日本共産党伊丹市議会議員 上原ひでき議員の代表質問要旨(2006.3月議会)
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1、伊丹市を取り巻く情勢に対する市長の政治姿勢を問う 小泉内閣の構造改革、すなわち社会保障など政府の機能縮小と大幅な規制緩和、市場原理万能を特徴とする「新自由主義」に基づく「改革」は、国民生活との矛盾を激化させるとともに、その破綻が明らかになりました。 その一つが、小泉構造改革の申し子というライブドア堀江社長の逮捕であり、民間機関でも建築確認検査を可能にしたことによる対震強度偽装事件、命と安全よりも利益優先に走ったことによるJR福知山線脱線事故などであります。これらはいずれも規制緩和、市場原理万能の構造改革そのものの破綻であります。 今ひとつは、「ルールなき資本主義」のもとでの貧困と社会的格差の新たな広がりであります。一橋大学教授・米倉 誠 一郎氏によると、「日本のGDP(国内総生産)は500兆円、フランスが159兆円。首都圏の経済圏だけで157兆円。韓国が51兆円。九州と四国を合わせると60兆円で、それだけでOECD(経済開発協力機構)に加盟できる。」それだけ日本には経済力があるそうです。 一方、OECDは、等価可処分所得の中央値半分未満の所得の人口比を「相対的貧困率」として定義して国際比較をしています。日本の場合は、2000年の家計調査をもとに計算すると、等価可処分所得の中央値は274万円で、この半分の額である137万円に満たない人の割合が貧困率となります。この計算でいきますと日本はOECD加盟国25か国中5番目に貧困率が高い国となっています。このことは、1997年と比較して生活保護世帯は全国で60万から100万世帯になり、教育扶助・就学援助を受けている児童・生徒は6.6%から12.8%に激増していることからも貧困と格差の広がりは顕著です。伊丹市においても、生活保護率は1997年度の4.1%0から2004年度には8.4%0に、教育扶助・就学援助を受けている児童・生徒は、1996年度に8.9%だったのが2004年度には21.6%に約2.5倍に増加しています。 このような現状をつくった責任はどこにあるのかという問題です。大企業・財界は正社員を減らし派遣・パートなど非正規社員への置き換えを進め、労働者の3人に1人、若者の場合は2人に1人は不安定な雇用のもとにおかれ、その8割が月収20万円未満という極端な低賃金です。格差社会と貧困が広がっている根本には、派遣労働の自由化など小泉政権がすすめた規制緩和万能路線があることはいうまでもありません。その一方、大企業は史上空前の儲けで余剰資金を81兆円にも積み上げました。 このように小泉内閣は過酷な国民生活をつくりだしながらも、大企業・大資産家への減税は温存したまま、政府の来年度予算案に盛り込まれた国民負担増は、定率減税の全廃、お年よりの医療費の値上げなど2兆7千億円にもなります。 対震偽装で国民の命を危険にさらし、ぬれて手で粟の『錬金術師』を生み出す一方で、格差と貧困によって国民から夢と希望も奪い去り、さらに庶民大増税と社会保障切捨てを行う。こんな寒々とした政治を続けていいのかが問われています。市長の見解をお伺いします。 2、「伊丹市行財政運営改善計画」について 先ほど述べたとおり、何よりも個人所得が減少している上に様々な負担の押し付けは将来の見通しが立たず、最近一年間に3万人を超える自殺者が出るなど、小泉政権の「構造改革」はまさに「夢と魅力」のない、異常としかいいようのない社会を作りました。 このような中で伊丹市に求められている行政のあり方は、地方自治法のとおり住民の福祉の増進を図ることが基本であり、その役割は益々重要であります。この点でいくつか質問をします。 1)「行財政運営改善計画」と「新地方行革指針」について 先ほども述べましたが、今や「官から民へ」、規制緩和、「小さな政府論」という流れが怒涛のごとく押し寄せています。その発信地はどこでしょうか。2003年1月、日本経団連のいわゆる「奥田ビジョン」が出され、これに対応して内閣として国のあり方を示したものが、経済財政諮問会議がまとめた「日本21世紀ビジョン」というものです。その戦略の全面に出ているのが「小さくて効率的な政府」論で、このことで財界は国と自治体の仕事を「40兆円のビジネスチャンス」と位置付けていますが、その地方版が「新地方行革指針」というわけです。そして政府はこの「新指針」に沿った計画である「集中プラン」作成と公表を自治体に迫っています。