2005年度一般会計予算に対する反対討論

ひさ村真知子議員

    

只今議長より発言の許可をいただきましたので日本共産党議員団を代表しまして、議案第18号・議案59号に対して反対の立場から意見を述べます。

 はじめに議案18号「平成17年度伊丹市一般会計予算」についてであります。

小泉内閣は景気が穏やかな回復局面にあるとしていますが、内閣府が発表した2004年10月から12月期の国内総生産――GDPが、前期比0.1ポイント増となったものの、個人消費は依然として連続のマイナスであり、厚生労働省が発表した2004年の賃金構造統計調査でも、給与が3年連続の減少となっています。また帝国バンクが発表した2月の全国企業倒産は前年同月比では下回りましたが、中小企業の倒産全体に占める割合は40.2%と過去2番目の高い水準となっています。また失業率も4.4%、完全失業者も270万人と依然として深刻な事態にあります。

 小泉内閣はこの事態の中で、年金給付を引き下げる一方、今年1月から老年者控除の廃止や年金所得控除の引き下げなどの増税を行うとともに定率減税の廃止や、消費税増税を計画し国民への大規模な負担増に踏み出そうとしています。このことは益々個人消費を抑え、景気をさらに悪化させることにつながります。このような情勢の中で市民の暮らしを守る上で地方自治体が果たす役割は益々大きくなっています。

今回提案されています2005年度一般会計予算は、市長選挙を控えていることから義務的経費や経常的経費を中心とした骨格予算とされ、当初予算規模は対前年度比10.4%減の586億8,000万円とするものです。

 はじめに歳入についてです。その問題点は、個人所得が落ち込んでいる中での配偶者特別控除の一部廃止による3億1,000万円の増税であります。個人市民税は先ほど述べた雇用状況を反映して個人所得が減少し、その増税を含んでもなお対前年度比2.8%の減とするものです。

法人市民税を22.0%の増を見込んでいますが、企業が人件費を抑えるなどリストラによる収益を上げていることの現れであり、企業が利益を増やせばいずれ所得が増えて家計を潤すという楽観論はまったく通用しないことが明らかであります。

1998年から2004年の7年間で、市民の年間総所得が480億円減少しています。これは一世帯あたり年間約64万円の減少であり、このことからも伊丹市として市民の暮らしを応援する施策がより一層求められています。

 地方交付税等小泉内閣による三位一体の改革については、一般財源は前年度水準を確保したとされていますが、昨年は一昨年に比べて大幅に減らされた年であり、さらにその上地方交付税を総額として削減するため職員の削減や民間委託等を、交付税単価の改正に盛り込むことなどは、財政をより一層困難にするばかりか地方自治の本旨にも反するものといえます。   

地方財政改革に関しては政府に対し、地方交付税の財源保障と財政調整機能を維持し、標準的な住民サービスを保障する、必要な財源を確保することとともに、義務教育と生活保護、児童扶養手当の国庫負担制度の後退をさせないよう求めるべきであります。

 さらに政府に対し、航空機燃料譲与税の透明性と財源の確保、基地交付金の増額、固定資産税の制度改善、災害援護資金貸付金返済における政府の柔軟な対応を要望するよう求めるものです。

次に歳出についてです。問題点の第1が同和行政・同和教育です。政府の特別対策終了が2002年3月でしたが、その3年後となる今年、同和対策審議会廃止を提案されました。しかし当局は、差別意識がある限り一般対策としての同和行政・教育は必要であるとの立場であります。この立場が依然として行政を歪めているといわざるをえません。その一つが差別意識の解消のためとする人権・同和教育です。市民の意識を変えることは行政の役割ではありません。二つには部落解放労働事業団への委託の問題です。一定の努力は認めますが、依然として特別対策のままです。高すぎる委託料など改めるべきです。三つには、ふれあい交流センター条例の「歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域」との規定は、特別対策としての根拠を残すものです。直ちに改正されることを求めます。四つには、部落解放同盟の運動スローガンのひとつである「狭山裁判の再審請求」を支持することは、行政の立場を逸脱したものであり、ただちに止めるべきであります。さらに共同会館事業に関しては、今日まで一般対策化を求めてきましたが、新しく認可申請されているNPO法人に委託しようとされています。このことは他の周辺施設も含めた一体的管理における指定管理者制度を視野に入れており、しかもその役員に部落解放同盟の役員も含まれていることは、一般対策に逆行して同和行政を継続する拠点とするものではないかと危惧するものであります。

