2006年9月伊丹市議会
かしば優美議員の個人質問(要旨)
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市立伊丹病院―今後に向けた課題 1、「経営健全化計画」の考え方について (1)病床数見直しの検討に言及していることについて (2)入院は拡大、外来は縮小とするねらいは? (3)医師の確保に向けた取り組みについて 2、医業費用のうち特に材料費の見直しを (1)後発医薬品購入の改善を (2)医療器機・医薬材料の購入にあたって (3)薬や診療材料の共同仕入れについて |
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ただいま議長より発言の許可をえましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告に従い市立伊丹病院−今後に向けた課題ついて質問します。 今日市民や自治体病院を含めた医療機関は、一口に言えば医療費の総抑制を史上命令とする政治のもとに置かれているということです。そのために患者には負担を重くして病院から遠ざける、全体として病院のベッド数は減少させる、診療報酬の相次ぐ引き下げなどその具体化がすすめられてきでいます。この結果、市民の健康や病院経営が大きな打撃をこうむっているといえます。 2005年度決算でも明らかになっているように、入院、外来患者数の大幅な減少や収益的収支では単年度で3億8千万円の赤字を計上するなど市立伊丹病院をめぐる状況はたいへん厳しいものがあります。こうした中、8月8日生活企業常任委員協議会に、2006年度から2010年度までの第3次「市立伊丹病院経営健全化計画」中間報告が行なわれました。以下この報告の内容にも触れながら数点にわたってお聞きいたします。 まず「経営健全化計画」の基本的な考え方の中で、第一に病床数の見直しの検討に言及していることについてであります。 はじめに指摘しておきたいのは、患者の減少は決して病人が減ったことではないということです。国の医療改悪によって病院にかかりづらくなった結果であります。また入院患者の在院日数の減少は医療の進歩の側面もありますが、患者が二週間程度で退院を迫られ次の病院を探さなければならないなど、病院が退院を急ぎすぎる側面も否定できません。 05年:決算で病床利用率が85.3%にまで低下している理由として、平均在院日数の短縮や医師の欠員などと説明されています。しかし、国の医療制度の示す方向は今後療養病床を中心として大幅なベッド数の削減を計画しており、近い将来市民にとっては逆に入院ベッドの確保が難しくなることも十分に考えられます。目先の数値の悪化を懸念されることはわかりますが、あくまでも市民が安心し信頼を寄せられる病院にしていくためにも長期のスタンスで考える必要があります。 ですからさまざまな難しい条件はあるにしろ、病床利用率は引き上げの努力をしつつ414床のベッド数は維持していくべきでないかと考えるものです。 第二に、入院は拡大、外来は縮小とする計画のねらいについてです。 「財政健全化計画」を見ますと、病床利用率は05年85%を2010年には90%にするとなっています。一方一日あたりの外来患者数は現計画の目標値1,350人を2010年には950人と大幅な縮小となっています。2005年度の実績が983人ですから、「外来患者はそんなに市民病院にきてもらわなくても良い」ということでしょうか。 適切な病診分担は必要でしょうが、市民病院が総合病院だからこそ信頼を寄せる市民患者も多いはずです。また収益の大幅な減少している中、当面の事態を乗り切るためにも外来の患者を増やし収益をいかにあげるかについて知恵をしぼる必要があると思いますが見解を求めるものです。 第三に、医師の確保に向けた取り組みについて、 午前中の質問にもあったように、新臨床研修医制度や全国的な小児科医の不足などによって病院の医師不足は現在公立、私立病院を問わず大変深刻な問題となっています。全国自治体病院協議会会長の小山田恵(こやまだ けい)氏は「年間実質五千人の医師が増加していますが、病院勤務する35才〜45才の医師が過酷な勤務から解放され、収入の多い個人開業にながれている」と語っています。そして「こうした流出を食い止めるためには、労働条件と待遇を改善するしかない」とも指摘しています。