このことは、一方で地方分権を口にしながら中央集中型の手法を強めるという強引なやり方といわざるを得ません。伊丹市としては、住民の福祉増進を基本に、市民の立場からムダを省くという改革を進めるべきであり、政府の強引な指導に応じる必要はありません。(@) しかし、伊丹市の「行政改革」はこれを忠実に実行されようとしていますが、この「新指針」が自治体に求めている改革は、市民にどんな影響をもたらすかという問題です。「新指針」の中心は、公務員の給与の引き下げと「成果主義」の導入、人員の削減による総人件費の削減と、指定管理者制度やPFI、市場化テストなど自治体業務の民営化であり、これらが表裏一体のものとして出されています。いうまでもなく公務員は「全体の奉仕者」であり、住民の福祉増進のため憲法に基づき住民の人権と何よりも暮らしを守ることを使命としています。そして、住民要求を把握し政策立案に反映させるなどの政策形成にかかわることも期待され、公正・中立・安定・継続性のある業務を、個人だけでなく組織として発揮することが求められています。こういう性格を持つ公務員を減らし業務を民間に委ねるということは、自治体が本来の役割を果たすことができなくなり、住民の人権を保障し暮らしを守る機能を低下させることになると考えます。(A) 以上に対する市長のご見解をお伺いします。 2)市長の提案説明にもありましたが、伊丹市の財政が厳しいといわれているその原因は何かということです。 @ 三位一体の改革の問題は、一般財源総額は前年水準を確保したと言っていますが、国の計画でも社会保障関係費で6000億円、過去の臨時財政対策債の返済で約2000億円もの経費が増額しているのに、財源はわずか204億円の増額しかないことです。自治体が今までの水準の行政を維持すること自体が困難になるということです。 さらに、地方交付税を削減する手法としての地方財政計画の歳出抑制であります。総務省の説明を見ましても、竹中総務大臣は「一層の行革への取り組みをお願いし、中でも地方公務員の総定員を、4.6%を上回る純減をお願いする」とし、事務次官は「総額は確保したが一般歳出を2%削減した上での措置であり、今後も歳出抑制と行革が必要だ」と言い、さらに自治財政局長は「地方交付税には行革のインセンティブ算定(誘発する仕組み)を創設した」と説明しています。すなわち、「新地方行革推進のための指針」を先取りしています。もともと地方財政計画における交付税算定は、各自治体の基準財政需要額を総計した数字が先にあるわけではなく、地方財政計画による交付税総額が決められ、これに基づいて自治体全体の額が決まる方式となっています。地方交付税法第1条では「地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする」とされていますが、団体自治も独立性も無視した先に行革ありきの交付税削減があるのではないでしょうか。 A もう一つは、市税収入です。中でも個人市民税の減少が著しく、伊丹市では、1998年と2004年度を比較して、市民の総所得が479億300万円、税額で28億9100万円減少しています。これは給与所得者が約5000人減り、年金所得に変わっていることともに正社員が減らされ非正規社員に代わったことも影響しています。年金受給者の約7割は国民年金で、その平均は4万6000円という低額です。小泉政権は、このように所得が減少している上に、さらに伊丹市民に6億7700万円の増税を押し付けましたが、来年度予算における伊丹市の個人市民税の増収の中身はこの増税が主なものです。 いずれにしても市財政の厳しさは、小泉政権が進めた三位一体の改革と、労働における規制緩和、大企業によるリストラによるものであることは明らかではないでしょうか。見解をお伺いします。 3)これらのことから、今一番市民の暮らしを応援しなければならないという自治体本来の責務をはたすためにも、「伊丹市行財政運営改善計画」に盛り込まれた、敬老祝金給付事業の廃止の1650万円、母子・障害者(児)福祉金事業廃止で約3億円、市独自の福祉医療制度等の廃止で1億7500万円、合計約5億円の削減は市民の暮らしを切りちぢめることになり行うべきではありません。 見直すべき事業に関しては、一つは同和対策事業であります。党議員団は一貫して直ちに特別対策は終結することを求め、市長もこれを認められました。12月議会での市長答弁でも「誠意を持って協議を精力的に行い、関係者の理解を求めた上で実施してまいりたい」と述べられました。