伊丹市6月議会意見書案に対する討論
2006年6月23日 上原ひでき議員
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議長の発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して、上程となりました意見書案のうち、意見書案第3号に対して反対、意見書案第4号、5号並びに7号に対して賛成の立場から意見を述べます。 最初に意見書案第3号「『仕事と生活の調和推進基本法』(仮称)の制定を求める意見書」(案)に対してであります。 本意見書案は、男性も女性も、仕事と子育て・介護など家庭生活との両立に困難を感じることがない働き方が可能となる環境整備が重要とし、省庁の枠を越えた総合的な政策が実行できるよう「仕事と生活の調和推進基本法」(仮称)の制定を求めています。 もとより、少子化傾向が続いている根本には、不安定雇用の広がりと異常な長時間労働、賃金の抑制、増税に加え出産・育児・教育などの経済的負担の増大、子育ての社会的環境の悪化など、この5年間の小泉内閣がすすめてきた大企業中心主義の政治がつくりだしたゆがみがあります。6月20日に発表された「国民生活白書」でも、週50時間以上働く日本の労働者割合は28.1%と、ドイツ、フランスの5倍に達している実態を明らかにし、「欧米諸国と比べて、仕事と生活の調和が進んでいない状況」と指摘しています。 ところが政府・厚生労働省は、このような実態を反省することなく、13日の労働政策審議会分科会に、雇用のルールを定める労働契約法の制定と労働時間法制見直しの素案を提案し、労働基準法に基づく週40時間の規制をはずし、無制限に働かせる「自律的労働」制度を持ち出すなど、「仕事と生活の調和」に逆行する政策を打ち出しています。 意見書案が指摘する「家庭生活との両立に困難を感じることがない働き方が可能となる環境整備」を実現するためには、何よりもまず小泉内閣が「構造改革」として推し進めている、大企業の利潤追求最優先の「ルールなき資本主義」による規制緩和路線をきっぱりと打ち切ることです。さらには介護保険法改正や障害者自立支援法、増税などによる国民の負担を増大させることをやめることです。このことを抜きにして「仕事と生活の調和」はできません。 意見書案ではこの視点、すなわち小泉内閣による社会的ゆがみをつくりだしたことへの反省と、「構造改革」路線の転換を求める視点が欠落しており、真の「仕事と生活の調和」のための環境整備・社会システム構築を求めることはできません。 よって意見書案第3号に対しては、反対とするものであります。 次に意見書案第4号「義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書」(案)についてであります。 小泉内閣による「構造改革」路線は、地方自治体においても「三位一体の改革」の名のもとに一層地方財政を圧迫させるものとなっています。すなわち、財源の一部を地方に移すのとひきかえに、国の責任で行うべき福祉・教育の国庫補助負担金を縮小・廃止し、地方交付税を削減することで、住民サービスの大幅な切り下げが押し付けられようとしていることです。この政府の方針に対して日本共産党議員団は反対の立場を明確にしています。 本意見書案は、義務教育費の国庫負担金に関して、義務教育における国の責務を明確にし、全国的な教育の水準を確保するために、制度そのものを堅持することを求めており、地方自治体にとっても、国民が等しく教育を受ける権利を保障する点からみても当然であり、賛成とするものであります。 次に意見書案第5号「次期定数改善計画の実施に関する意見書」(案)についてであります。 今日、子どもと教育をめぐって、学力危機の問題、モラルの荒廃の問題など様々な形で子どもたちの心と成長を傷つける深刻な事態がひきおこされています。その原因の一つは、歴代の自民党政府が憲法と教育基本法の原則を踏みにじり、国連から是正を求められている過度の競争主義と管理主義を特徴とする教育政策をすすめるとともに、教育諸条件を貧困で劣悪なものに放置してきたことにあります。 日本共産党議員団は、子どもの人間的発達を願い、教育の危機を打開していくためには、競争と管理を特徴とする教育政策を転換し、すべての子どもが主権者として必要な基礎学力、体力、情操、市民道徳を身につけることを保障する教育改革をはかるとともに、そのための教育条件を確保することが大事であると考えます。 本意見書案は、その教育条件の最も大切な教職員定数の改善を求め、少人数学級を実現することで、すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめることを趣旨とするものであり、賛成とするものであります。 次に意見書案第7号「教育基本法『改正』案の拙速な審議でなく、十分な国民的議論を求める意見書」(案)についてであります。 国会に提出され、継続審議となった教育基本法改定案は、国民主権に立った国民の教育権を否定して、それを国家による「教育権」に置き換え、主権者として一人一人の子どもの「人格の完成」を目的とする教育から、憲法改悪がめざす「海外で戦争する国」にふさわしい人間を育てあげる教育への変質を図ろうとするものであり、日本共産党議員団として反対をしています。 一方政府は、今国会で継続審議となったものの、次期国会で成立を図ろうとしていますが、何よりもまず「なぜ改定か」国民にまともな説明ができていません。またこの問題は、子どもたちの未来、日本の進路にかかわる国民的な問題であるにもかかわらず、国民的な議論になっていません。なによりも教育の憲法ともいうべき教育基本法の改定に関して、拙速な審議に終わるべきではありません。 本意見書案がこのことを踏まえ、十分な国民的議論を尽くすことを求めており、賛成とするものであります。 以上、議員各位のご賛同をお願いし、討論とします。 |