第2に、行政評価についてであります。総合計画を実施する上で、行政自らがその内容について議論を通じて精査し評価することは、市民の福祉増進にとって有効なものとすることは可能であるとともに、行政の無駄を省く上で必要なことでもあります。しかし現在の評価方法が財政効率に偏ったものとなっています。このやりかたを改め住民自治の立場から主権者としての、市民の意見が反映できる仕組みをつくることが必要と考えます。

第3に、指定管理者制度についてです。来年度はすべての公の施設を対象に制度を適用するかどうかが検討され、その結果個別条例化とともに指定管理者の指定が行われることになります。そもそも公の施設とは地方自治法のとおり「住民の福祉を増進する目的」で設置されたものであり、指定管理者制度の適用は、この公の施設がビジネスの道具とされ、住民サービスの低下や不正の温床、雇用問題の発生等のおそれとともに、住民参加や議会による監督が後退するなど、根本的な問題があります。しかし法律に沿って進められる以上、次の点を求めておきます。一つは、公の施設の設置目的・趣旨を再確認し、指定管理者に移行することが妥当であるか否かの判断の重要な視点にすることであり、財政効率を優先すべきではないこと。二つに、指定管理者の指定にあたっては、原則公募とされていますが、従前の管理委任団体が実績・管理能力が認められるときは、条例によって指定管理者を公募しなくてもできるようにすること。三つには、議会の議員、市長、助役等特別職とその家族が経営する会社は利権の温床のおそれがあり、指定管理者の申請ができないように規定すること。四つに、指定管理者に情報公開条例を適用するとともに、住民参加と議会の監督ができるようにすること。

第4に、「君が代」「日の丸」の押し付けについてです。法制化に当たっての政府の国会答弁では、国民に日の丸、君が代斉唱を義務づけるものではないとしていました。このように国民に強要できないものを学習指導要領に基づき、教育委員会は入学式や卒業式で、教師や児童生徒に押しつけてきましたが、憲法19条の思想及び良心の自由を踏みにじる強制などはやめるべきであります。

 

第5に、市立高校の全定分離における中等教育学校構想についてです。この件に関しましてはいままで、受験競争の低年齢化のおそれとともに、総合選抜制をなくすものとして問題があるものとして指摘をしてきました。3月末に答申が提出されるにあたって、改めて教育委員会に対して再検討を求めるものです。その理由の一つは、入学選考でいずれの方法にしても新たな競争は避けられないことから受験競争の低年齢化が生まれる。二つに、このことで総合選抜制度がなくなれば高校選抜において受験競争を激化させ、高校において新たな格差が生まれるとともに、地域に根ざした高校がなくなること。三つに、地域でPTAを含めて子どもの安全を守る運動が取り組まれているとき、地域に根ざした子どもの生活を希薄にさせ、親と子どもが分断されるおそれがあると考えます。

 以上問題点を述べましたが、本会議、委員会を通じて評価するとした点は積極的に施策を行っていただくとともに、●職員の福利厚生のあり方、透明性の確保、●市民まち作り基本条例の立場からの「市民まちづくりプラザ」の充実、●福祉医療費助成制度の県の見直しに関しては現状制度の維持、拡充を求めます、●保育所待機児童の解消と認可外保育所への助成などにつきましては、6月議会での補正予算で実現されますことを求めておきます。●障害者自立支援法や介護保険制度は、安心してサービスを受けるために、利用者の大幅負担の軽減と充実を国に求めること。空港対策では航空機事故多発の防止対策を行い市民への安全性の確保を行うこと、等要望いたします。

 

次に議案第59号「財産の無償譲渡について」ですが、本議案は、伊丹市立知的障害者援護施設である「さつき学園」並びに「くすのき園」を、社会福祉法人「協同の苑」に移管するに伴い・建物・物品を無償譲渡するものです。これらの施設に関してはすでに昨年12月議会において設置条例の廃止が議決されていますが、私たちは一貫して同施設が民間に移管には反対の立場を取ってきています。その理由は憲法に規定されている人権を守る立場にある自治体が、人権費削減を主とした「効率化」のために民官移管することは、知的障害者や保護者の人権を守る保障を自治体が放棄する事になるからです。

この立場を基本としながら本議案に反対する理由は、同施設の財産の償却残存価格、合計2億3千3万81円を無償で譲渡することです。今まで社会福祉法人が社会福祉施設を建設する場合、補助要綱で「国・県の補助金を除いた2分の1を伊丹市が補助」してきました。施設の償却費は、障害者支援費制度によって織り込まれています。このことからも同様の補助にすることが本来のあり方です。市民の財産である施設を無償で譲渡する理由はありません。よって議案59号には反対といたします。議員各位のご賛同をお願いいたしまして討論と致します。