2006年9月伊丹市議会

2005年度一般会計決算を認定することに同意できない意見

日本共産党 中村孝之議員

 ただ今、議長より発言の許可をいただきましたので、私は、日本共産党議員団を代表して、報告第9号「平成17年度伊丹市一般会計歳入歳出決算」に対して、認定に同意できない立場から意見を述べます。

 本決算は、歳入総額で対前年度比9.3%減の600億4417万5千円とし、歳出総額では対前年度比9.2%減の593億5253万円とするもので、この結果、歳入歳出差し引き額は、6億9164万5千円、実質収支額は5億0020万4千円とそれぞれ黒字となっていますが、実質単年度収支は6億6911万6千円と赤字となっています。

 2005年度における情勢の特徴は、小泉内閣の構造改革、即ち社会保障など政府の機能縮小と大幅な規制緩和、市場原理万能を特徴とする新自由主義に基づく改革が国民生活と矛盾を激化させると共に、その破綻が明白となりました。

加えてルールなき資本主義のもとで貧困と社会的格差の新たに広がったことです。 伊丹市においては、生活保護率や教育扶助・就学援助を受けている児童生徒が大幅に増え、格差社会は顕著となりました。

 審議の中で、2005年度の給与所得者の市民一人当たりの年間平均所得は、2004年度の355万1千円から351万7千円に、3万4千円も減少し、5年前と比較すると24万4千円も減少していることが明らかになりました。

一方、納税者数については、政府の増税押付けなどで2005年度と比べると逆に1,300人も増加していますが、不安定雇用が改善された結果のものではありません。

 このような中で、2005年度の本市に求められたのは、小泉内閣による国民生活破壊の政治から、市民の暮らしを守り応援する施策でありました。以下順次意見を述べます。

 

まず歳入についてであります。

市税に関しては、個人市民税では、政府の税制改正により、配偶者特別控除の配偶者控除への上乗せ部分の廃止や、それらに伴う納税者の増加により、前年度比3.9%増の83億6243万1千円となり、法人市民税では、前年度比1.7%減の22億2942万3千円、固定資産税では、0.7%減の134億6381万1千円となりました。

答弁の中では、自民・公明党が与党の政府の税制改革などによる増税やそれによる納税者の増により、今後個人市民税では、個人所得の減に反比例して税収は増加すると述べられましたが、市民の暮らしはさらに大変な状況となっています。

また、小泉内閣の三位一体改革の下、この3年間で地方交付税は8億9千万円減となるなど、国から地方への財政支出の削減が一層進んでいることも重大です。

本年9月には、総務省は来年度からさらなる地方交付税の削減に向け、人口と面積で算定する新型交付税の導入を発表しましたが、伊丹市はこれらの動向に対し、自治体の財源を確保するためにもこれまでの地方交付税の役割を守るよう、政府に対し強い取り組みを要望しておきます。また国有資産等所在市町村交付金の対象の拡大を国に求めることも要望しておきます。

 

次に歳出についてであります。

その問題点の第一は、同和行政・同和教育です

国による特別対策が2002年3月末に終了した以降も伊丹市は部落解放同盟の意向に沿った特別対策・同和行政を実施してきました。このことに対し、日本共産党市会議員団は市民の税金の使い方としても重大な問題であり、同和行政の終結を強く求めてきたところであります。

2005年6月の本会議での党議員団の質問に対し、藤原市長は2006年度末日をもって特別対策事業は、これ以上続けることは逆差別になるとして終結を表明されましたことについては評価してまいりました。

しかし、第1は、部落解放労働事業団への清掃等の委託料であります。決算額は、117百万円となっています。市長は、部落解放同盟伊丹支部長との協議の結果として2006年2月27日に合意した確認書は、地区住民の生活への影響が大きい、また自立への準備期間が必要として、部落解放労働事業団への清掃等委託について、2006年度からさらに8年間の延長を合意しましたが、大阪市でも3年間で見直すとしており、問題であります。