しかし「改善計画」にはわずかしか出ていません。 二つには、都市計画道路宝塚池田線と山田伊丹線の更なる延長は凍結すべきということです。市民の暮らしに必要な費用を削減し、これら不要不急の事業を行う手法はやめるべきであります。見解を伺うものです。 4)「民営化」の具体的な問題としての公立保育所の民間移管について 昨年12月議会で党議員団の中村議員が、公立保育所の役割にかんして4点にわたって意見を述べ、民営化すべきではないと質しました。その一つが少子化対策の要が保育所であること、二つに公立保育所が地域の子育てのネットワークになるべきであること、三つは障害児保育や産休明け保育等保育の多様化を担うものであること、四つは地域に責任を持つ行政機関の一つであることです。答弁では公立保育所は経費が高く、民間移管によって捻出された経費で保育所の定員増を図り、様々な保育事業の充実と在宅子育て等を充実したいこと、また保育所は公立でなければならないと言うことではないことなどでした。 現在8ヶ所の公立と9ヶ所の私立保育所で伊丹市の保育事業を進めています。それぞれが特徴を生かしながら保育を充実させ、安心して子育てができる地域と自治体をつくっていくことが求められています。この立場から12月議会を踏まえて改めて次の点にかんして見解を求めます。 @ 経費負担の問題は、男女の賃金格差がなく正規職員として働きつづけることを前提とした公立保育所と、国の保育単価が低く抑えられているために職員の若年退職を前提とする経営を余儀なくされている民間保育所との人件費の違いです。東京都のある自治体では、民営化のために公募を行い、結果として公立で運営する経費に比べて半分以下、社会福祉法人の6割の経費を提示した民間企業に決定、この企業では正規職員が皆無で、園長を含むすべての保育労働者が年収200から300万円の年間契約社員及び時間給1000円以下のパートタイム労働者で、人件費を大幅に圧縮したそうです。極端な例と思われるかも知れませんが、公的保育が「官から民へ」という市場競争に置き換えられることで、社会福祉法人運営の保育所も公立保育所も非正規職員が急速に広がることになり、保育士の雇用が不安定になることで何よりも子どもにとって安定した保育が行われなくなります。 A 保育所を公務員が担っていることの意味は何かということです。憲法第15条は「すべての公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない」と規定し、公務員は憲法に定められた国民の人権を保障する責務を有します。この立場から保育士は長年にわたって培われてきた保育実践に学び、発展させ、誇りを持って仕事をされています。このことが次世代育成支援行動計画策定の過程で行ったアンケートで、0歳から5歳児の保護者は公的サービスへの期待が高い傾向にありましたが、誇るべきことです。さらに公務員の場合、この保育の仕事の専門性とともに全体性・総合性という面をもちます。保育という現場の専門性が行政一般の分野でも生かされ、伊丹市の行政全体に経験が蓄積できるということです。このことが9ヶ所の民間保育所にも波及し、全体として保育の水準を引き上げることにもなります。 B 今回の保育所民営化に関しては、保護者の中から多くの不安の声が出ています。例えば「公立から私立になったときの子どもの心の変化にどう対応してくれるのでしょうか」「子どもの権利条約の精神を尊重して議論してください」「預けている親の気持ちを無視しないでほしい」等々です。大変重要な問題であるだけに、関係者・市民とともに十分議論する必要があります。各自治体でのこの問題に対する立場は、例えば大阪・茨木市では「公立保育所のあり方に関する懇談会」で1年かけて議論されていますし、盛岡市でも「公立保育所のあり方検討委員会」で議論され、専門委員として民間の保育園の経営者も入っていますがそれらの人も含めて、ここでは存続を結論としています。いずれも関係者や専門家が入って一定の結論若しくは継続して議論するなどの意見を出されています。伊丹市でも検討すべきであります。 3、中心市街地活性化並びに大型店の問題について ダイヤモンドシティ伊丹テラスの開店から3年が経過しました。開店1年目に行った買い物動向調査でも、中心市街地への影響が約34億円、中心市街地以外で102億4000万円と大幅に従来の商店に悪影響を及ぼし、中でも中心市街地の空洞化に拍車をかけることにもなっています。 