私たちも一市民病院の努力だけではなかなか解決できない課題だと思いますが、医師の確保には最善の努力をはかっていただきたいと思います。見解をお聞きしておきます。 次に医業費用のうち特に材料費の軽減は不可欠という点です。そのひとつは後発医薬品購入の促進についてであります。 後発医薬品とは、製造方法などに関する特許権の期限が切れた先発医薬品について、特許権者でない医薬品製造企業がその特許内容を利用して製造した同じ主成分を含んだ医薬品をさします。商品名でなく有効成分名をしめす一般名で処方されることが多い欧米にならって、近年、「ジェネリック医薬品」と呼ばれるようになっており、後発医薬品は先発医薬品に比べて3〜8割安価だといわれています。 生活企業常任委員協議会に提出された「第三次病院経営健全化計画」中間報告の資料に、これまでの実施状況があります。この中で2003年から05年にかけて後発医薬品67品目を採用して推進してきたとしていますが、薬剤経費がいくら節減できたのか明記されていません。 そこで@現在病院での後発医薬品の品目数と全品目に対する割合、及び後発医薬品の購入価格と全薬剤価格に対する割合はどうなっているのか、後発医薬品の普及率は、欧米では数量べ−スで5割近くを占めているのに対して、日本では1割程度にとどまっているといわれていますが、当病院も含めて普及しない原因は何かそれぞれうかがっておきます。B医師は情報提供が少なく信頼性に不安を感じる後発医薬品より、豊富な情報が提供される先発医薬品を優先しているともいわれています。今後あまり期待できない薬価差益追求よりも、市民と医師に理解と協力を求めつつ薬品費の軽減をはかっていくために後発医薬品普及に本腰をいれるべきではないでしょうか。 二つには医療器械・医薬材料の購入についてであります。 21世紀の地方自治を創る総合情報誌(月刊誌)「ガバナンス」06年9月号に特集「自治体病院の改革処方箋」を特集しています。その中で先ほども紹介した全国自治体病院協議会会長の小山田恵(こやまだ・けい)氏の「自治体病院の存在意義と改革の方向」と題する論文を掲載しています。個々の内容については問題だと感じるところもありますが、この中で小山田氏は「材料費、特に薬剤購入費が、自治体病院は民間病院より高く薬価差益が格段と少ない。医療機器、薬剤等は5〜15%高い」と述べています。 決算書にも記載されているように、05年度には伊丹病院では放射線監視モニタリングシステム(3450万円)、手術用顕微鏡(2470万円)をはじめとして多数の器械・備品を購入しています。医療器械の購入については、院内に選定委員会をもうけ、卸売り業者を通じて3社〜4社による見積もり合わせという方法をとって契約しています。他の病院では競争入札を実施しているところもあると聞いていますが、購入経費を低く抑えることは経営にとって不可欠であり、この点での当局の考え方をうかがっておきます。 三つ目に薬や診療材料の共同仕入れについてであります。「阪神北部広域行政研究会」の報告書を見ますと、医薬品・診療材料の一括購入体制の取り組み(実施済み)として、「診療材料14品目を一括購入したほか、使用頻度の限られるエイズ治療薬を共同購入することで、3市立病院ともコストを節減できた。」と記述しています。他府県でもたとえば県立病院の共同仕入れを実施した埼玉県が3〜5%コストを下げたといわれています。信頼関係があれば統合した仕入れ機構をつくって、薬や診療材料の削減に努めるべきとの意見もありますが、この点での当局の見解をうかがいます。 最後に強調したいのは、地域の中核病院としての理念を実現していくためにも、今日の病院を取りまく厳しい環境を乗り切るためにも、スタッフ全員の認識を一致させ共有することが極めて重要だという点です。 市立伊丹病院は、患者・地域住民の二−ズにこたえた患者本位の経営に徹すること、自治体との連携を強めること、コスト意識をもって職員全体で取り組んでいくとの姿勢がたいへん重要になってきていると思います。ある医療ジャ−リストは「自治体病院は、『おらが町の病院』として、地域住民の意思によってつくられた経緯がある。それを考えれば、地域の人々とのつながりを強固にする基盤があるわけで、地域住民の信頼を得て、経営を改善することはできないことではない」と指摘しています。当局の見解をうかがって第一回目の質問とします。 |