2006.3月議会保育所民営化に関する上原議員の質問と答弁趣旨
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代表質問趣旨 |
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4)「民営化」の具体的な問題としての公立保育所の民間移管について 昨年12月議会で党議員団の中村議員が、公立保育所の役割にかんして4点にわたって意見を述べ、民営化すべきではないと質しました。その一つが少子化対策の要が保育所であること、二つに公立保育所が地域の子育てのネットワークになるべきであること、三つは障害児保育や産休明け保育等保育の多様化を担うものであること、四つは地域に責任を持つ行政機関の一つであることです。答弁では公立保育所は経費が高く、民間移管によって捻出された経費で保育所の定員増を図り、様々な保育事業の充実と在宅子育て等を充実したいこと、また保育所は公立でなければならないと言うことではないことなどでした。 現在8ヶ所の公立と9ヶ所の私立保育所で伊丹市の保育事業を進めています。それぞれが特徴を生かしながら保育を充実させ、安心して子育てができる地域と自治体をつくっていくことが求められています。この立場から12月議会を踏まえて改めて次の点にかんして見解を求めます。 @ 経費負担の問題は、男女の賃金格差がなく正規職員として働きつづけることを前提とした公立保育所と、国の保育単価が低く抑えられているために職員の若年退職を前提とする経営を余儀なくされている民間保育所との人件費の違いです。東京都のある自治体では、民営化のために公募を行い、結果として公立で運営する経費に比べて半分以下、社会福祉法人の6割の経費を提示した民間企業に決定、この企業では正規職員が皆無で、園長を含むすべての保育労働者が年収200から300万円の年間契約社員及び時間給1000円以下のパートタイム労働者で、人件費を大幅に圧縮したそうです。極端な例と思われるかも知れませんが、公的保育が「官から民へ」という市場競争に置き換えられることで、社会福祉法人運営の保育所も公立保育所も非正規職員が急速に広がることになり、保育士の雇用が不安定になることで何よりも子どもにとって安定した保育が行われなくなります。 A 保育所を公務員が担っていることの意味は何かということです。憲法第15条は「すべての公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない」と規定し、公務員は憲法に定められた国民の人権を保障する責務を有します。この立場から保育士は長年にわたって培われてきた保育実践に学び、発展させ、誇りを持って仕事をされています。このことが次世代育成支援行動計画策定の過程で行ったアンケートで、0歳から5歳児の保護者は公的サービスへの期待が高い傾向にありましたが、誇るべきことです。さらに公務員の場合、この保育の仕事の専門性とともに全体性・総合性という面をもちます。保育という現場の専門性が行政一般の分野でも生かされ、伊丹市の行政全体に経験が蓄積できるということです。このことが9ヶ所の民間保育所にも波及し、全体として保育の水準を引き上げることにもなります。 B 今回の保育所民営化に関しては、保護者の中から多くの不安の声が出ています。例えば「公立から私立になったときの子どもの心の変化にどう対応してくれるのでしょうか」「子どもの権利条約の精神を尊重して議論してください」「預けている親の気持ちを無視しないでほしい」等々です。大変重要な問題であるだけに、関係者・市民とともに十分議論する必要があります。各自治体でのこの問題に対する立場は、例えば大阪・茨木市では「公立保育所のあり方に関する懇談会」で1年かけて議論されていますし、盛岡市でも「公立保育所のあり方検討委員会」で議論され、専門委員として民間の保育園の経営者も入っていますがそれらの人も含めて、ここでは存続を結論としています。いずれも関係者や専門家が入って一定の結論若しくは継続して議論するなどの意見を出されています。伊丹市でも検討すべきであります。
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答弁趣旨 |
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公立保育所の民間移管につきまして。女性就労の増加等により年々保育需要が高まっております。 また、待機児童の解消を目指しているところですが、未だ解消できない状況が続いております。 議員ご指摘のとおり、少子化社会において保育所が担う役割は大きく、増大し多様化する保育ニーズに応えるとともに、保育士の国家資格登録にもみられるように、保育所児童のみならず、すべての子どもたちの健全育成に努める施設であることは従前より充分認識しているところであります。 そこで、ご質問の民間移管についてでありますが、民間移管の主たる目的は、財源の再配分を行うことにより、就学前の総合的児童施策の充実を目的として実施しようとするものでございます。保育所の待機児童は、平成17年10月において61名となっており、未就労世帯も含めた、いわゆる暫定待機児童は316名ございます。生活維持等のために保育所へすぐに入所したい声は大きく、また、次世代育成支援行動計画策定時のアンケート結果や女性のための行動計画におけるオンブード報告におきましても、保育所の定員増加が強く望まれています。 私共といたしましては、こうした状況を踏まえ、保育ニーズに応え、かつ今後の保育需要の増加が見込まれる中、求職中の方も、安心して保育所が利用できるような環境を構築してまいりたいと考えております。 そのためにも、公立保育所の経費を見直すなかで民間移管を進め、捻出される財源でもって、保育所の定員増加を図り、併せて市民ニーズの高い、一時保育、休日保育、病児保育などの特別保育事業の充実を図り、あわせて、在宅子育て支援も含めた総合的な就学前児童施策の拡充を図ってまいりたいと考えているものでございます。 議員ご指摘の公私の人件費格差につきましては、本市の場合、その格差是正のため、市単独の補助を行っております。 また、国においては平成14年7月より、短時間勤務の保育士の導入を行いましたが、本市の常勤的正規職員率は公立で74.7%、私立で80.4%となっており、非正規職員が急速に広がるといった状況には無く、また、移管先についても、議員が例に示されました営利を追求するような主体ではなく、社会福祉法人・学校法人等、児童福祉に熱い思いをもった法人を選定してまいりたいと考えております。 次に、保育所を公務員が担っている意味でございますが、確かにこれまでは、公立保育所は統合保育事業や園庭開放、育児相談といった地域支援事業を中心に展開をし、私立保育所においては、一時保育、休日保育、長時間保育事業など、市民ニ−ズの高い特別保育事業に取り組んでまいりました。しかし、これらの事業は公にしかできない、あるいは私立にしかできないといったものではなく、それぞれの特徴をいかしながら実施するなかで、互いに切磋琢磨しながら本市の子どもたちの健全育成に貢献してきたと考えております。こうした経緯も十分に踏まえ、今後、市は保育サービスの直接供給主体から、保育サービスに関する基盤整備、すなわち民間への補助等、適正な行政負担や指導・研修の強化などに、重点的に取り組んでいくことが行政の果たすべき役割であるとの認識に立った保育施策を進めてまいりたいと考えております。また、国家資格となった保育士として特に公立保育所の保育士が持つ専門性は、今後、要援護児童支援や地域の子育て支援など、多様な次世代育成・子育て支援の分野で活かされるものと考えております。 3点目の保護者への説明青任につきましては、伊丹市福祉対策審議会の答申にもございますように、関係者や市民に説明責任を果たし、充分な議論を踏まえながら、取り組みを進めてまいります。ご指摘の関係者や専門家による委員会の設置につきましては現在のところ予定しておりませんが、保護者と担当部局による協議・検討は重ねてまいりたいと考えております。 今後とも、子育て中の世代や次代を担う若者達がこ夢と希望をもって家庭を築き、安心感と喜びを持ちつつ子育てができるように取り組みを進めてまいりたいと考えておりますのでよろしくご理解をお願いいたします。 |