一方政府は、大型店の歯止めのない郊外出店が中心市街地の疲弊や都市の無秩序な拡散を引き起こしてきたことから、規制を求める世論に押され、まちづくり3法の見直しに踏み切り、都市計画法等の改正案を国会に提出しました。今回の改正では「商業調整の禁止」条項を持つ大規模小売店舗立地法には手をつけず、大型店出店規制にとっては十分とはいえません。しかし改正案によると、大型店が出店できる地域は原則的に近隣商業地域と商業地域、準工業地域の3地域に限られることになり、一定の歯止めとなるものです。 伊丹市を取り巻く状況といえば、現在のダイヤモンドシティのほか、JR尼崎駅キリンビール跡地、「つかしん」跡などと、依然として大型店出店の予定があるとともに、三菱電線跡地にも出店の動きがあると聞き及んでいます。この地域は工業地域で、改正案が通ると出店はできません。市内におけるこれ以上の大型店出店は、既存の地元スーパーや商店に更なる影響を及ぼし、商店街と地域が疲弊することは目に見えて明らかです。届出が法改正前に出ることも考えられますが、兵庫県が新たに制定された「大規模集客施設の立地に係る都市機能の調和に関する条例」では、関係自治体との協議を早期に行うことを目的の一つとされていることから、伊丹市の立場が問われることになります。市長は大型店出店に関してどうお考えでしょうか、見解を伺います。
4、障害者自立支援法に関して 障害者福祉を大きく変える障害者自立支援法は、昨年10月31日、自民、公明の賛成で成立し、4月から順次施行されます。サービス利用への「応益負担」の導入に、障害者団体などから「自立支援どころか、自立を妨げ、権利を奪う」と強い反対の声が上がり、一度は廃案になったものです。昨年七月、党議員団が開催したフォーラムでも、障害者から「いつまで障害者は我慢しなければならないのか」との訴えや、福祉分野の行政経験者からは「この制度によって、障害者の支援が行政の責任ではなく制度を維持することが責任になってしまう」と言われました。全くそのとおりだと思います。法律は通りましたが、伊丹市には、憲法25条が保障する障害者が人間らしく生きる権利を守る責任があります。施行にあたり次の点を求めたいと思いますので前向きな答弁をお聞かせください。 1)はじめにサービス利用に対する「応益負担」の問題です。これによって障害が重い人ほど負担が重くなり、負担に耐え切れない障害者はサービスを受けられなくなることは必至です。先ほど紹介したフォ―ラムでは20歳を越えた障害者を持つお母さんが、1ヶ月の家計簿をまとめて参加者に示され、「年金と特別障害者手当てと本人の3000円の給料に加え、親の負担3万円でやりくりしている。この法律が通ったら5万円以上の負担がプラスになる。20歳を越えた障害者を親が見つづけなければならないことに怒りになっている」と話されました。 政府は、低所得者に配慮するとして所得に応じて4段階の「月額上限」を設定しました。しかしこれでも障害者基礎年金2級で月6万6000円のわずかな収入に、2割もの負担を強いるものです。全国いくつかの自治体で独自の利用者の負担軽減策を講じようとされていますが、伊丹市においても軽減策を講じるとともに、政府に対して「応益負担」を撤回することを求めるべきであります。 2)次に、「地域生活支援事業」についてです。サービスのうち、「介護給付」「訓練等給付」は「義務的経費」で、ガイドヘルパーや手話通訳派遣事業、小規模作業所に対する支援などの地域活動支援センターなどを対象とする「地域生活支援事業」は裁量的経費となり、その政府予算はわずか200億円しかありません。これでは現行のサービスは維持できません。このサービス利用料は市町村が独自に条例等で定めることになっていますが、現行どおり無料とすべきであります。また、小規模作業所は、NPO等の法人格を取得して一定の基準をクリアーすれば、地域活動支援センターへの移行が可能になります。しかし来年度中に移行できなければ年間の運営費が削除されてしまいます。 伊丹市として、国が示す地域活動センターへの補助金を超える予算を確保するとともに、来年度中に移行できない場合も含めて、最低現行の補助金を維持することが必要です。 以上の2点に関する見解を伺います。
