07年12月伊丹市議会 

上原ひでき議員の一般質問要旨

日本共産党伊丹市議会議員団 

上原ひでき議員
12月11日(火)  13時40分ごろ

1、            伊丹市社会福祉協議会に関して

 社会福祉基礎構造改革が進められる中で作成された、伊丹市地域福祉計画における社会福祉協議会の役割・位置づけに関して、次の点を伺いたい。

@    社会福祉協議会の事業費のうち、伊丹市の委託事業が6割を超えている状況についてどのような認識をされているのか。

A    地域福祉を推進する上で社会福祉協議会が果たす役割・専門性はどのように発揮されていると認識されているのか。

B    福祉活動専門員の配置、職員体制における「総務」機能は十分か。

C    「組織的整備や財政問題などについて行政等も連携しながら適切な整理をしていく」(伊丹市地域福祉計画)とは具体的に何なのか。どのように進行しているのか。

2、            子どものいじめ対策について

  11月15日に文部科学省が発表した「いじめ」の調査では、新しい「定義」のもとで、全国の小中高校でのいじめ認知数が前年度に比べて6倍以上になった。

伊丹市における調査方法・調査結果と、その結果に対する認識、いじめ問題対策会議における議論について伺う。

 

1、社会福祉協議会に関する問題について

 社会福祉協議会に関しては、この間新聞紙上をにぎわす問題がありましたが、今回の質問はあまり関係ありません。

 伊丹市においては、2003年に行政計画としての「伊丹市地域福祉計画」が策定され、その中に社会福祉協議会が位置づけされています。社会福祉基礎構造改革が進められている真っ只中で作られた計画であり、改めて伊丹市にとっての社会福祉協議会の役割について質問をしたいと思います。

 社会福祉協議会は、社会福祉基礎構造改革の中での一連の法律改廃でにおいて、社会福祉法第109条で「市町村社会福祉協議会は、…市町村の区域内において次に掲げる事業を行うことにより地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」でると位置づけられ、つぎの4つの事業をあげています。

 社会福祉を目的とする事業の企画及び実施

 社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助

 社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及び助成

 前三号に掲げる事業のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業

 この社会福祉法や全国社会福祉協議会の刊行物などを総合して市の社会福祉協議会の役割を考えてみると、次のことが言えるのではないかと思います。

・「地域福祉の推進」を目的とするものであれば地域の実情に応じて自由に取り組むことが可能な組織。

・さまざまな福祉制度の隙間を埋めるためのあらゆる方策・手段を用いることができる組織。

・制度の隙間にあるニーズに対して、関連する施設・機関に働きかけ対応のための連携・調整を図ること。

・このようなニーズがあることを住民に知らせ、住民による助け合い・支え合いの活動を呼びかけ組織化すること。

・全社協の「新・社会福祉協議会基本要項」では、「地域福祉の推進」とは「誰もが安心して暮らすことができる福祉のまちづくり」であること。その実現のために「協議」する「会」であり、そのために地域の各種住民組織や公私社会福祉事業関係者等によって構成されている。その話し合いの中から「連携」や「サービス」という新たな何かが生み出されるものであり、そのきっかけづくりをし、繋ぎ、情報を媒介させることが社協事業の本質である。…ということです。

一方、社会福祉法等8つの法律の改廃を含む社会福祉基礎構造改革によって社協事業に変化が起きてきました。すなわち、介護、障害者に対する福祉サービスが措置制度から利用者契約制度に変わったことです。このことは福祉において競争原理が導入され、サービス事業者として民間企業の参入を促進することになりました。そしてこの契約制度に変わったことによって、福祉サービスを必要とする人が利用しづらい側面を生み出し、この問題に対応するため、社会福祉法で、情報提供や福祉サービス利用援助事業、苦情解決の仕組みなどが盛り込まれています。すなわち、伊丹市地域福祉計画にも書かれていることからいえば、ここに地域福祉を推進する理由があるというのです。

