取り組み実績によると企業会計・特別会計への補助・繰り出しの見直しで1億8000万円の減となっており、その中で市立病院への繰り出し減は1億円と聞いています。自治体病院が地域の中核的医療機関として、高度・先進的医療、特殊医療、政策医療を推進する責務があり、「財政健全化」を理由に補助金の削減はすべきでないと考えますが、見解を求めておきます。

日本共産党は今年2月7日に「深刻な医師不足を打開し、『医療崩壊』から地域をまもる提案」を発表し、その解決に全力を尽くしています。また私たち市議団も病院との話し合いを行い、議会の場でも改善策を提案してきたところです。こうした中で伊丹市は8月9日、地域医療体制の充実に向けて推進本部を立ち上げました。これまでも医師確保に向けての努力や病診連携、病病連携の取り組みは行われてきましたが、今後の重点課題をどのように認識され推進されようとしているのかうかがいます。

最後に地域医療連携の強化についてであります。

 いま自治体病院が地域の中核的医療機関として生き残るためには、地域医療を担う診療所などと密接に連携していくことがとりわけ重要になっていると思います。

 今年8月初めに生活企業常任委員会で視察した石川県・小松市民病院(石川県南加賀医療圏の中核病院として371床を有する総合病院です)では地域医療連携室を中心にさまざまな取り組みしています。年に1回程度地域医療連携推進事業運営委員会、開放型病床運営委員会、小松市医師会小松市民病院連絡協議会など開催。患者の立場から地域の開業医と協力し、「共同診療システムの推進」として共同診療カ−ドを発行。患者が2人のかかりつけ医をもつしくみで、今年3月までに114件発行しているそうです。積極的に病院広報誌を発行し、その中で連携協力医の紹介等おこなっています。また近畿中央病院では開放型病床の充実をめざして、現在121人の医師が登録していると聞いています。

 当市民病院でもたとえば現在閉鎖している病棟を開放病床の拡大に活用する、患者・市民の立場にたって病院とかかりつけ医との結びつきを強化する方策が必要と考えますが見解をうかがって第一回目の質問とします。