5、介護保険に関して 昨年の介護保険改定と第3期介護保険事業計画によって、「地域支援事業」が新たに始まり、「介護予防」が保険に組み込まれるとともに、1号保険料が大幅に引き上げられようとしています。昨年10月に始まった施設介護におけるホテルコスト、食事代の負担とともに、高齢者の医療費引き上げが重なり絶えがたい負担増となります。しかし市民は、誰もが安心し介護を受けることができ、すみなれた地域で暮していくことができる制度を求めています。 ここでは次の点について見解を伺います。 1)昨年の本会議でも述べましたが、「介護予防」を積極的におこなうことは当然のことであります。しかし、新たに要支援1と要支援2の判定が出た高齢者が、いままでのサービスが受けられなくなることで生活に困難をきたしたり、逆に介護が重くなったりするようなことがあってはなりません。そこで以下のことをうかがいます。 一つは、日常生活に必要な行為について、介護を必要とする人ができない事を家族がやることなどを検討させ、ケアプランに反映させるような、アセスメントによる誘導はないのかどうか。二つには、厚生労働省の指示と予算で、自治体の保険料は介護予防の取り組みによって給付費が削減されることを前提に決められています。ケアプラン作成の最終責任は伊丹市にありますが、このことによって「給付費削減のノルマ」に追われるおそれがあることです。三つには、新予防給付にかかわる介護報酬は「包括払い」にされます。その金額も低く抑えられることが予想され、経営上の理由から利用者に十分なサービスが提供できない可能性があるという点です。いずれにしましてもサービスの後退はしないことを求めるものであります。 2)次に今回の改定の大きな特徴の一つである「地域包括支援センター」についてであります。センターは地域支援事業の内「包括的支援事業」などを担当しますが、具体的には、介護予防マネジメント、介護保険外も含む高齢者や家族に対する総合的な相談・支援、高齢者に対する虐待などに対する権利擁護、地域のケアマネージャに対する支援の4つの事業を、一体的に実施する「中核施設」としています。この創設の意義は、今まで介護保険を狭い意味で運営することだけが自治体の責務となっていたものを、自治体が地域にける高齢者の生活を介護・福祉・医療など総合的に支えていくための拠点として発展させていくことにあり、改めて伊丹市が総合的な支援体制を再構築する必要性があると考えます。 政府はおおむね2万人から3万人に1ヶ所を設置することとしていますが、伊丹市は1ヶ所の設置で、しかも社会福祉協議会に委託を予定されています。事業計画でも、1箇所では支障があるので9ヶ所の地域型介護支援センターで補完するとなっています。しかし今まで9箇所すべてで地域ケアが十分行われてきたかというとそうでもなく、特に社会福祉法人経営のセンターは介護保険中心にならざるを得ません。社会福祉事業団のセンターでも職員が1名のままとされています。しかも社会福祉協議会が今までさまざまなノウハウを蓄積しているとはいえ、伊丹市の手から離れます。これで本当に伊丹市の責務として高齢者の総合的な支援体制が再構築できるのでしょうか。行政は一体何をするのか、今までどおり介護保険の制度維持が中心にならざるを得ないと危惧するものですが、見解を伺います。
6、教育に関する問題 「伊丹市民意識調査」を見ますと、期待する都市像では、「保育所・幼稚園・学校が充実し、子どもたちが地域で健全に育つまち」が前回に比べて大幅に伸びました。この背景には、学力危機の問題やモラルの荒廃の問題など、様々な形で子どもたちの心と成長を傷つける深刻な自体が引き起こされていることにあると思います。 来年度予算の中では、「教育ビジョン」の策定や「子ども読書活動推進計画」の策定などが盛り込まれていますが、以下の点で見解を伺うものです。 1)「学力」について 近年の学力低下を克服することが大きな課題とされ、本市においても、学力向上のためとして、学習到達度調査を行うとされました。 政府も2007年度から、小学校6年と中学校3年全員を対象に全国学力調査を行うとしています。昨年、当時の中山文部科学大臣は、「全国学力テストをして競い合う教育をしないといけない」などと発言していましたが、国連子どもの権利委員会は日本の子どもたちが「高度に競争的な教育制度のストレスにさらされ、・・・子どもの発達のゆがみをきたしていること」を懸念すると表明しているとおり、全くの逆効果です。経済協力開発機構(OECD)調査が行った国際学力調査(PISA)で学力世界1と注目を集めたフィンランドでは、学力テストはほとんどなく、5%の生徒が受けるだけで、地域・学校に公表されません。そもそも、日本が一位になろうとしているこの調査自体が、日本のような競争的な学力への疑問から出発しています。