このことは、これまでの市長の議会答弁からも大きな後退であり、また委員会でも指摘しましたが、委託内容・委託金額などに透明性を欠く内容も多くあり、到底認めることはできません。また自立のためにも特別対策事業は終結するよう確認書の見直しを強く求めるものであります。

第2は、共同会館事業について・決算額は86,800千円です。質疑の中でも明らかなように、職員の配置人数や現状の職務内容に問題があり、また共同会館事業の一部をNPO法人・伊丹人権啓発協会に委託していますが、委託内容・委託料の算定に透明性を欠く内容があり、それぞれ見直しを強く求めるものである。

第3は、昭和47年に策定された伊丹市同和教育基本方針は見直すと答弁されましたが、当然のことであり遅すぎます。教育委員会は、決算委員会の中で同和教育は一定の成果を上げたと答弁されており、同和教育は終結すべきであります。また、人権・同和教育指導員についても、特定の運動団体からの指導員の委嘱は必要でなく、中止することを強く求めておきます。

 

問題点の第二は、福祉医療制度の改正についてであります。

兵庫県は、昨年7月より財政健全化の一環として老人・乳幼児医療への一部負担金を見直し、障害者・高齢障害者・母子家庭等医療への一部負担金制度を導入しました。伊丹市も兵庫県の見直しに併せ、乳幼児の〇才を除き、兵庫県と同様の改正を行いました。

さらに2006度より、県制度への上乗せを継続していくことは財政的に困難とし、障害者への医療費の市単独助成を廃止しましたが、障害者自立支援法による障害者への定率負担の押し付け等の中で、経済的負担を軽減するためにも、伊丹市独自の支援策として、福祉医療助成制度の復活を求めるものであります。

 

問題点の第三は、教育における日の丸・君が代の問題です。この法制化にあたっての政府の見解でも、国民に日の丸の掲揚、君が代の斉唱を押し付けるものではないとしています。しかし教育委員会は、国民に強制できないものを学習指導要領に基づき、入学式・卒業式で教師や児童・生徒に押し付けています。学校教育に混乱を持ち込み、憲法第19条に規定する思想及び良心の自由を踏みにじるものであります。本年9月21日、卒業式や入学式などで日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱するよう義務付けた東京都教育委員会の通達は、違憲・違法だとした東京地裁の判決が出されたが、伊丹市としても判決を尊重し今後中止すべきであります。

以上問題点を指摘しましたが、2005年度決算審議を踏まえ、要望すべき点についていくつか触れておきます。今後の施策の中で実現を求めるものであります。

第1は、藤原市長は、市政運営の基本方針の中で「元気な市役所づくりを推進する」とされています。しかし、ここ数年の市職員の在職死亡者は近隣他都市と比べても突出した件数になっており、この原因を分析し改善することこそ、市民の期待に応えられる市役所となるものです。職員の健康管理面に関し充分な対応を強く求めておきます。

第2は、伊丹空港問題であります。今日においても航空機騒音に係る環境基準は達成されておらず、空港周辺の住民は永年にわたって改善を要望されてきております。今議会に「大阪国際空港との共生都市宣言を求める請願」が出されていますが、空港周辺地域住民の理解が得られるような対応を求めるものであります。

第3は、池尻地先に(仮称)イオン伊丹西ショッピングセンターの出店が計画されていますが、中心市街地の活性化に逆行するものであり、商業者・市民の声などが反映された取り組みを強く求めておきます。

第4は、市民の安全・安心の立場から、歩行者に危険なJR踏切道の拡幅に向け改善を求めておきます。

第5は、障害者雇用問題です。障害者自立支援法が施行され1割負担が導入されるなど負担が大変となりました。この法律の柱の一つであります障害者雇用の促進については特段の取り組みを求めておきます。

以上主な点について述べましたが、その他委員会で要望しました点は、ぜひ来年度の予算に反映していただくことを求めるものであります。議員各位のご賛同をお願いいたしまして、討論といたします。