そこで伊丹市地域福祉計画における社協の位置づけを見ますと、「小地域福祉拠点を拠点にした地域福祉社会創造の取り組みと、その全市レベルのネットワーク化」であり、「行政と協働して地域福祉を推進していく」こと、そして「今後、社会福祉協議会がこうした課題に取り組むため、組織的整備や財源問題などについて行政等も連携しながら適切な整理をしていくことが必要」とされています。

 社会福祉基礎構造改革によって、保育、介護、障害福祉の分野で措置制度が契約制度へと変わり、「官から民へ」の掛け声の下に指定管理者制度とともに福祉分野での委託化が進行しています。伊丹市も社会福祉協議会にさまざまな事業委託をしています。このことによる弊害はないのか。以上で述べました社会福祉協議会の本来の仕事はできているのか、という問題意識から、以下の点で質問をします。

第1に、事業委託の問題です。伊丹市社協の場合、2007年度予算では、社協予算6億7,250万円のうち介護保険や障害者自立支援法等の受託金収入が4億1,500万円で6割を超えています。事業を委託している伊丹市として、社協の財源構成において受託事業が6割を超える状況について、社協の本来業務とのかかわりも含めてどんな認識なのかお伺いします。

 第2に、伊丹市地域福祉計画で位置づけられていることと関連して、地域福祉を推進する上で社協の「地域福祉の中核機関」としての役割・専門性は、現在どのように発揮されていると認識されているのでしょうか。

 第3に、これと関連しますが、社協職員の役割は重要であり、福祉活動専門員、すなわちコミュニティワーカーの配置は十分と考えているのか。さらに、さまざまな事業を縦割りで受託していることから、「総務」機能の充実も大事かと思いますがこの点に関する認識についても伺います。

 第4に、地域福祉計画に書かれている、「組織的整備や財源問題などについて行政等も連携しながら適切な整理をしていく」とは具体的に何なのか。どのように進んでいるのかお伺いします。

2、子どものいじめ対策について

先月15日に文部科学省が発表した「いじめ」の調査では、新しい「定義」のもとで、全国の小中高校でのいじめ認知件数が前年度に比べて6倍以上の12万5,000件という結果でした。この結果に対して関係者からはさまざまな反応があります。件数が急増したところでは「教師の感度が高まったからだ」。逆に少ないところは「不登校対策に取り組んだ成果が出た」。教育関係者からは「実態とかなりずれがある」等々です。

いずれにしても、調査結果をみれば、子どもたちの他者攻撃のもとになるイラダチやムカツキ、不安感や抑圧感が、依然として高い状態にあり、その背景として、学力競争や格差社会が子どもたちを追い詰め、生活に不安感をもたらしていることがあります。さらにゲームやテレビのお笑いなどで他人を攻撃してもかまわないような風潮が広がっていることもあります。

今までは文科省などが「いじめゼロ」などの数値目標を示して達成を求め、それが要因となって「いじめ隠し」がおきていました。そのことは、いじめが多いか少ないかで学校と教員を評価するやり方が、実態を見えなくさせ、教師集団が協力して対処することを困難にしてきたとの批判がありました。今回、文科省がいじめの定義を変え、これまでの「発生件数」ではなく、いじめを受けた側が精神的苦痛を感じたと「認知」した件数を調べることにしたのは重要だと思います。

しかし、「認知」した件数を調べるとなると、子どもへのアンケート調査が必要となります。しかし実際に調査した学校は少なく、したがっていじめの認知件数は都道府県によって大きなばらつきが出る結果となりました。「データの信憑性が極めて疑わしくなる」という意見ももっともなことでしょう。

一方、伊丹市ではどうだったかと調べてみますと、前年度と変わらない結果となっています。いじめを受けた側が精神的苦痛を感じたと「認知」した件数を調べる上で、伊丹市教育委員会はどんな調査をしたのでしょうか。その調査は適切であったと考えておられるのか、また教育委員会はこの結果をどう受け止めているのでしょうか。さらに、今回の調査結果を受けて、対策本部会議ではどんな議論になったのかお伺いします。