フィンランド科学アカデミー外国会員で早稲田大学名誉教授の中嶋博さんは、フィンランドの高学力の要因として、「公正と平等」を最優先にしていること、学習者一人ひとりのニーズに応じる姿勢を貫いていること、学校や子どもをテストでランク付けする仕組みがないこと、「比べ癖」がつかない学び、脅しで動機付けない学びが自己肯定観につながっていることにあるとしています。伊丹市でもこれに学ぶ必要があるのではないでしょうか。 全国学力調査も伊丹市が行おうとされるテストも、子どもと学校のランク付けにつながり、「比べ癖」をつけ、自己肯定観を喪失させるという、フィンランドの教育と逆のことをしようとしています。これらのことから、全国学力調査に対して、これを受けないとする自治体も生まれています。伊丹市でも全国学力調査も、独自の学力調査も考え直す必要があると考えますが、見解を伺います。 2)開かれた学校づくりと評価の推進について @全国で様々な悲惨な事件が相次ぎ、学校と児童の登下校の安全性をどう確立するか、このことと開かれた学校づくりをどのように連携させていくのかが大きな課題となっています。 子どもの安全対策につきましては、これまでも様々な施策を行われ、来年度予算の中でも、青色回転灯を装備した公用車での地域パトロールや小学校下校時間帯での消防車両によるパトロールの実施などの対策を講じようとされています。もちろんこのことも犯罪防止に対して一つの抑止力になるとは思いますが、PTAや地域のボランティアによる自主的な取り組みとあわせ、学校に「安全監視員」を配置することは、一昨年の経験からも、心の通い合う暖かい対応ができ、かつ抑止力にもなるという点では有効であると考えますが、見解を伺います。 A来年度の教育基本方針では、「保護者や地域住民の学校園運営への参画を促進する必要がある」とされています。学校の評価という点では、この中に子どもをどう位置付けるかということも大切であると思います。埼玉県の高校では、学校評議員と保護者、生徒が参加する「学校評価懇談会」が開かれ、生徒からは自分のことだけでなく、仲間のことを考えて、もっと学校がよくなって欲しいとの願いから様々な意見が出されるそうです。 「子どもの権利条約」が定める「子どもの意見表明権」、学校づくりへの子ども参加が求められていると思いますが、このような「学校評価」を軸にした子どもを含めたな懇談会・協議会の場では、子供から「一人前として対等に扱ってもらえることがうれしい」「公的な場で存在を認めてもらえる喜びがある」などの感想が出されているとおり、子どもたちが発言したことが実現していくことで自己肯定感を得られることになっています。そしてこのことが、「すてきな学校づくり」から「すみよい地域」へと、つなげていくことができると考えます。見解を伺います。
7、交通事業について 「伊丹市交通事業懇話会」が答申を出しました。サービス向上策も盛り込まれていますが、大変刺激を受けたのは「民営化」の問題であります。伊丹市バスは一体どこに向かって走るのか、大変な危惧を感じました。 市バスの2004年度の輸送人員は、12,258千人で、毎月市民が平均5回以上利用していることになり、そのうち高齢者等特別乗車証によるものが約30%、通勤・通学の定期券利用者は約20%で、伊丹市バスは、利用実体そのものが福祉的様相を強めていることになります。地方公営企業法第3条は、「地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない」と規定していますが、まさに伊丹市バスが「公共の福祉増進」という本来の目的を果たすところに存在意義があり、市民のやすくて安心、安全な移動手段としての役割が求められています。 ところが「答申」は、「赤字となるいわば市場価値のないサービスを、それ以外の社会的理由の名のもとに税金を投入して維持することは、相当に例外的措置」だと言って、市場原理主義による民営化を推進しています。この言葉には福祉という要素は微塵もありません。 赤字路線を民間に移管すると一体どんな事態が起こるのか、県内のある自治体の例を紹介します。このまちの新会社の勤務表はぎりぎりの人員に抑制しているため、5日間も早朝6時代出勤が続き、4時半おきで長時間拘束、睡眠時間は3から5時間で身が持たない、というものでありました。組合はストライキまで計画して交渉し、7名増員を勝ち取ることはできましたが、このような勤務状況で「公共の福祉増進」ができるはずはありませんし、何よりも安全に市民を輸送する保障もなくなります。また自治体自身がその地域に過労死を生むようなひどい会社をつくることにもなります。 伊丹市バスは、伊丹市の地域的特性から見ても、住みよいまちづくりと地域の活性化のためにも、本来の「公共の福祉増進」という目的にまい進する意外に生き残る道はありません。見解を伺うものであります。
8、外交・平和に関する市長の政治姿勢について 1)一つ目に、小泉首相が靖国神社参拝に固執している問題ですが、このことが日本の外交の孤立と行き詰まりを深刻なものとしました。アメリカのブッシュ大統領は昨年、対日戦勝60周年の記念講演で、「アジア解放のための戦争」という靖国神社が立っている侵略戦争正当化論を厳しく批判しました。戦後の国際秩序は、かつて日独伊が行った戦争が侵略戦争で あったという共通の認識の上に成り立っています。私も先月神社内にある遊就館を見てきましたが、「日本は正しい戦争をした」と宣伝することを自らの使命においている靖国神社に首相が参拝することは、戦後の国際秩序を土台から否定する行為にはかなりません。市長は靖国神社の戦争観をどのようにお考えでしょうか。また首相の靖国神社参拝に対してどう思われているのでしょうか、見解をお伺いします。
2)平和外交と国民保護計画について 全国の市町村で国民保護計画が今年度中に作成されることとなります。この計画は有事法制の一環でありますが、どんなときに有事法制が発動されるのかが重要です。 政府の答弁によりますと、日本の近隣諸国が日本に対して武力行使をする可能性はほとんどないこと、有事にあたる武力攻撃事態等とは、武力攻撃が予測されるに至った事態も含まれ、わが国への攻撃だけではなく海外の公海上にいる自衛隊などに対する攻撃も武力攻撃にあたることでありました。すなわち米軍がイラク戦争のような戦争を仕掛け、自衛隊が後方支援をしている艦船等に反撃が加えられそうになった段階で有事法制が発動されるというのが政府見解です。 したがって小泉内閣がすすめている米軍基地強化と日米軍事一体化自体が、一番戦争の危険性を高めることであり、この道を断ち切ることが「国民保護」にとっての最大の保障であります。一方アメリカは、北朝鮮をめぐる「6カ国協議」でも、中国との関係でも、ASEAN諸国との関係でも国際問題を外交によって解決する方向を確認しました。 戦争を回避し、外交による話し合い解決が世界の流れとなっている今、日本にとって必要なことは、有事法制の具体化という軍事的な対応で、アジアの緊張を激化させることではありません。党議員団はこの立場から、有事法制・国民保護法の具体化には反対であります。 一方総務省の「市町村国民保護モデル計画等の通知」では、市町村保護計画が対象とする武力攻撃事態とは、着上陸侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃となっています。兵庫県計画では、攻撃目標となりやすい地域として、着上陸侵攻は大型の輸送機が離着陸可能な空港が存在する地域であり、航空攻撃はその威力を最大限に発揮することを意図した地域で大都市などとしていますが、自衛隊基地が攻撃目標となる可能性が高いということになります。いずれにとっても大阪空港と自衛隊基地のまちである伊丹市はまさに攻撃の的であり、兵庫県の計画によりますと伊丹市に居住すること自体が危険であるとなります。 さらに国民保護法は、「武力攻撃災害」という概念に象徴的に現れているように、戦争と自然災害を同一視する考えがあります。自然災害と戦争は全く性格が異なるものであり、伊丹市においても「危機管理室」が新たに設置されようとしていますが、戦争と自然災害を混合した「危機管理」体制づくりは止めるべきであります。 伊丹市をはじめ全国の自治体が仮想敵国をつくり戦争準備をすることが、いかに日本とアジア諸国との平和と友好に水を差すことになるか。伊丹市の国際友好都市との関係にも影響することになりかねません。 市長はこのような有事・国民保護法の具体化をするのではなく、憲法の平和原則を守り平和外交への努力を政府に求めるとともに、在日外国人の権利を守るとりくみを一層すすめること、国際友好都市等との交流を自治体としての平和外交的要素も含めながら、自治体と民間の文化・人材交流、経済技術協力の促進を一層すすめること、市民に対する憲法に基づく平和・人権思想の普及、平和教育の推進に力を尽くすことであります。住民のいのちと財産を守るという使命を持つ地方自治体の長としての見解をお伺いします。
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